NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

前作やwiz系ゲーム未プレイ組です。

■グラフィックス
キャラクターがどれも可愛いです。
ただ戦闘中、動きが少なくちょっと味気ないので「○○の攻撃！」みたいな戦闘メッセージウィンドウ表示の際に、そのキャラクターのグラフィックスも小さく表示されれば良かったかも知れません。

■音楽
どれも水準以上です。が、聞いていてクセになったり耳に残ったりするようなものは特になかったように感じます。個人的嗜好によって３点。

■快適度
細かいアラがあるだけで、おおむね快適でした。

□キャラ育成
職業間のシナジーを意識させるようなスキルが面白かったです（ソードマンのチェイス系や、Dマグスの巫剣など）。運用に厚みが出て、パーティ構成を考えさせられました。
次作などではこの方面をもっと発展させて、もっともっと構成を悩ませて欲しいです。

BAD/REQUEST

■オリジナリティ
このゲームの特色である手動マッピングですが、それがゲームとしての楽しさにまったく直結しないのが難点です。

このレビューで「オートで出来ることを無理矢理手動に切り替えただけ」というコメントがありましたが、個人的にはその意見に強く同意します。
無意味な仮定だとは思いますが、仮に『風来のシレン』が手動マッピングになったとして「面白い」「緊張感が増した」と思うプレイヤーがどれだけいるか、というような感覚ではないでしょうか。

個人的には面白いとも面倒だとも感じず、ただの作業の一つでした。


■熱中度
マップをひたすら進んで戻り、進んで戻りの繰り返しが個人的には辛かったです。序盤はそれでも中毒気味にハマってたのですが、中盤辺りでは作業感を意識してしまいちょっとうんざりしてしまいました。

個人的にはメインダンジョンとなる「世界樹」以外に、サイドダンジョンのようなものが欲しかったです。それもオーソドックスな奴じゃなく、「ブシドー以外侵入不可」「パーティ総Lv30以下でなければ侵入不可」みたいにちょっとヒネりが効いていて、二軍パーティを養成する価値と機会を見出せるようなダンジョンだとなお良いと思います。

またドロップアイテムの素材も売る以外に利用価値がなく、それが途中の作業感に拍車をかけていました。「鍛冶屋」のようなイメージで、自分で素材を使って既存装備の強化などがしたかったです。

■快適度
フィールド探索中に使用可能なスキルは、フィールド探索画面で選択・使用が出来るようにして欲しかったです。「警戒歩行」などのスキルを使用する際、キャンプ画面を開くときのラグ（本当にほんの一秒弱なんですが！）がちょっと気になってしまいます。
特に３日探検クエストなど、作業感の強いイベントを行っているときはこの１秒弱のラグと、スキルの選択行為が煩わしく感じてしまいます。

また、ギルドで待機しているメンバーの装備を切り替えるのが少々面倒でした。宝箱で一軍パーティが装備できないアイテムを拾ったときなどは、いちいちギルドでメンバー入れ替えを行わなければならないのが煩わしかったです。

気になるのはそういう些事で、あとは概ね快適でした。


□キャラ育成
育成の限界点がすぐに見えるのが個人的には余り受け入れられませんでした。どれだけ引退/レベル上げを時間をかけてやり込んでも、LvカンストのメディックがLv40程度のブシドーの攻撃力を上回ることができなかったりします。
よく言えば「職業による役割分担がはっきりした」ということなのでしょうが、個人的にはキャラクターの運用方法が狭まった、というか趣味的な運用が出来なくなったというような印象が強いです。
賛否両論あるでしょうが、引退で継続的なスキル引き継ぎやパラメータ引き継ぎをして欲しかったです。

上に関連しますが、このゲームでは数値調整により固有パラメータ値の影響が大きくなっています。これまでは強い装備などで補えたであろう部分がそうできなくなっているのです（攻+80を持つSTR20のメディックより、攻+60を持つSTR40のブシドーの方がはるかに強い）。
これも職業ごとの運用方法を限定させる要因になっており、余り良い調整だとは思えませんでした。

また、個人的にはスキルに強弱差（俗に言う「必須スキル」「罠スキル」）があるのも余り受け入れられませんでした。覚えられるスキルは一杯あるのに、結局最終的な育成はどれも似たり寄ったりになってしまいます。
ツリー型のスキル習得システムもこのスキル強弱差に拍車をかけているような気がします。バランスを再考して欲しいです。

COMMENT

インターネットでの評判を聞いてプレイしてみましたが、評判の割にはそこそこの出来だと感じました。
DS屈指の名作ゲームと呼ばれていたりもしたので、結構期待していたのですが……個人的には佳作から良作といった感じです。決して駄作ではないでしょうが、ネットの評価を見て期待しすぎると人によってはがっかりするかもしれません。


個人的所感としては、
緊張感では『風来のシレン』などを体験しているとヌルく感じる部分があり、
RPG部分では特に目新しい部分もなく戦闘画面が単調に見え、
育成部分では目に見える限界値や職業による強弱差があるため、最適解がどうしても映ってしまいます。
唯一のオリジナリティであるマッピング部分も、面白さには何ら影響を与えておらず……といったところです。


好評価意見の多い作品ですので意図的にキビシめな評価を下してみましたが、決して駄作ではないと思います。ただ「好みが分かれる」作品であることは間違いなさそうです。個人的にはちょっと合わなかったみたいです。