NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・グラフィック　前作より良くなっています。紅葉とか雪景色とか、見ていて飽きにくいです。前作より「森林」っぽさが出ていて個人的にはこちらの方が好きです（ただ、高階層ではやっぱり森じゃなくなってしまうのがやや不満）。キャンプ画面やマップのインターフェイスも青から薄緑に変えられていて見易くなっていると思います。

・音楽　ちゃんとダンジョンの雰囲気に合ったものが作られていて、これといって飛び出たクオリティのものはありませんが、どの階層の曲もかなりのものです。特典CDにプレミアがつくのも頷けます。

・オリジナリティ　やはりこのシリーズの売りの手書きマップシステムは面白いです。自分なりに地図を作れるし、探索の達成度を実感できます。アイコンの追加や塗り分けなど、前作より描画システムが改良されているのも良いです。マンネリと言われることもありますが、ダンジョン内のどこで何が起きたか書き込んでおき、自分の冒険のログを作れるなど個性的な活用も出来るので自由度は高く、人それぞれだと思います。

・バランス調整　前作では役立たずだったスキルがかなり有用になっています。おかげでブシドーなどがかなり強くなっています。

・敵パターンの追加　マップに映らない、必ず先制してくるなど、バリエーションが多く、戦闘に緊張感が生まれ飽きにくいです。

・上限レベルの上昇　前作では70しかなくあっという間にカンストしてしまいましたが、今回は99になっており育成の楽しみが増えました。

BAD/REQUEST

・バグの嵐　散々指摘されているように、地図が描きにくかったり、スキル効果が反転していたり、敵を強化してしまったりと本当に酷い。次から次へと露呈します。前作の方がまだまし。ちゃんとデバッグしたのか疑わしいです。出来るならソフト交換を希望します。

・バランス調整　かえって悪くなってしまったところも多々あります。パラメータがレベル依存しなくなったので、ただ武器を変えたりレベルを上げたりするだけでは攻撃力や命中率がほとんど上がらず、結果的にスキル依存度が高くなり、ゲーム後半は常にTP不足に悩まされます（それなのに何故アルケミストからTPリカバリーを削除してしまったのか大いに疑問が湧きます）。また、有用スキルが一部の職業に集中しており（メディックなど）、普通にプレイしようと思うとほぼ加入が必須になってくるので、五人しか入れられないパーティ構成の自由度が低いです。さらに、F.O.Eが経験値を全く落とさなくなってしまったのも気に入らないです。「原則回避」という趣旨があるためらしいですが、クエストなどでどうせ戦わなければならないのだから、せめて少しくらいは経験値を入れるべきだったと思います。せっかく苦労して倒してもこれでは萎えます。

全部挙げるとキリが無いのでこれだけにしますが、この辺りは本当に不満が多いです。

・ストーリーのおかしさ　設定では世界樹はまだ低階層しか開拓されていないはずなのに、まだプレイヤーが一歩も踏み込んでいない高階層にへなちょこ衛士が駐留していたり、民間人が易々と侵入したりするなどおかしいです。そのくせ町の人々はプレイヤーのギルドを前人未到とか空前絶後などと褒めちぎったりするものですから、尚おかしいです。また、同業者のギルド達も強豪と言われる割にあっさりやられたり、これ以上上の階には進めないとか言いながらこれ以上の危険地帯に平気で踏み込んでいたりと、これまたおかしいです。あと、時々挿入されるテキストの言い回しも変です。イベントが多くなるのはありがたいのですが、この程度でははっきり言って興醒めです。無い方がまし。ストーリーの薄さも気になります。この点は前作の方がはるかに良いです。

・萌えだらけ　「萌え」は別に嫌いではないですが、いい加減にくどい。宿屋の娘とか商店の娘とか公女様とか治療士の助手とかギルド長とか、女性として存在するだけならともかく、関連イベントや台詞が露骨にそれを意識したものになっていて、やり過ぎとしか言い様が無いです。特典テレカでも女性キャラクターの下着姿を乱発していますが、どこまで男性プレイヤーに媚びれば気が済むんだと開発者に言ってやりたいくらいです。

COMMENT

　二作目もやってみて、やはり『世界樹の迷宮』は『ウィザードリィ』とはほぼ別物だなと思いました。本家ではこんな親切丁寧にしてはくれないけれど、この作品はバグとか調整不足に起因する問題を除けば、本当に分かり易く、やり易く、面白いです。WIZの醍醐味を残しつつ、幅広い人に受け入れられる作品になっていると思います。この点ではアトラスは本当にいい仕事をしたと思います。その分、粗が目立ってしまっていますが。この二作目は『オーディンスフィア』の轍を踏んでしまいましたが、次回作があればこのようなことが無い様、スタッフの尽力を希望します。

　あと、『ペルソナ3』以来の萌え乱発傾向は本当にやめてほしいです。そういうのはほどほどに入っているのが一番良いと思います。