NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

　ポケモンは全シリーズプレイしており、レンジャーやダンジョンなどの外伝作品もプレイ済みです。

　●クリアまで全て新ポケモン
　この部分には制作側の気合を感じました。今までは洞窟に行けばズバットやイシツブテが、海に行けばメノクラゲが出てきたので、そろそろ変えてもいいんじゃないかと思っていた点です。
　今回は何処に行っても新鮮な気分を味わえました。敵トレーナーが繰り出してくるポケモンのタイプを探ったりと、ポケモンバトルでのワクワク感がありました。

　●BGM
　ジムリーダーやプラズマ団など、戦闘BGMも充実していました。またフィールドでのBGMに関しても良いものが多く、終盤になるにつれてBGMも高揚感がありました。
　悪い点についてはBADでまた述べます。

　●わざマシンの仕様変更
　非常に助かります。これは今後も変えないでほしいです。
　これを見習って、ひでんマシンも早く仕様変更してもらいたいところです。

　●戦闘中にポケモンが動く
　ポケモンが登場時アクションをしただけで感動していた時代が懐かしいです。
　今回は戦闘中にポケモンが動くので、見ていて退屈しません。
　このポケモンはこんな動きをするんだな、と生き物らしさを感じることが出来ます。

　●戦闘テンポ
　ゲージの減りがとても早くなり、バトルがスムーズに進むようになりました。何故もっと早くからこうしなかったのかは疑問ですが。

　●ランダム対戦
　DSポケモンで全国の人々と気軽に戦えるようになった点は凄く良いと思います。
　しかし、切断に対しての対策を施してもらいたいです。

BAD/REQUEST

　残念ながら、今回のポケモンは悪い点の方が圧倒的に多いです。

　●BGM
　ジムリーダー戦に関して。最後の1体で流れるBGMの使い方が下手です。切り札でもないポケモンを繰り出したときにそれを流されたところで、逆に合っていません。
　ピンチBGMに関して。よく耳にするとおりバトルが一気に白けるので、ラスボスや特別なトレーナーとの戦闘まで流す必要は無いと思いました。マイナーチェンジでの改善希望です。

　●ポケモンデザイン
　既に多くの人が触れていますが、当然個人差もあるので全てを否定は出来ません。
　良デザインと酷すぎるデザインの落差が激しすぎるように感じました。慣れれば意外と受け入れてしまうポケモンも多かったです。そんなに嫌いなポケモンは少なく、むしろ殆どが気に入りました。

　しかし、ボルトロス・トルネロス・ランドロスのデザインの使い回しはどういうことでしょう？　また、人間に近いので一緒に生活している姿が考えにくいです。何故人間に近くする必要があったのか分かりません。
　モチーフにするものにしても、慎重に考えてほしいです。ポケモンは今後新作が出てもずっと残るので、軽はずみな気持ちでデザインされるのは困ります。変に人型や人工物を多く登場させるのは今回限りにして下さい。

　●ストーリー
　発売前はこのストーリーを売りの1つにしていて、凄く楽しみにしていたので、お粗末なおつかいストーリーでがっかりしました。
　評価出来るとすれば、ジムリーダーが単なる空気ではなくなったこと（賛否両論はあります）、今までのマンネリな展開を変えたこと（それでもラストはあまりにN中心ですが）ぐらいでしょうか。全体的にどこを見ても粗が多すぎます。マイナーチェンジでの改善希望です。

　まず、今回の主人公はプレイヤーではなくNです。
　Nがここまで目立たなければ、もっといいストーリーになったと思います。
　「ポケモンの解放・自由とは」と宣伝していましたが、その結論は各自に任せますよといった感じで、実に曖昧な終わり方です。1つの考え方ぐらい提示してほしかったです。
　結局はプラズマ団のゲーチス1人に完全悪の立場を押し付けたことで無理矢理解決させた印象でした。ストーリークリア後は何だかやる気が無くなります。

　Nはポケモンを「トモダチ」と称しているにも関わらず、次に会った時には前のポケモンがいません。ここの描写は変更して説得力を持たせるべきです。
　特に驚いたのはNの部屋です。何とも思わない人もいるでしょうが、あの部屋は作品中でも一際異質な雰囲気が漂っていて、正直引きました。本家ポケモンであんな要素は要りません。外伝か何かでやってください。

　チェレンとベルも、主人公が関わっていないところでいきなり悩み始めるので意味不明です。
　Nを目立たせるために、彼らの描写が浅くなってしまった感じがします。
　
　住民もいつもなら他愛も無いことを言ってくれる面白みのある人ばかりでしたが、今回は違います。新しい町にたどり着くたびに哲学的なことを言われ、価値観を押し付けられます。道中のトレーナーとの戦闘でも同じです。作中では「多くの考え方がある」と主張しながら、その自由はありません。町やトレーナーの人々ぐらい、楽しくて思わず笑ってしまう台詞が良かったです……。

　●PGL
　発売早々のメンテナンスで呆れました。あれだけ予約数も多かったのですから、期待されていることは分かっていたはずです。これは公式の対応に配慮が無さ過ぎます。
　PDWも仕様が面倒でやる気が起きません。極めつけは夢特性、この存在がゲームバランスを崩壊させたといってもよいでしょう。あめふらしとひでりを一般ポケモンに持たせる意味が分かりません。

　●あからさまな改悪
　マイナーチェンジでパワーアップして出すから、と言わんばかりのあからさまな手抜きをプレイ中に見てとれます。今回はあまりに露骨すぎて呆れました。
　連れ歩き機能は好評だったのに廃止にする意味が分かりません。教え技、きのみの廃止等も痛いです。また、ミュージカルの存在意義が分かりません。あれならコンテストにしてほしかったです。ミュージカルの完成度も低いので、やる気も起きません。

　●一本道のマップ
　正直イッシュ地方の六角形には発売前から不安を抱いていましたが、予想通りの一本道。
　ダンジョンも複雑なものは殆ど無く、迷うようなこともありません。橋は無駄に演出が凝っているだけで、必要性が全く感じられません。はっきり言って、どこを冒険しても本当に一本道で自由度がゼロの地方でした。難易度も低すぎで、全く行き詰まるような箇所はありません。各地に回復ポイントは親切過ぎます。
　クリア後も残りの半分を回ればそれでおしまいです。やりこみ要素も何もありません。

　他にも、細かく挙げればきりが無いです。

COMMENT

　「最高傑作」発言で期待しすぎたようです。
　一番最初にプレイする分には、普通に楽しむことは出来ました。それでも上に挙げたようなことを感じる時もありましたが。冷静になって振り返ると、粗が多い作品です。現状では、決して名作とはいえません。

　システムの改悪は擁護の仕様がありません。
　プレイヤーと制作側の考えにすれ違いがあるとしか思えない、不必要な要素ばかりです。改善されたものは切り捨てられ、改悪された要素ばかりが詰め込まれています。
　これらは、ストーリー含めマイナーチェンジで一刻も早く改善されることを望みます。

　BWをプレイするのなら、他のポケモン作品をオススメします。ハートゴールド・ソウルシルバーやプラチナの方が、数倍完成度が高いです。
　BWをプレイするなれば、今後出ると思われるマイナーチェンジで十分だと思います。

　今回でポケモンの方向性は良くも悪くもなりました。
　マンネリを打破したストーリーとも言えますが、それにしてはストーリーを売りにするには完成度が低い。
　第6世代がどのような方向に向かっていくのかは少々心配ですが、それはそれでまたポケモンですから楽しめるとは思います。
　変に拘るよりも、ポケモンをゲットして、ジムリーダーや四天王を倒して、チャンピオンに勝って殿堂入り、の方がやはり楽しく自由に冒険出来るのかな、と思いました。