NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

今作では狩り技やスタイル、ニャンターなどが新要素として取り入れられ、これまでのモンハンには手を出しづらかった新規層プレイヤーへの配慮がうかがえる部分が多い。
エフェクトはグッと派手になり、BGMもカッコいいものが多いので、全体的な盛り上がり感は高く評価したいところ。
とくにニャンターでは、
・フィールド採取がしやすい
・ホットドリンク、クーラードリンク不要
・スタミナゲージがなく高速で快適に移動できる
など、狩りの苦手なシリーズ初心者でものんびりマップを駆け回って遊べるような工夫がされているのは、目新しく好感の持てるポイントだろう。
「シリーズ集大成のお祭り的な作品」と謳われるだけあって、賑やかにサックリ遊べるタイトルに仕上がっている。

BAD/REQUEST

このゲームは、中盤あたりからマイナスポイントが頻繁に顔を出し始める。
モンスターの強化個体という位置付けで上位から登場しはじめる「獰猛化モンスター」は、
・通常個体と比べて体力が1.6～1.8倍ほどにアップ
・疲労しない
・一部攻撃が威力アップ、出始めのモーションも高速化
・モンスターには獰猛化するデメリットはない
という、まったく面倒で無節操な仕様なのだ。
「亜種や極限は登場しません」などとアナウンスしていた割には、安直過ぎるやりかただろう。
しかも、この獰猛個体からしか採れない素材が数多く存在し、装備の強化素材としてさも当たり前のようにちょくちょく顔を出すのだから、「楽しいから戦いに行く」のではなく「嫌だけど仕方なく戦わされる」のが動機になってしまっているのは多いに反省すべき点だ。
また、その他の通常モンスターをみても
・露骨なまでの移動・攻撃モーション間の隙潰し
・執拗な連続攻撃で一度喰らうと簡単にハメ殺されやすい
・罠を仕掛けると明らかに避けて動く
・天井張り付きや潜航など、プレイヤーには手を出せないような行動を延々と繰り返す
・攻撃の判定が異常に広い、または長いため回避しにくくなっている
…といったような、代償すらない一方的な強化ばかりが目立つ。
そのくせダウン時や疲労時には攻撃されにくく、閃光玉の命中判定も異常にシビアかつ無効となるタイミングを増やすなど、モンスターの圧倒的な進化に取り残されたハンター側が一方的に割を喰らうような展開があまりにも多く、上位の中盤あたりからG級にかけては、とにかくイライラさせられるシーンの連続となるのだ。
もちろんハンター（ニャンター）の行動にはわざとらしい硬直時間の長さがしっかり設定されており、シリーズおなじみの回復ガッツポーズもそのまま続投させる始末。
なので、GOOD!のところに記述したような新規ユーザーへの配慮や、サックリ楽しめるお手軽さはあくまでも「村、集会所下位から上位の上がりかけに限る」ことを付け加えておく。

COMMENT

UIやいくつかのシステム改善など、それなりにはプレイヤーへの配慮がうかがえるところはある。
しかしそれだけに、あまりにも無神経で理不尽な嫌がらせ、または過去作から判明している既知の不具合の放置など、残念過ぎる部分も多いのだ。
エリアチェンジ時のローディングや高所からの落下中など、「仕様上プレイヤーが絶対に動けないタイミングでモンスターが動き始めてプレイヤーを補足、攻撃動作に入っている」という現象はその最たるものだろう。
新作を出すごとに数百万単位で売り上げる人気タイトルとは思えないくらい、お粗末で投げやり感あふれるような調整はもうやめてほしい。

筆者はこのゲームをオンラインメインで遊んだ末に、「以降モンハンシリーズはクロス、ナンバリング系統に関わらず新品では買わない」と決めている。
ボリューム感は確かにあるものの、それ以上に「ブランドにあぐらをかいたような開発スタッフへの不信感」が根強く残ったからだ。
簡単なゲームにしろ、などとは言わない。
「難しさ」や「やりごたえ」といった要素を、一方的な押し付けではなくユーザー目線できちんと煮詰めて作って欲しい…ということなのだ。