NintendoDS mk2 :: ポケットモンスターブラック／ホワイトレビュー

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ポケットモンスターブラック／ホワイトレビュー

発売元	ポケモン（オフィシャルサイト）
発売日	2010/09/18
価格	4,800（税込）
レーティング	【Ａ】全年齢(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon（ブラック／ホワイト）
タギングトップ3
タイトル概要	RPG、Wi-Fi対応

オリジナリティ	グラフィックス	音楽	熱中度	満足感	快適さ	難易度
2pt	3pt	4pt	2pt	2pt	2pt	1pt

総合点
46pt

GOOD!

筆者は第三世代以外はプレイ済みです。

基本的にはいつものポケモン。
元々の素材が素晴らしいのである程度の面白さはおそらく大丈夫。

◆ストーリー関連
・テレビ放送などの小ネタは楽しいものが比較的多い。

◆戦闘関連
・「戦闘中の」テンポに関しては大幅に上がっており、
　高レベルのポケモン同士の戦いでHPバーの減りを長時間待つ事も無くなった。
・一度クリアするまでは新ポケモンしか出ないので、
　初見だと色々な意味で驚かされるという新鮮さがあった。
・わざマシンの無限使用可能に伴い、
　わざマシンのカバー範囲内ではポケモンの構成の自由度が格段に上がったのも良い。
・トリプルバトルやローテーションバトルの追加により、
　従来とはまた違った形の遊び方を開拓できる可能性が開けた事も嬉しい。
・旧作で死に技とされてきた一部の技に上方修正が入った事も評価点。

◆演出関連
・戦闘中に全てのポケモンが常時少し動くようになった事で
　活き活きしている様子が見られるようになった事は良かった試みだと思った。
・今作も音楽は大変良い曲が揃っていて嬉しい。そう、音楽自体は……（BADにて後述）

◆通信関連
・wi-fiやワイヤレスでのポケモンの交換速度がかなり向上して快適になっている。
・DS単体でのwi-fiランダムマッチが可能になった、
　その機能の追加はやはり嬉しい……のだけれど……（BADにて後述）

◆その他のシステム関連
・オプション設定により漢字の使用の有無を選択できる事。
・レポートの進捗状況の可視化と、レポート所要時間の短縮に成功している。

BAD/REQUEST

◆全体的な事
・マイナーチェンジありきでわざと手を抜いた事が見え透いている程に、
　今回は欠けている部分が多かった。
　再戦不能な事も、フロンティア相当の場所のバリエーションの少なさも、
　ジムリーダーが戦闘画面で動かない事も、説明不足事項が多すぎる事も、
　実装しようと思えばできただろうにわざとやらなかっただろうと思えてしまう。

◆ストーリー関連
・ポケモンと人間の関係はどうあるべきか、というテーマの答えはうやむやなまま。
・キャラクターの扱いの差や背景描写の多寡が違和感になるレベルで激しい。
　人によっては無駄に踏み台にされるキャラがいる事で悲しくなるかも。
・寄り道もなく、他キャラによる誘導だらけなので、
　主人公が常時お使いをさせられている感が強いのが非常に残念。
・エンディングもスタッフロールのせいで達成感に乏しかった。

◆戦闘関連
・ジムリーダーの手持ちポケモンの数が少ない。
・エフェクトをオフにしても、従来のシリーズでカットされていた筈の
　天候や宿り木の種等のエフェクトが強制的に出てしまったり、
　エンカウント→コマンド入力開始までが長くなった点ではテンポが悪くなった。
・勢力図が多少変化はしたものの、基本的にポケモン間の格差は酷いまま。
　救いの手が無いポケモンは本当に救いが無い。

◆ポケモン
・好き嫌いは人それぞれだろうからなるべく言及したくは無かったが、
　ちゃんと考えてあって可愛い、格好良い、面白く奇妙なポケモンもいる中、
　明らかに数の水増しのために適当にデザインしたと見て取れるポケモンも居たのが残念
・ミュージカルで人型から遠いポケモンが非常に活躍し辛い。
　普段の戦闘とは関係無くどんなポケモンでも活躍できるのが、
　こういうミニゲームの良い所では無かったのか？
・特にホワイトバージョンでは進化の石の複数入手が極めて困難である。
・ポケシフター利用時に、
　出会った日時や場所がポケシフター起動日時とソフトの地方名固定になってしまう事。
　これでは旧作で不正行為で作られたポケモンを掴まされた時見分ける要素が減ってしまう。

◆演出関連
・チルタリスみたいな飛べるポケモンがボールから出した時にドスンと落ちるのはおかしい。
・手持ちのポケモンが一匹ピンチになっただけで、
　戦闘曲が強制的にピンチ時の音楽に切り替わってしまうのは非常に残念。
　せめて手持ち残り1体が追い詰められてからくらいに出来なかったのか？
・チェレン・ベルとの戦闘音楽が共通なのは、
　序盤は良いのだが終盤のチェレンには明らかに似合っていない。
・ポケモンの進化エフェクトについて、
　デジタルデータを書き換えるかのような表現になったのは不愉快だ。
　生き物が成長してこうなった、という感じは何処へ行ってしまったのだ？

◆通信関連
・GTSは検索枠こそ常時7つになったものの、
　相変わらずシャークトレードばかり表示され、マトモな検索がし辛い。
・GTSネゴシエーション自体は良いアイディアだが、
　全く知らない人との交渉のための表現方法が少ない。
・折角のwi-fiランダムマッチだが、回線切断行為等へのペナルティも無く
　明らかに解禁されていない特性を持っていて改造とわかるポケモンも通すなど、
　運営側にランダム対戦環境を良いものにしようとする意思を感じられない。
・ハイリンクやすれ違い通信・PGL等に依存する遊び方は、
　地方やネット環境等で楽しめる度合いの格差が非常に大きくなる上に、
　DS単体で今までできた事に＋αで要素を追加するならばともかく、
　できた事を無理矢理PGL必須にした事は快適さを損なうだけの遊び方の押し付けに見える。
　そして結局アクセス数を予約数から予測する事すらできず、
　プレイ環境を満足に準備する事すら出来なかったというのは流石にどうかと思う。

◆その他のシステム関連
・起動時のCギアの起動確認は邪魔。
・季節による変化が微妙で、また季節1つの周期が長すぎる。
・CギアのデザインのせいでユーザーインターフェイスがHGSSから大きく劣化。
　L=Aもタッチペン一発でのメニュー展開もオートダッシュも無し。
　ここはいくらでも改良の余地があったと思われるだけに本当に残念。
・どうやら残念な事にまだ乱数調整のような不正同然の行為が可能らしい事。

COMMENT

プラチナとHGSSで非常に楽しませて頂いたので、
第五世代となる今作には大いに期待していましたが、正直期待過剰でした。
素材は魅力的、ポケモンはポケモンなので基本は面白いんです。
だがその魅力をストーリーや操作性の改悪、露骨な完全版商法狙いで
大分殺してしまっている感があって非常に勿体ない。
今回新たに好きになったポケモンもいるから余計に悲しい。
せめてストーリーかUIかボリュームか、どれか一つでも良ければなあ、と。

第六世代が今後リリースされるとしても、
初回で予約してまでは安易に買わない事を決意するには十分でした。
こうも手を抜かれて完全版商法に頼ってくるならばその完全版しか購入しないでしょう。
始めから本気を見せて欲しかった。

もしも今回のブラック・ホワイトが初めてのポケモンだとおっしゃる方には、
先にHGSSやプラチナからプレイされる事をお勧め致します。