NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

相変わらずの激シブ。
アプリ再録のシナリオは質の安定した人間ドラマを見れて良いし、そのうえ今作の素晴らしいのは「表題作が一番面白かった」点だ。
DS前２作はちょっと無理のある話だったからねえ。

カメラつき携帯を持ったり、タバコを吸える場所が減ったりと、最近の神宮寺は時代に流されてあんまりハードボイルドじゃなくなっていたんだけど、今回ストーリーに「マスコミ」と「ネット」を絡めることで、初めて「ああ、現代に神宮寺にいたらこう言う事になるのか」と思える面白い展開になった。

探偵モノの構成としては、犯人当てでは無く「動機」に焦点を当てていたのが良い。
もとから「謎を解け！」と言うシリーズでは無いんだけれど、今作では途中でほぼ犯人が解るようにしてその上での動機探しだったので、いっそうドラマティックになっていた。

収録作品の中で一番後味の良い終わり方だったし、満足できた。

グラフィックに関しては、途中挿入されるプチムービーも見せ方が巧くなったし、まずまずの出来。

BAD/REQUEST

…と、本編をベタ褒めするほど目立つのが、「謎の事件簿」の拙さ。
今回収録分は、ちょっとお粗末…と言うかフワフワな事件ばかりだった。
キャラクター設定にしても、あまりに神宮寺世界と離れていて、どちらかと言えばおさわり探偵が管轄すべきだったように思う。

これはこれで独自世界観を突っ走っているわけだから良いのだが、シナリオ分岐しても「熊の対処法クイズ」を答えさせられるだけだったり、ちょっと正直、スタッフにやる気が見られない。
他にも収録作品に関したクイズ集なんて「ようしこれを全問解いてやろう！」とプレイヤーが喜ぶとでも思っているのか。
ちょっと気の利いたなぞなぞでも出されたほうがまだありがたい。


キャラグラフィックだが、アプリ再録版と本編の洋子の顔がちょっと違いすぎる。
いや、このキャラの顔が安定した事なんてそりゃ無いのだが、今作はちょっとナマイキな顔つきだと思う。
些細な点かもしれないが「携帯電話で通話する洋子」の空いた右腕はなぜ腕組み状態なのか。
「コーヒーの入った紙コップを両手に持つ神宮寺」がわざわざ用意されていて、なぜ「メモを取る洋子」が無いのか。

腕組みしたまま「電話の向こうでメモを取る洋子君が想像できた」って地の文が入るので、すげえ不真面目な人みたいに見えるのよ、今作の洋子君。
いや、ホントに些細なんだけど。


プロットで気になったのは「真偽の狭間」の冒頭で出てくる「女性が腹部を刺される幻覚」。
あれ……別に要らなかったような気が……

COMMENT

全般的に見て、神宮寺の続編としてしっかり遊べたので嬉しい作品。
まあ、顔出し程度ででも三好姉さんが出てきただけで満足っちゃ満足なんだが。

あとは「謎の事件簿」だなあ。
本編が人間ドラマに徹している分、こっちはアリバイのタイムテーブルを作ったり暗号を解いたり、頭を使う方に特化している…と言う明確な違いがあるのだから、もうレイトン化しちゃう勢いで頭を使わせてほしいなあ。

既にアプリ作品はDS次回作を出していいくらいに溜まっているようなので、また期待したい。