NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・オリジナリティ

　これが3点以下ってことは無いですね。
　ただのサッカーゲームに止まらずRPGを付加した仕様。
　過去に同じような作品がありましたが、キャプ翼のゲーム以来
　長いことどの企業もチャレンジしてこれなかったジャンル。
　面白い、つまらないは別として過去に類似作品があるものの4点としました。
　今の世代のチビっ子には斬新でしょうし。

・グラフィクス

　非常に丁寧！それに尽きます。
　キャラの顔や世界観は好みの問題で分かれる話でしょうが、
　背景、1000人の顔、似たようなパーツをしてるキャラもいますが
　よく見ると一人一人やっぱり違う！ちゃんとキレイに描いてます。
　グラフィックスの部分は相当な意気込みを感じられます。
　MAPや試合中のチビキャラもカワイイですし、
　3DポリゴンもNDSにしては投げやりな部分は感じられません。
　途中で挿入されるアニメも容量の問題でノイズが微妙に見られますが、
　出来そのものはイイです（アニメパートスタッフがそのままアニメつくるのかな？）。

・音楽

　キレイにまとまった音楽で、どこか懐かしさも感じます。
　特筆すべきはOPテーマ曲（リーヨ！リーヨ！のアレです）
　最初は「うわなにこれ微妙・・・」と思ってたんですが、
　ゲームを始める度に普通のアニメと同じ調子で
　何となく毎回聴いてたら心地好くなってきました。
　OPアニメが素晴らしいせいもあるかもしれませんね。

・熱中度

　フィールドに線を描いて支持を出すのは
　wiiのウイイレで既にあるようなのですが、これが結構面白いですね。
　最初は本当に忙しくて焦ってしまうので難しく、イライラするのですが、
　ほかのアクションサカゲーのように慣れると気持ちよくパスが回ります。
　実際のサッカーのようにキープできる仲間にキープさせ攻め上がりを待ったり、
　サイドバックをここぞという場面でオーバーラップさせたり。
　連携させる部分はタッチペンで、個人技に頼る部分はコマンドバトルで。
　自分の腕に頼る部分とキャラの性能に頼る部分がハッキリしてるのがいい。
　基本となる部分はRPGなので難しかったらキャラのレベルを上げれば簡単になります。
　風林火山の相性システムでいろいろな組み合わせを考える楽しさもあります。

　あと物語自体について。
　先の読めるベタベタな展開ですが、昔のスポコンアニメバリバリです。
　昔そういうアニメで育った大人なら先が読めても
　ご都合主義で理不尽でも気にしちゃいけない、
　そんな「突っ込みどころ満載」な感覚。
　今のちびっ子なら古くも新しい感覚のスポコンを楽しめると思います。
　萌えより燃え、全員美男子よりドン臭い脇役。
　そんな世界観は久しぶりで熱くなりました。

・満足感

　これは期待していただけに残念な部分があります（悪いところで述べます）
　褒めるとすれば1000人のキャラというのは、やはり凄いことです。
　とんでもなく飛びぬけた設定のキャラはいませんが、
　「中学生」という枠でここまで見た目で変化をつけられるものかと感心しました。
　一応話が進めば中学生以外のキャラも登場するんですけど。

・快適さ

　インターフェイスがよくまとまってる。
　チュートリアルがそこそこ丁寧（序盤はチョコチョコ解説が入る）
　ゲーム中で気になることがあればスグ確認できる。

BAD/REQUEST

・1000人という数字

　まず一番の売りである1000人のキャラ。殆ど中身に個性がありません。
　必殺技自体の数もそう多く無いのに対し1キャラで沢山持てるので結構被ります。
　ただ能力にそこまで差が無いってことは
　見た目で選んで「こいつ使えねぇー」ってことが起こりにくいので
　メガネキャラで固める、カワイイ系で固めるなんてしても
　テーマによって強すぎず、弱すぎずなチーム設計ができることは不幸中の幸いかも。

　1000人が全員対戦相手として関わってくるなら愛着も沸きますが、
　その殆ど8割がスカウトの対象としてそこにいるだけなのが残念。
　次回作では一人一人何らかの独特なスキルをつけるなど、それくらいの意気込みを。
　サッカーが舞台なのでチーム数を考えると1000人は多すぎる数字じゃないですが、
　チームに所属せず単にいるだけの存在であればどんどん削ってほしかった。

・エンカウントバトル

　正直要りません。
　内容は4対4のフットサル的なものなんですが、攻略法が簡単に見つかってきます。
　ほかの一般的なRPGと同じで適当にこなして経験値や金を稼ぐ作業と化しています。
　ていうか他のRPGと違い、冒険モノではなく学校近辺が舞台ですので
　似たような場所を行き来することが多い。
　それでエンカウントバトルってのはダレてくる。
　単純に「RPG」という言葉が纏わりついた結果だとは思いますが、
　RPG部分の醍醐味は試合中のコマンドバトルで味わえればそれでいいわけです。
　無闇に「らしさ」を重視して宝箱やエンカウントバトルや装備なんか取り入れなくていい。
　特訓や練習試合なんかがあるんですから、そっちで能力を上げることを主体にすればよかった。
　人によってはそういった部分が完全に死にシステム化してます。
　エンカウントバトルがスカウト用のキャラ紹介の場も踏まえているのならば、
　プレイヤーが任意に特定の場所に赴き、
　そういったバトルが楽しめる仕様にしてもよかったのでは。

・試合中

　試合中はフィールドが画面に収まりきらなくて、
　良いところで述べたように相当操作に慣れてこないとイライラすると思います。
　演出をスキップできないのも長くやっていると気になってきます。
　そんなに長い時間拘束されるワケではないので大きなストレスにはなりませんが、
　やはり必殺技なんかは何度も見てしまうと疲れるのでスキップしたいところ。
　ていうか演出中にも時間が進んでるってどういうことかと。時計止めなさいよと。

　あとここでもRPGという言葉に執拗になりすぎたのか、
　イベント戦闘（試合）は負けるとセーブしたところからやり直し。
　これは一回の試合に時間がかかるスポーツ物では痛い仕様です。
　会話の高速スキップも搭載されてないので、試合までまたイベントを見たりだとか、
　会話を連打して先に進めないともう一度闘えない。面倒くさいです。

・難しい人への救済策？

　回復アイテムや装備品にも疑問が残ります。
　CPUは一切試合中に回復アイテムを使いません。
　でもプレイヤーはインターバルを挟む度にアイテムが使用できます。
　これを活用することで試合が非常に楽チンになります。
　そもそもこのゲーム、RPGなのでレベルが上がればどんどん簡単になっていきます。
　テクニックで乗り切れない人への救済策みたいなもんでしょうが、
　そういった説明が無いので普通に進めるととにかく簡単すぎる。
　これから遊ぶ人は試合中のアイテムは使わずに、
　レベル上げも壁にぶち当たってから上げるといった具合で丁度いいかもしれません。

・レベル上げ

　あとから加入したキャラの経験値に補正がかかってないので既存キャラに追いつかない。
　これはレベル上げの方式を変えた方がいいと思う。
　獲得した経験値なり熱血ポイントなりを特訓のような場所で
　好きなときに好きなキャラにポイントを注ぎレベル上げができる仕様がいい。
　これなら特訓して成長してるという実感もてるし、
　レベル上げないでテクニックで勝負したいって人も助かる。

・バグ

　結構あるみたいですね。
　致命的なストーリーに進行に関わるバグもあるのが残念です。

最後になりますがwi-fi対戦が無いのは大人には辛い。
子供は持ってる友達がいるなら通信対戦で遊べて盛り上がれそうですけど。
（相性システムの存在から対戦は面白そう）
クリア後のやりこみ要素も薄いので対戦環境が無ければ1週やったら終わりです。
自分としてはRPGなんて1週目堪能したらそれで満足なわけですが。
そうもいってられない人は多いでしょうからね。

COMMENT

昔「キャプテン翼」や「ドッジ弾平」を楽しんでいた世代の心を掴みます。
試合中に関しては必殺技の応酬で「リベロの武田」に近いと思います。

小学生あたりのチビっ子をターゲットにしたつくりなようで
そんなに深く練りこまれてないようですが、
子供といえども今のポケモンなんかで
ゲーム慣れした子供相手にはちょっと辛い内容でしょうか。

ただそんなに深く考えなければ普通に面白いです。
世界観が好きなら適当にキャラを変えて
必殺技を繰り出してるだけでも一応満足できるとは思います。

・昔のコロコロコミックのスポコン漫画が好きだった
・RPGはやりこむより、1週目で物語を堪能できればそれでいい
・家電は機能より外観で選ぶ派だ
・ファミレスのメニューが実物とちょっと違ってもあまり気にしない
・頭で考えるな、心で感じろ

そんな適性ならマイナスポイントにそこまでストレスを感じず楽しめるかも。

自分的には発売前に期待してた部分があまり反映されておらずガッカリしましたが、
いざやってみたらそれなりに面白いデキだったので満足です。

今作がこの内容で売れるとは思いませんが、
上記の改善点を直すだけでも神ゲーになれる土壌はあります。
素材は本当に良いんです。
レベル5には頑張って開発してもらいたいですね。