NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・丁寧に作られた独特の世界観
舞台はある理由により破壊された荒廃した世界。
人間を狩る恐ろしい集団に、世界に蔓延る凶暴な生物や機械たち。
とても人間がまともに生活できる環境ではないのだが、人々は明るくたくましく生きている。
この凄惨なのにクレイジーではなく、カラッとした明るい世界観が魅力。

イベントも多種多様で、コメディタッチのものやひたすら嫌な話、色気のあるものがあれば、妙にハードボイルドなイベントもある。
いきなり火曜サスペンス劇場のような殺人事件が始まった時はさすがに笑った。
いい意味で作家性のあるゲームだと思う。…ただし、この何でもありな世界観は人によっては受け付けない可能性もある。

・爽快感のある戦闘
オーソドックスな戦闘なのだが、戦闘スピードを細かく設定でき非常に快適。
敵味方の攻撃が入り乱れた怒濤のラッシュは単純に爽快感がある。

・自由度が高い
主人公は何処に行ってもいいし、どの依頼を受けてもいい。
このゲームは自由度と密度の高さを同時に実現している。次々にあらゆる手段でプレイヤーに刺激を与えてくれるので、遊んでいて退屈に感じる事はないと思う。

また、このゲームの売りである車のカスタマイズも自由度が高く、どの部分を改造しようかどのパーツをつけようか考えるのが楽しい。
試行錯誤の面白さがあるし、ボスや賞金首に自分の思い通りの攻撃がきまると気持ちイイ。

・やり込み要素
難易度が最初はノーマルしかないのだが、クリアする毎にハード、スーパー、ゴッドと増えていく。
また、一度見たイベントも、選択肢や達成までのスピードで結末が変わったりするので単調になり難くなっている。

BAD/REQUEST

・車の乗り降りなどの操作性が若干悪い
車に乗りたいのに位置が少しずれると乗れない事がよくある。特に牽引車は気づかずに置いて行ってしまう事もあった。

・独特の世界観
良い点でも挙げたのだが、この独特の世界観が人によっては受け付けない可能性がある。
良く言えば作家性が高く、悪く言えばヘンテコ。
例えば中盤、プールの飛び込み台の上に立つと、いきなり眼下の湖に巨大な目が出現し、プレイヤーに哲学的な問いかけをしてくるイベントがある。
これを面白いと思える人には最高だし、実際自分はこのイベントを楽しめたのだが、人によっては意味がわからない…となる可能性もある。
こういった挑戦的なイベントばかりでもないのだが、面白くても知人に薦めるには勇気のいるゲームだと思う。

・強すぎる戦車がある
ある戦車に特定の改造をし、あるパーツをつけると、簡単に他の車より頭二つは飛びぬけた性能になる。
簡単に気づけるものではないし、終盤にならないと手に入らないのだが、終盤の強敵はこの戦車と特定のスキルを組み合わせるだけでいい、というバランスになっている。これは本来の面白さを損なうしもったいなく感じた。

・隠しステータスが多い
この武器は空には届かない、この武器はクリティカル率が高い、この武器は迎撃率が高い、などパラメータに載っていないステータスが多い。
人によるとは思うが、パーツの試行錯誤をするゲームでもあるし、自分はめんどうに感じた。

COMMENT

シリーズ初プレイという事もあり、最初はゲームの進め方に戸惑っていたのだが、
プレイ時間が２０時間を越えた辺りで、このゲームめちゃくちゃ面白いぞ、と思いはじめ、
３０時間を越えた辺りからはエンディングまでこのゲームの虜になっていた。

何でもありな世界感だが、育ての親の仇を討つという明確な目的があるので、一本、筋の通ったストーリーになっている。
さっきまでは笑っていたのに、ふと最初の町に帰り何かないかな？と探索をして、育ての親の墓を見て身が引き締まる思いになる。
全体的にあっさりしたストーリーだが、プレイヤーの感情を揺さぶるのがうまいゲームだと感じた。

何か面白いRPGを探している人にオススメ。ぱっと見は地味なゲームだが意外と嵌る人も多いと思う。