NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

意表を突いた犯罪、事件に関係する人々の人間模様、犯罪の裏にひそむ過去のできごと、秘められた犯罪者の正体、それら縺れた糸を少しずつ解きほぐしていくような展開は、ひじょうにおもしろくスリリングです。
探偵ものとしては、物語の展開だけではなく、トリックや推理も楽しめる本格派寄りの作品といって良いでしょう。

犯罪のトリックや、捜査を攪乱する現場の状況などは、古典的なアイデアを踏襲していますが、 「ミスティ・オンライン」 という架空のネットゲームの世界を事件にからめたことで、従来にはない、より複雑で奥行きのある犯罪ドラマに仕上がっています。

音楽はこのゲームのドラマ性にも良くマッチしており、クラッシックの楽器を主体としたサウンドは、重厚なものから軽快なものまで、情緒豊かな曲が多く、物語の雰囲気を盛り上げてくれます。
この作品には、あの光田康典氏も楽曲を提供しているとのこと。

プレイ中、オンラインゲームにアクセスしたり、捜査メモを参照したりする操作は、DSの２画面＆タッチパネルのおかげもあり、なかなか快適です。

BAD/REQUEST

キャラクターの絵がらが貧弱で損をしていると思う。
実際にプレイすると、それほど違和感のないキャラクターなのですが、特徴の薄い顔立ちや地味で貧弱な服装など、第一印象が悪いように思います。

癸生川の助手の伊綱とともに、じわじわと犯人を追いつめていく展開は素晴しいのに、最後の最後、真犯人を確保する方法については疑問を感じました。
できれば、癸生川とプレイヤーが、共同作業で真犯人を捕まえるような展開にしてほしかったと思います。
また、終盤で説明される、事件の背景や犯人の人物像は、あまりこちらに迫ってこないところがあり残念でした。

COMMENT

探偵小説やアドベンチャーゲームが好きな人は、買って損することのない内容だと思います。
私なども、ひさびさに探偵小説を満喫したという気分を、このゲームで味わうことができました。
ただし、悪い所でも指摘したよう、お終いの方で息切れしたように感じられる部分もあります。

終盤、凄惨な事件現場のようすが犯人から語られますが、この部分はグラフィックではなく、おもにことばによる描写となっています。
一部には刺激が強すぎると感じる人もいるようですが、最近の異常犯罪を描いた小説などと比較すると、ずいぶん大人しい方です。
（ただしレーティングについては、12才以上にした方が良いのかもしれません）

アドベンチャーゲームとしては、かなり完成度の高い作品なので、このシリーズの続編が出ることを期待したいところです。