NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

他の方も散々言ってるようにこのゲームは他のRPGとは似てるようで決定的に違う点もあり、万人受けしないゲームです。
開発者自身も、「こういう万人受けしないゲームでもDSのようにユーザー数の多い機種でなら、理解のある一部の人が買ってくれれば商売として成り立つはずだ」というようなことを言っていたと思います。

まず特徴的なのは、この世界は厳しい世界ということ。難易度的にも普通の人は最初の街にすら辿り着けずに全滅するでしょうし、全滅すれば最後のセーブポイントまで巻き戻ります。お金が半分になって教会からリスタートということはないです。また世界観もかなり厳しく、世界樹の迷宮に挑んだ幾多の冒険者はそこで負ければ間違いなく死にます。職業的にも12の職業のうち、蘇生ができる職業はたった1つ。死がとても重いゲームなのですが敵の攻撃が過酷で意外とあっさり死ぬ、そんなゲームです。
そもそもこういうゲームシステム自体が古くからの日本のRPGの歴史の中で淘汰され廃れてきました。難しい。面倒。大変。現在大人気RPGとして支持されているのは映画のムービーを多用したようなRPGと、誰でもクリアできストレスを感じさせないお話を楽しませるようなRPGです。世界樹のような方向性でRPGを作ることはマイノリティをあえて狙うようなものであり、企業としてはかなりのリスクを覚悟しなければいけなかったと思われます。世界樹1を制作した際、経営陣とクリエーターとの間でかなりの激しいやりとりがあったと聞きますが、それをふまえても尚こういった現在の流れに迎合せずに作品を作り上げた開発者、なんだかんだで開発にGOを出したアトラスは賞賛に値すると思います。

音楽は、この作者に思い入れのない人にとっては「まあまあじゃね？悪くはないね」くらいなのかもしれません。ですが昔からのゲームファンにとっては懐かさもあいまって感涙物です。個人的にはすぎやまこういち、植松、古代は私の３大ゲームミュージック界の巨匠です。聴けるだけで幸せなのでちょっとまともな評価はできそうにないですが、今回もとても良い出来だと思います。

熱中度は非常に高いのですが、前提としてこのゲームシステムを受け入れられることが挙げられます。このゲームはLV30を超えると「休養」というLVを5下げる代わりにスキルポイントを自由に振りなおせるシステムがあるのですが、これがはまります。自分の分身であるキャラにはいろいろ育成方針を考えるも結局オーソドックスな育成しかできない、という人も多いと思いますが、このゲームは前作もそうでしたが偏った育成をして詰まってしまった、勝てねぇ、というときも「休養」してスキルポイントを振りなおせば問題ありません。スキル１ポイントの重みがかなり大きいゲームなのでこういうことも可能なのでしょう。またそれを見越してか遠慮なく敵も無茶苦茶やってきますのでこっちも休養して最適化して挑む、そんなことも可能です。

満足感、これも主観的で非常に個々の差がでると思いますが、こういう現在マイナーであると思われる3DダンジョンRPGが新作として出てくれるだけで満足です。しかもしっかり作られてますしね。

快適さ、それなりにRPGをしてきていれば、説明書を読まなくてもたいてい理解できるつくりになってますね。あとは前作から比較してマッピングで使える記号が増えてかなり楽になってます。ゲーム内容はハードですが、システムまわりは快適ですね。

BAD/REQUEST

かなり深刻なバグがあるらしい。
私は最初に登録したキャラがダークハンターではなかったので真偽は不明ですが、５番目までに登録したキャラが取得するパッシブスキルの一部が敵にも反映されると巷では噂されてますね。
私はM気質があるせいか、そういうことを聞くと「じゃあ俺は最初にダクハン作って蟲毒無我MAXでクリアしてやるぜ！」とか思ってしまう性質なのですが、そういう気のない人は知らないうちに縛りプレイして苦しんでいる人もいるのかもしれません。
個人的には普通にクリアした人があえてハードモードでプレイしたい時に利用すればいいのにとは思いますが。

LVを上げるのが比較的簡単。
これは正直良い点でもあるのでどっちに書くか迷ったんですが。LVが楽に上げる方法があるから、休養や引退といったLV引き下げ、もしくはLV30というペナルティも容易に受け入れられる一方、初回プレイでこれをやってしまうとMAXLVで３層ボスタコ殴りクリア、みたいなことも可能になってしまいます。
プレイヤーにそこまで自由にやる権限を与えてるわけで私は高評価なのですが、人によってはそういう匙加減まで厳密に開発者がコントロールしてこそRPGだ！という人もいますので、受け入れられない人はいるかもしれません。

COMMENT

プレイ状況：全職業LV70達成、クエストミッションコンプリート、公国辞典コンプリート

いろいろ言われていますが、職業差は少ないです。一部便利なフォース技を持ってるキャラはいますが、使えないキャラはいません。
ターゲット層が狭く、好きな人より嫌いな人の方が多そうなゲームだとは思いますがファンとしてはこの路線システムは評価します。

DQFFの亜流に飽きた人が息抜きでやる分にはとても刺激が強くてよいと思います。