NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・戦闘アニメーションとカットイン
・版権作品のBGM

正直これしか思いつきません。強いて言えば参戦作品が斬新、ぐらいでしょうか。

BAD/REQUEST

・シナリオとテキスト

他のレビュアーの方とかぶりますが今作最大のマイナスポイントです。
地球は駄目だ、それにひきかえ俺の故郷は?と述懐する主人公は不快感しかありません。
こんな自慢しぃの、都会から田舎に左遷されてきた元エリートみたいなキャラを主人公にすえて誰の共感が得られるのでしょうか。
そこを除いても、軍隊が戦争をしている＝軍を選出した全人類が戦争を望んでいる！絶望した！
みたいなワープ航法なみに飛躍した論理をするキャラなのですが。
その主人公の故郷も、情報を拾っていくとずいぶんむちゃくちゃな政体に思えてきて、そんな危なそうなところを美化しているお前に言われたくないよ、と思ってしまいます。ヒロインもヒステリックだったり、主人公の敵は私が排除する！的な、悪い意味の純粋キャラだったりして気持ちが悪い。

版権キャラの扱いもひどい。どの作品も重要エピソードをやらなかったり、やっても少なからず改悪されていたりはもちろんのこと、キャラの性格どころか口調まで違います。

一番はエンディングでのファフナーの顛末。原作では多くを失いながらも希望を見出せるエンディングだったのが、Kでは多くを失い、生き残ったけど未来も暗い、な終わり方です。
原作で死亡するキャラが生存する所謂グッドエンドルートでもあまり変わらず、ノーマルエンドの「もう駄目だ」が｢多分大丈夫だろう｣になった程度で、原作よりネガティブです。正直無茶苦茶。ライターの意図が知りたい。
原作の重要キャラがファフナー主人公ではなくオリジナル主人公を救うために死亡して、それを尻目にオリジナルキャラたちが幸せいっぱいハッピーエンドなのが余計に不愉快というか…。
二番目はゾイドかガンソード、三番目はマジンガーかキングゲイナーでしょうか。

参戦作品全体で見ても、原作では序盤からのレギュラーキャラが全シナリオの7割を過ぎたころからしか参入しないなど意味がわからない構成になっていたり、特定のキャラだけやたら台詞が多く、そのせいで他のキャラの出番が減ってしまっています。
誤字脱字や、ほぼ同じ台詞を複数のキャラで使いまわしたりなども少なからず見受けられました。
一体ライターは原作をちゃんと見たうえでシナリオを書いたのでしょうか。またそのシナリオをチェックする上司は何をしていたのでしょうか。

・版権作品の音楽は概ねいい感じなのですが、オリジナルの曲は複数の作品からの盗作のようです。一曲だけなら偶然かもですが、二つ以上は確定でしょう。

・戦闘システムですが、今作の売りのパートナーシステムの意味があまりありません。
パートナーユニットとソロユニットのメリット・デメリットがつりあっておらず、
後半は敵にもパートナーユニットが増えてくるため一度に複数を攻撃できないパートナーユニットの出番は自然に減り、強力な複数攻撃やマップ武器を持っているユニットだけでクリアできるバランスになっています。
正直パートナーは、加速コマンドなどを使って前線に主力ユニットを移送→撤退コマンドで主力をソロユニット化、ぐらいしか使い道がなくなります。
序盤は撤退ボス用の援護攻撃に使い道があったのですが、ゲームが進むにつれ攻撃力がインフレするのでそれも不要になります。
スパロボの楽しみの一つである援護台詞の回収が面倒になるのもマイナス。

これに加えて、キャラの成長システムが「敵を一定数倒すとステータス大幅アップ」というもののため、上述のコンボ・マップキャラばかりが強くなりすぎます。従来のPP制のほうが調整しやすくてよかったです。

敵のAIがお馬鹿です。瀕死ユニットが目の前にいても、近くの高HPユニットを狙ってきます。
これのせいで、単独で敵陣につっこみでもしないかぎりは撃墜されません。もし撃墜されても、なんと今作ではユニット修理費というものがありません。緊張感がないです。

他にも地形適応パラメーターの重要度が高すぎていくら改造してもおいつかない、攻撃力アップ系の特殊能力が強すぎる、そのあおりで特定作品のユニットが総じて使いづらい等、あらゆるところで調整不足が感じられます。

細かいところですが、曲がりくねったトンネル状のマップで壁ごしに攻撃が可能だったりするのも手抜きだなと思いました。

個人的にオリジナルロボットのデザインがかっこ悪い。カトキハジメや河森正治レベルとはいかないまでも、もう少しいいデザイナーを使ってほしいです。

COMMENT

ここ数年では戦闘アニメと版権BGMを除くすべての面で最低ランクのスパロボです。断言できます。

スパロボの出来は参戦作品のラインナップではなく、全て製作スタッフによって決まる、というのが明確になったという意味では価値があったのかもしれません。


※テレビゲームも、発売前にスタッフの名前を公開してほしいですね、映画や一部のノベルゲームのように。
今回のシナリオライターが関わったゲームはスパロボでもそれ以外でも買いたくありませんので。