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ラビリンスの彼方 レビュー

ラビリンスの彼方
発売元 コナミオフィシャルサイト
発売日 2012/01/19
価格 5,800(税込)
レーティング 【A】全年齢(CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3    
タイトル概要 RPG


オリジナリティ グラフィックス 音楽 熱中度 満足感 快適さ 難易度
4pt 4pt 5pt 2pt 4pt 1pt 3pt
総合点
63pt

GOOD!

・戦闘システム
パッと見は、すごくシンプルなターン制バトル、という印象を受ける戦闘システムですが、そこはトライエース。一筋縄ではいかない戦闘システムになっています。
徐々にシステムが開放されていく形になっているので、最初の段階では、割とシンプルな構造になっています。
しかしながら、三つの属性があり、弱点属性に攻撃するとフィールドに属性ポイントが貯まり、次にそのポイントと同じ属性のキャラにターンが回ってくるとそのポイントをHP回復として取得することが出来る、というシステムにより、「ただ単に弱点を突いて攻撃すればいい」という戦闘では無いことがわかります。
ただ、序盤の段階ではそうはわかっていてもどうすることも出来ず、度々敵にポイントを吸収されてしまい、ストレスが貯まってしまう事もしばしば…

その内、「マジック・ストック」というシステムと、「+と×」というシステムが追加され、ここから「いかに少女に高ダメージの攻撃をさせるか」という戦闘になってくるので、更に戦略の幅が広がります。
しかし、この段階でもまだターンのコントロールをあまり出来ないため、ストレスを感じてしまうことも少なからずあります。

もう少し進めると出てくるのが「盾」というシステムです。
このシステムの登場でこの戦闘システムは完成し、そしてここからが「本番」となります。
今まで、チャージ数の増減でしか出来なかった「ターンのコントロール」が、もの凄くし易くなります。
更に、その名の通り「少女を守る盾」となるため、HPの残量で決まる少女の攻撃ダメージも、コントロールできるようになります。
しかし、「盾」となったキャラクターは攻撃やターンの流れに一切参加できないため、この辺りの駆け引きというか、せめぎあいが、凄くよく出来ていて、面白いです。



・キャラクター
このゲームは、主人公を含む仲間四人は姿が見えていなくて、チャットのような形で会話だけが流れるのですが、それでも、仲間それぞれに個性があり、非常に好感を持て、面白いと思えるのはすごいな?と思いました。



・演出
ゲーム開始時の見せ方、そしてラストの演出は素晴らしいです。
特にラストの見せ方は抜群に上手く、シナリオ自体はよくある感じではありますが、演出のお陰で感動がもの凄く引き立てられます。

「終わりよければすべてよし」という言葉があるように、ゲーム中盤で嫌なことが度々あっても、そのラストの演出のお陰で、「あ?良かった!」と感じられます。
これが満足感を「4」にした理由だったりします。



・音楽
一番最後になってしまいましたが、本作で語らずにはいられない要素というのがこの「音楽」です。
作曲は、トライエースのゲームではお馴染みの桜庭統さんですが、その楽曲がとても素晴らしいです。
本作はイベントシーンなどがほとんど無いため、BGMのほとんどがダンジョンと戦闘のBGMになるのですが、そのダンジョンと戦闘のBGMは一対になっていて、ダンジョンのBGMのアレンジバージョンが戦闘BGMとなっています。
ダンジョンはゆったりとしたテンポで、綺麗な楽曲。
戦闘は激しく、躍動感と緊張感のある楽曲。
それぞれに同じフレーズなどが使われています。
そして、その1セットの楽曲が、階層が変わるごとに、階層の雰囲気に合わせて変わります。

また、桜庭さんといえば、良くも悪くも似たフレーズや音色が多いことで有名ですが、今回の作品の楽曲は、今まで聴いたことのない新たな「桜庭統ワールド」を感じさせます。
トラスティベルやダークソウルのようなオーケストラ主体の楽曲構成ではなく、エンドオブエタニティのようなバンド主体の構成でもない。
シンセサイザー中心で作られたという、どちらにも属さない、「綺麗な音色」で構成されています。
この素晴らしい楽曲が、このゲームを続けられたモチベーションの一つとなっていたことは間違いありません。

BAD/REQUEST

・熱中度
このゲームは、かなり要素を絞り込んだ作品で、ダンジョンもそんなに探索要素が無いので、ほぼひたすら戦闘戦闘です。
なので、長時間やっていると十中八九飽きます。
そのため、熱中して長時間やってしまうようなゲームではないため、熱中度は「2」とさせていただきました。



・快適さ
よく歩くスピードが遅いという意見を耳にしますが、正直、通常の攻略をしている最中は、そんなに気になりません。
というか、調度良いくらいの速度に感じます。
それは、いつどこで、角を曲がったところに敵がいるかわからないから、という部分があるからなので、敵をあらかた殲滅して、例えば分かれ道の一方を行き止まりまで進んで、もう一方の分かれ道まで戻る時などは、もの凄く移動は遅く感じます。
なので、ポイントポイントでワープできる仕組みなどが欲しかったですね。

また、何故かセーブはエリアが変わった時にしか出来ないので、「止めたい!」と思った時に中々止められないのが辛く感じる時もあったりします。



・戦闘システム
基本よく出来た戦闘システムなのですが、少し理不尽に感じられる部分もチラホラあったりします。
この戦闘は、味方や敵のHPも、与えられるダメージも、全て「目に見える形」で表示され、更に「クリティカル」や「ミス」といった「運」の要素もほとんど無いため、かなり計算して展開を自ら作ることが出来ます。
そこが大きな長所であり、魅力なのですが、そこに「予期してない理不尽さ」が表れると、非常にストレスを感じます。
例えば、このゲーム、味方はマス目移動で、戦闘中、ニマス分歩いたら強制的に敵のターンに回り、攻撃されるのですが、敵は攻撃中やターン変更時など、かなり自由に歩きまわれます。
なので、ごくごくたまにですが、攻撃をして魔法が敵めがけて飛んでいった時、敵が奥の方とか角を曲がった方とかに行き、攻撃が外れることがあります。
当然攻撃分の行動ポイントはしっかり加算されるので、さすがにこの戦闘システムでこれは無いだろう、と思いました。

あとは、唯一の不確定要素、「少女の攻撃」のAI。
少女は自分で操作することが出来ないので、その時その時で、おそらく一番適した敵に対して攻撃を行ってくれるようAIが設定されていると思うのですが、わざわざこちらが敵のHPを調節して、「さあこの敵に攻撃して倒してくれ!」という状態にしているのに、違う敵に攻撃する時が、たまにあります。

また、ダンジョン攻略中、たまに、敵が唐突に現れるときがあるのですが、唐突に表れた上にターンが一番に回ることが多いので、ちょっと理不尽に感じました。
「盾」システムが出てからは、移動中にも常に盾を出しておいて未然に防ぐ、ということも出来ますが、出てくる敵の「属性」までは図れませんので、盾で出したキャラクターより強い属性だった場合は、かなりのダメージを受けてしまいます。
この辺りはかなり理不尽に感じ、ストレスの貯まる要因となりました。



・全体のボリュームとシステムの追加タイミング
自分はこのゲーム、35時間程度でクリアしたので、ボリュームとしてはまあそこそこある方だと思いますが、ただダンジョンを歩いて戦闘を行うだけのゲームなので、正直「こんなに要らない」と思いました。
要素を絞り込んだ作品なので、もう少しボリュームの面でも小じんまりと、25時間くらいでクリア出来るボリュームでよかったんじゃないかなーと思いました。
1階層1階層のマップがかなり広く、それが無駄な広さにも感じましたので、それをもっと狭くし、20?25時間程度でクリア出来るボリュームにして欲しかったな、と思いました。

またそれに合わせて、システムが揃うまで、そこそこ時間がかかります。
自分の場合「盾」システムが登場するまで約10時間。長いです。
それまでの戦闘も面白いといえば面白いのですが、やはり「盾」システムが出てきた後と比べたら雲泥の差なので、もっと早い段階でシステムが揃うようにして欲しかったですね。
おそらくその前に投げてしまう人が大勢いるでしょう。勿体無い。

COMMENT

良くも悪くも「トライエースらしいゲーム」だったかな?と思います。
尖っている部分があり、そこは凄く面白いんだけど、荒い、というか。

またそれに加え、今回はかなり要素を絞り込んだ作品作りとなっています。
ほぼ「戦闘」のみのゲームなので、この戦闘システムが合わない人は絶対出来ないゲームだと思います。

さらにその戦闘システム自体も人を選ぶものなので、全体として見れば滅茶苦茶人を選ぶゲームですね。
戦闘システムは、プレイ感覚としては、ヴィーナス&ブレイブスの戦闘に近いかな?と思いました。
計算して戦闘を進めて、自分の思い通りに事が進んだ時に爽快感を得られるような人には、合ってるんじゃないでしょうか。

上に書いたような部分が当てはまり、小粒ながらもキラリと光る独特なゲームをやりたい、という方にはオススメです。
あと桜庭統治さんの曲が好きな方にも。

あと、このゲームは携帯機のゲームではありますが、外でプレイするのには全く向いていないのでご注意下さい。
夜寝る前に、1エリアだけクリアしよう、みたいなやり方がベストです。
毎日ちょびちょび進めるゲーム。
じゃないと一気にやるとすぐ飽きます(笑)

プレイ時間:30時間以上40時間未満(クリア済)
enisyiさん [2012/03/03 掲載]

このレビューはオススメ?はい いいえ



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スコアボード

ラビリンスの彼方評価ランク
総合ポイント
60
難易度
3.00
レビュー数
6

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