NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・ストーリー
過去の時間へと穴を開け、何者かによって捻じ曲げられた過去を修正するという話の流れはオリジナリティがあり、また全編通して５?６時間程度で終わるため（一応２周目には冒頭の部分から短いながらも隠しのシナリオがある）、ライトノベル感覚で楽しむことができるのは大きいだろう。
主人公も真面目で好感の持てる人物（過去の修正に孤軍奮闘するキャラゆえ、あまり変な性格にしても問題ありだろうが）なのもまた魅力か。

BAD/REQUEST

・キャラクター
過去を改変された影響のためか、改竄次第では嫌な部分を見せる主人公の友人たちもちょっと極端だったが、黒幕とその母親の性格もかなり極端で説明不足だった気がした。
まずは黒幕がヒロインに固執する理由も、母親が死んだ、という過去を修正しようがしまいが「母親に似ている」というだけでヒロインに受け入れられなかったら殺そうとするという極端なものだが、そうした極端な固執をする性格になった原因が明かされないためどうにも納得がいかない。そんな粘着気質のストーカーに長年恨まれ続ける主人公一族も、明らかに無関係なのに主人公を苦しめるために黒幕に過去を改竄され続ける主人公の周りの人たちも釈然とはしないだろうし。
また黒幕の母親も、自分の息子が人を殺そうとしたことを修正できないことを知って過去の自分を殺そうと考える、というのはかなり短絡的で後先を考えてないように見える（そもそも自分自身を殺したら息子があんな性格になることは簡単に理解できるだろうに…）。
黒幕が「母親に似た少女」に固執する原因となった過去の事件があり（そもそも母親の生死に関わらずあんな性格になったのだから、過去の事件のほうがトラウマとしては妥当だろう）、それを修正する事が出来たほうが余程スッキリしたのではないだろうか？
・難易度
時間が修正された時に見る「フラッシュバック」をもとに過去を修正する、というシステムだが、その軸となる何かしら時間に関するキーワードは集めるだけでフラッシュバックが自動的に確定されるため、自分で謎の手かがりを探す要素は少ないし、また「ディギング」と呼ばれる過去に穴を開ける場面も、上画面に「どこに穴を開ければよいのか」のヒントが表示されてるも同然なので、本格的な捜査を期待している人には肩透かしを食らうかと。
またあからさまにバッドエンドになるような選択肢や、劇的にストーリーが分岐するような選択肢もなく一本道のため、重厚な話を求めている人には物足りなく感じるかもしれない。
・快適さ
ＲＰＧでもないのにセーブデータが１つしか作れなかったり、スキップ機能やバックログ機能などのこの手のゲームに必須とも言える機能が搭載されていなかったりと、システム面はあまりよくなかった。
最も詰まる状況が少なく、たとえ「詰まった」と思ってもロード画面で章の最初からやり直せるのであまり困る要素ではないだろうが。

COMMENT

改竄された過去を修正する、というオリジナリティはよかったが、話の短さや黒幕サイドの説明不足、システム周りなど改善すべき部分が多く、一度全クリアしたらそれっきりになるゲームという感は否めない。
しかし今では店によっては新品・中古どちらでも１０００円未満で買えることもあるため、安価に手に入るゲームを探している人や忙しい中でも何かしらゲームをクリアしたい、という人にとっては購入の選択肢に入れてもよいゲームではある。