NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・ＤＳというメディアでライトノベルが楽しめる所
ＤＳでライトノベルの主軸格・電撃文庫を手軽に読めるため、ライトノベルを読みたいが電車などで読むのは恥ずかしい人や、これまで「イリヤの空、ＵＦＯの夏」を読んでなかった人、または電撃文庫版の１・２巻は読んでいても３・４巻を未読の人にとってはありがたいかと。
幸いオートモードやバックログ及び既読文ジャンプ機能なども付いているため、オートモードで自動的に読み進め、「流し読み」する形でも文の流れを理解できなくなる事は少ないだろうし、またビジュアルも思った以上に綺麗で、文章とも上手く調和しているため、挿絵が少ないとラノベさえ読めないという人にも退屈はさせないだろう。
また前作で不満に感じた「カード集めのためにキーワードを探す」ことがなくなったため、純粋に文を読むことに集中できるのも大きい（前作と違いシリアス成分が相当濃くなったため、できるだけ興醒めせず読みたかったし）。

BAD/REQUEST

・快適さとか
前作同様に一度に文章を表示できなかったり、文章送りのスピードが「速い」でもいまいち早く感じられなかったりする所は、人によっては読み進めるスピードの邪魔にしかならないのも気になった。
前作から発売に至るまで９ヶ月経過していても、そのあたりを全く改善していないのはいただけないものがある。
・テキストの内容とか出てくる言葉について（前作とも共通する事だが）
原作が２００１?２００３年という、まだラノベ自体の言語表現の規制などが比較的緩やかだった時期に発表されたためか、それとも原作者の文の特徴なのかは知らないが、ＤＳに移植するにあたっては不適切な言葉や表現がそのまま収録されているのが気になって仕方がなかった。
ただでさえライトノベルの購読層も昔以上に低年齢化が進み、またＤＳというハードの特性上、プレイヤーの層も低年齢層や父母などの世代も多いこともあり、そうした表現が悪影響を与えたり、ＰＴＡからの槍玉に挙げられる事も少なくないため、移植にあたり原文の見直しや不適切な表現の改善をしたほうがよかったのではないだろうか？

COMMENT

前作から続けて読んだため２本同時にレビューする形となったが、原作未読の人はまだしも、原作既読の人や、定価の３３６０円を高いと感じる人にとっては購入するにはやや厳しいものを感じた。
しかしコンセプト自体は悪くないので、今後またＤＳ電撃文庫シリーズを製作する時には不満点を改善し（特に文章送りのスピードとコストパフォーマンス）、未読の人にも既読の人にも満足できる作品にしてもらいたいものである。