NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・斜め移動が可能になった
　前作(MM3)では斜め移動ができなかったが、本作では可能になった。
　非常に地味な変更点ではあるが、この変更点のおかげで
　かなり快適にマップ内の移動ができるようになった。



・戦車の改造関係がかなり改善された
　まず、前作で大不評だった「戦車改造の後戻り不可」が無くなり、
　戦車の改造をゲーム中何時でもリセットできるようになった。

　更に、前作では戦車の車体をバージョンアップしなければ
　装備できる武装数が少なくカスタマイズの幅が狭かったり、
　バージョンアップすると固定の武装が付いて、かえってカスタマイズの幅が
　狭まったりしたが、本作では車体のバージョンアップによるカスタマイズの
　幅の差がほとんど無くなり、例え最初期バージョンの車体でも
　最終形バージョンの車体とほぼ同様のカスタマイズができる。

　また、戦車や武装の改造費が今までの作品に比べて安価になっており、
　費用自身も稼ぎ易くなっているので、先述のように車体の改造を
　何時でもリセットできる事も相まって、シリーズ中でも一番自由且つ気軽に
　戦車の改造ができるようになった。



・敵の強さの調整具合
　前作から採用されたキラモンスター
　(同じモンスターのレア版で、能力値が高くなっている代わりに収入も増加)に
　ついて、前作ではかなり強くなる(戦車の副砲一発で一掃できたザコが、
　主砲を数発打ち込まないと倒せなくなる等)割には
　収入が見合った程でもないという、出現した時には「嬉しい」という感じより
　先に「面倒」と思う方が先にきて、大体はまともに倒すよりも逃げた方が
　良いような状態だったが、本作ではステータス上昇に修正が加えられたのか
　キラモンスターが出現しても大抵は楽に倒せるようになった。

　また、ボスクラスの敵が旧作(MM2時)と比較して軒並み属性耐性を持ったり
　攻撃手段や行動パターンが増加したりで強化され、
　手応えのある相手が多くなった。
　特にゲームの進行上必ず戦わなければならない敵はその傾向が顕著で、
　旧作と同じ感覚で挑むと結構痛い目にあう。



・敵との遭遇率の変化
　前作で比較的不満の多かった敵との遭遇率について、
　敵の出る場所に移動した最初の状態では敵との遭遇率は最低だが、
　敵と会わない時間が長くなるに比例して上昇し、敵と戦った後は
　また遭遇率が最低になる…といった形に変更された模様
　(敵との遭遇率が画面上部に表示されるのだが、そこから見る限りでは)。

　…まあ、あまり実感できませんけどね！(台無し



・戦車パーツの特性が増加した
　戦車パーツのCユニットやエンジンに様々な特性が付与され、
　更に戦車にはCユニットやエンジンを2つ載せる事もできるようになり、
　戦車の運用方法に応じて特性の組み合わせをいろいろと考えるのが
　非常に楽しくなった。



・他の戦車に載せている武装を容易に装備できるようになった
　戦車の武装を変更する際、他の戦車に載せている武装も候補に挙げられ、
　選択すると自動で載せ換えて装備してくれるようになり、
　いちいち他の戦車から装備したい武装を載せかえる必要がなくなった。



・アイテムを売る際、複数種類を選択できるようになった
　店に不要なアイテムを売却する際、不要なアイテムを一覧から複数選択して
　一括で売却する事ができるようになった。
　アイテムの種類が多く、またいくつでも持てる本作において
　この変更は嬉しかった。



・戦車に複数人が乗車できる
　1台の戦車に複数人で乗車できるようになり、
　戦車の台数が少ない序盤でもゲームが進めやすくなった。

BAD/REQUEST

・降車時の敵との遭遇率を下げる方法が時限的なものしかない
　戦車搭乗時には、敵との遭遇率を下げる効果のあるアイテムを一度使用すると
　その機能をOFFにするまで効果が持続するのだが、降車時の状態では
　敵との遭遇率を下げるアイテムの効果は時限的
　(しかも効果時間はそれほど長くない)なので、効果が切れるたびにアイテムを
　使用しなければならないのが面倒。

　敵との遭遇率が高い場所がゲームを通して比較的多く、
　降車時は戦車搭乗時に比べてどうしても攻撃力の弱体化や攻撃範囲が
　狭まるため、降車時の状態で敵と遭遇すると戦車搭乗時に比べて戦闘時間が
　長引く場合が多く、一撃で倒せる程度の敵しか出ないような場所でも
　大量に出てきたりキラモンスターが出てきたりすると攻撃が追いつかずに
　一掃できず、戦闘が大変煩わしくことが多々あるので、
　効果時間をもう少し長引かせるか、あるいは戦車道具の時と同じように
　自ら効果をOFFにするまで常に効果が持続するアイテムや特技がほしかった。

　思うに「遭遇率を常に下げるが、対象は現在の自分よりも弱い敵に限る」
　というような効果のアイテムがあればすごく便利だったと思う。



・戦車武装の強さ・便利さのバランスが偏りすぎている
　戦車武装の種類には大きく分けて「主砲」「副砲」「特殊兵装」の3種類が
　あるが、本作は「特殊兵装が有れば、他は要らないんじゃね？」と
　思えるくらいに「特殊兵装」が群を抜いて強く、便利。

　戦車を代表する武装である「主砲」は、中盤?後半辺りはボスクラスはもちろん
　ザコにも迎撃手段を持つ敵が現れダメージが与えられなくなる事が多々あるが、
　「特殊兵装」は殆どが迎撃されない上、「主砲」は1度の攻撃で敵1体を1回しか
　攻撃できない物が多いのに対し、「特殊兵装」は1度の攻撃で多段攻撃や
　範囲･全体攻撃が可能な物の方が多い。

　攻撃力は低いが弾数無制限で攻撃範囲が広いのでザコ敵一掃用として
　用いられる事の多かった「副砲」だが、本作では副砲が持っていた
　そういったアドバンテージを持つ「特殊兵装」の数が増え、
　且つ「特殊兵装」は総じて攻撃力が高く、「副砲」の存在意義を
　かなり食っている。

　その上「特殊兵装」には大きなデメリットがない。
　強いて言えば重量の重い武装が多く、強い物を複数載せると重量オーバーで
　戦車が自走できなくなったり、戦車のHPといえるSPが少なくなるという事が
　挙げられるが、本作ではエンジンを2つ載せる事の可能な車種も多いので
　実はあまり気にする必要が無かったり、そもそも軽い物も多数存在する。

　このように「特殊兵装」は「主砲」「副砲」の上位互換といえるような装備が
　多数揃っているため、「主砲」「副砲」の存在意義が
　かなり低くなってしまった感がある。
　極端だが、中盤以降は主砲、副砲が殆どお飾り状態になるかもしれない。

　過去の作品では、弾数が少なすぎたり、一発の代金が高かったり、
　重い割りに弱かったり、さらには発射するまでに何ターンか待機が必要など
　デメリットが多く特殊兵装がお飾り状態になってしまう作品が多かったが、
　本作ではその反動か、強く、便利になり過ぎてしまっている感がある。
　特殊兵装と特性、特技の組み合わせにより、1度の行動で50回以上の
　強烈な攻撃を敵に叩き込むという事もできてしまう。
　(これができるのは特殊兵装のみ)

　本作の「特殊兵装」は、もう少しデメリットがあってもよかったと思う。



･トランクルームの限界数が少ない
　持ちきれないアイテムを保存しておけるトランクルームの限界数が、
　本作もそれほど多くなかったのは残念…

　とはいえ、プレイヤーがもったいないお化けにとり付かれていたり、
　コレクター魂に火がついているわけでなければ、十分な枠数なのだけれど。

COMMENT

完全新作というわけではなく、SFCにて発売された作品のリメイク版ですが、
非常に良くリメイクされていると思います。

システムは前作(MM3)を踏襲、改良してさらにプレイしやすくなっており、
追加要素も非常に多く、SFCで発売された旧作をプレイした事のある人でも
新鮮な気持ちで楽しめます。
私自身、SFC版の旧作を(極めたというほどではないですが)複数回繰り返して
プレイしてクリアしており、大まかなストーリーや進め方は知っていたものの、
「このボスはこの程度の強さだろ？余裕余裕！」と挑戦したら
全く意外な調整をされていてあっさり返り討ちにあったり、
「ここは無理にでも進んで強力な武器や防具を先に取ってこよう」と思ったら、
実は新しく追加されたイベントをクリアしないと先に進めなくなっていたり、
思ってもいないところに追加イベントがあったりして、まるで全く新しい
ゲームをプレイしているかのように最初から最後まで楽しんでプレイできました。
特に戦車改造の自由･手軽度は最高です。

さらに、丹精こめ手塩にかけて強化した戦車やキャラクターを使用しての
クリア後の周回プレイでは、強化したキャラクターや戦車を使用しての
「俺TUEEEEEE！」無双プレイはもちろん、敵の強さの調整もできるようになり、
自キャラや戦車の強化の極限を目指すという楽しみ方もでき、
更に敵の強さも周回を増すごとに選択肢が増えていくという
実に長く遊べる作りになっています。

特技や特性、攻撃属性や1台の戦車への複数乗車など様々な要素が
追加されたことにより難易度は少々易しめと感じましたが、
かといって全て強引な力押しで進められるほどのヌルゲーというわけでもなく、
適度にサクサク進められ、時には少し考えることも必要という
かなり遊びやすい難易度に調整されていると思います。
(それはつまり、易し過ぎると感じる人には自ら縛りを課す事ができる
　余地がある、という事ですし)

DS通信機能を使用しなければ手に入らないアイテムや戦車が存在したり、
ネットやタイアップ誌の情報からしか手に入らないパスワードが必要な
宝箱がゲーム上に幾つも存在したり
(※どちらもゲームクリアには特に必須でない)、
ハンター主人公や固有ソルジャーのデザインはちょっとなぁ…と思ったり、
レスラーが(悪い意味で)スタイリッシュなデザインになったなぁと思ったり、
T様にそれほど苦戦しなくなったなぁと思ったりと、
超個人的に微妙に思うところも無くはないです。
フリーズにも、1度だけ陥りました…

が、数々のイベントが追加されて旧作よりはるかにボリュームアップし、
それでいて本来の自由度の高さを損なってはおらず、やりこみ要素や
第3の性別オカマに続いての第4の性別等のお遊び的無駄要素も相当数増加、
遊びやすいシステムに難易度調整と、全体的に見て
かなりの良作に仕上がっていると思います。

先述のようにSFC版のメタルマックス2をかなり遊んだ私ですが、
そんな私でも全く新しいゲームかのように寝る間も惜しんで嵌りこみ、
更に現在は周回プレイ中、今回のレビューもついつい熱が入り
ここまでの長文になってしまうほど夢中になってしまい、
素晴らしいリメイクだと感じたので、満足感に5点を
付けさせていただきました。

メタルマックスシリーズに初めて触れる人はもちろん、
SFC版メタルマックス2をプレイした事のある人にも、
自信を持ってオススメできます。