NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

シリーズは本作発売にあたりDSリメイク1〜3、DS4をクリアしました。

・グラフィック
とても綺麗で感心。3Dモデルのつくりは文句なし。3DSでよくあるポンコツ3Dキャラとはかけ離れた出来。3Dになっても愛らしく、独特の味は失われていない。従来のキャラが、このように最誕したことはファンとって感慨深いのでは。
3D立体視もトップクラスの演出で不満はない。
アニメーションの挿入はタイミングもよく、その完成度も高い。

・（新）キャラクタ
新キャラ、ココネは感情表現と動きがキマッている。笑顔が素敵。
カグヤ＆ポンタの一連の動きは滑らかでいて技術力を感じる素晴らしい出来。
今回もライバル（敵）役の検事がいい味である。

・BGMほか
ボイスは万全。
イベントボイスはないものの、法廷での「異議あり！」を頻繁に聞けるだけで十分。
BGMはお馴染みのもの。

・システムの大幅な「改善」
メッセージスキップが未読でも出来る。バックログ完備で、長い「一話」を途中で止めても前後の把握が出来るようになった。難易度の緩和。game over（有罪）になっても直前から再挑戦出来る為誰でもクリアに辿り着ける。次にすべきことを示してくれる機能もあるので今までのシリーズのように構えて始めなくてよく、取っ付き易さが格段に上がった。セーブ枠が2箇所になった。探偵パートの作業感が大幅に減り、イライラしない。4での「カガク捜査」が撤廃された。タッチペン操作不要になった。

・脚本
これまでの、メフィスト読みも驚く「トンデモ」ミステリは健在。
吹っ切れたように、（法廷）世界観も突き抜けた設定になった。
三人の弁護士が入れ替わり、協力していく連作長編。
四話〜五話の流れはなかなか盛り上がる。

BAD/REQUEST

・グラフィック
ドット画特有の温かみは薄くなった。3Dキャラの挙動がややスムーズでない。

・BGM
フルボイスではない。

・難易度諸々
1〜4に比べるまでもなく「簡単」過ぎ。詰まるところがない。「つきつける」数自体も減り、その上で周囲及び操作キャラが「答に」誘導してくれるので推理する快感がほとんどない。選択肢推理も、そもそも選択肢が少ない。
「みぬく」はまだしも、「サイコロック」はもっとガツンと難しくしてもよかったのでは。
最終話ラストがあからさま。

・ゲーム性の欠如
上記理由により、「法廷」サスペンスどころか、ほとんどサウンドノベル状態。
4でのタッチペン「カガク捜査」も、あれはあれで良かったのかも……と思いました。

・新要素
「ココロスコープ」は新鮮味も面白みも特に感じない。

・脚本
一話一話の完成度が（ミステリとして）低い。4より面白みがありませんでした。
連作長編としての「まとめ」も今までに比べるととても弱い。

・他
ため息がうっとうしかったです。
「展開」した時の法廷を見回すカメラ演出がスキップできない。
アニメーションに字幕がない。
続き物なので過去作はプレイ（クリア）しておいた方がいい、といったシリーズとしての敷居がある。
ボリューム不足（詳しくはコメント欄で）。

COMMENT

脚本面で不満は多くありますが買って後悔していません。
システム面が（ようやく）マトモに改善されたのは評価。今後がどうなるか分かりませんが、この仕様のおかげで躊躇なく手に取れそうです。
以下蛇足気味ですが参考にでも。

プレイ順です。
DS移植版『1』の1〜4話→『2』→『3』→『4』→『1』の新エピソード。
クリア時間は『1』が10時間（1〜4話）＋9時間（『甦る〜』）の計19時間でした。
『2』が18時間、『3』が21時間、『4』は17時間半。
今作『5』は12時間と、ややボリューム面でも不満はありました。