NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・オリジナリティ
今から１０年前、当時鬼門といわれていた伝奇物に新しい光を灯し（菊地秀行作品のオマージュはかなり強いが、それも伝奇物への愛情ゆえか）、ギャルゲー・乙女ゲー・エロゲー・ライトノベルなどにも多大な影響を与えた原点（異能力バトル物など、女の子が戦う形に変容したが）ゆえ、そのキャラクターの魅力は１０年経った今も色褪せない。
男性キャラも女性キャラも魅力的なキャラが多いので（後、本編最終話「桜ノ杜」が朧奇譚仕様になっており、好きなキャラに告白できるようになったのも好印象。ＰＳ版では葵・小蒔のどちらかのＥＤしかなかったため、この２人以外のファンの人には不満が多すぎた）、思う存分彼ら彼女らとの日々を満喫してほしい。
・やりこみ要素
本編の寄り道要素である無限ダンジョン「旧校舎」でレベルを上げたりレアアイテムをゲットしたり、本編のシナリオで「真神新聞」を全号コンプリートしたりとやりこみ要素はとても高い。
またファンディスクである「朧奇譚」も収録されており（クリア後にオープン）、そちらでも特定条件を満たしプレイできる「外伝」や旧校舎のさらに難易度の高いバージョンである「真旧校舎」、バトルシステムを利用したパズル「螺旋洞」などさらにやり込める要素も高い（のだが「螺旋洞」に致命的な問題が発見された。詳細は後述）。

BAD/REQUEST

・操作性
メッセージ送りがＲボタン、メッセージスキップがＬ＋Ｒボタンという仕様の為読んでいくのが意外に面倒臭かった（ただでさえ何度もクリアしていて話の筋をわかっていることを割り引いたとしても尚更）。
また、戦闘中に方陣技のセリフスキップができなかったり、中断ができなかったりしたのも地味に辛かった。
・ストーリー
当時ではかなり斬新な話でも、前述したようにギャルゲー・乙女ゲー・エロゲー・ライトノベルで類似の傾向が強くなっている状況ではいささか話自体が古臭く感じる部分も多い。
特に敵キャラの使い捨てぶり（後半では顕著）などは不満も感じるかもしれない。
またシナリオ自体あまり書き足しも書き換えもされていないので（「外法帖」のメインメンバーが登場するＣＧや京一復帰、京一の過去のシーンなどでＣＧは追加されているが）、追加要素を期待している人にはやや肩透かしな部分もあるかと。
・難易度
魅力的な２６人の仲間たちだが、アドベンチャーパートで全員を仲間にするのはとにかく難しく、攻略本か攻略サイトを参考にしないと仲間が全然加わらないままＥＤを迎える、ということにすらなりうる。
またシミュレーションパートでの戦闘の大味さ加減（旧校舎でＬＶ上げをしていないとまともに歯が立たないが、旧校舎でＬＶを上げて再挑戦するとあっさり勝てたりするし、折角のノックバックなどのシステムが有効活用できない）もさほど改善されていないのも問題であった。
・バグ
とても致命的なバグとして、「螺旋洞」第４３問の「策略」が地形効果ダメージの仕様変更のため「１ターン内で敵を全滅させる」ことが不可能になり、「螺旋洞」を全問クリアできずにオカルト研でエピローグフラグをいじれない、というバグが発見された。
やり込み要素を期待しているプレイヤーにとっては致命的だし、何よりこれまでの作品でバグが必ず発見されていて批判の対象にされたことに対して反省の色が見られない、と言わんばかりの行為といえる。
それ故に満足感には０点をつけざるを得ない。

COMMENT

ＰＳ時代に何度もクリアしたお気に入りのゲームなので多少評価を甘めにつけているが、操作性や難易度などの面で現在にそぐわない部分が多く見られたことでそのあたりを厳しく採点させてもらった。
今から始める、という方はＰＳ版の「剣風帖」及び「朧奇譚」の攻略本を古本でもいいから購入しておいた方が難易度の緩和に繋がるので、確保した上で挑まれるとよろしいかと。
後、マーベラスエンターテイメントには今後より厳しいバグチェック及び、初回出荷版の早急な回収と修正版との無償交換が求められるだろう。
何度も裏切られて温厚でいられるほどユーザーも馬鹿ではないだろうし、ここでの対処を間違えると社会的信用を地に落としかねないということを肝に銘じていただきたい。