NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

【絶妙の戦闘バランス】
まず戦闘バランスが絶妙の一言。
持ち越しレアアイテムを持たない１週目の場合、常に工夫を要求される。
デカントアビリティ、装備品、アイテムを上手く使い分けていく事で戦っていける。特にボス戦はＳＦＣ版の予備知識があると予想外の驚きとそこから工夫する面白さがあって非常に良い。
更にこの点はレベルが上がりすぎて難易度が低下するというＲＰＧ最大の弱点もある程度克服している。一定のレベルに到達するとある工夫をしないとステータスが上昇しなくなり、特にＨＰはより厳しい補正がかかってるので基本的にはそうした中で戦いのやりくりをする必要が出てくる。この仕様がもたらすメリットは過度のレベル上昇を懸念する事がないので自ら制限する必要性があまりないということ。
戦闘バランスを面白くするというのはなかなか難しいことでこれを実現できるかどうかでそのゲームの価値さえも左右すると思う。
ただ敵を強くしてなんら抜け道さえなかったらただの壊れゲーで終わってしまうし、抜け道だらけだったら頭を使わない全く面白みのないゲームになってしまう。つまり敵に脅威を感じる事ができ、尚且つプレイヤーの創意工夫によってそれを倒すことができるバランスを実現するＲＰＧは本当に面白いと思う。
同社のロマンシングサガミンストレルソング等がこの類に入り、今回のＤＳ版ＦＦ４も絶妙な戦闘バランスを実現させた数少ない名作といえる。
【レアアイテム収集】
次に特筆すべきはレアアイテム収集。基本的にレアアイテム入手を敵から得るというのは「作業」であり、それを支えるにあたっては「モチベーション」と「繰り返しに耐え得る操作システム」が重要になる。
操作システムは今回導入されたオートバトルシステムが分かり易く作業を楽にしてくれている。加えて「アラーム」という使用するとエンカウントするアイテムを使う事で操作が「Ｘボタン→Ａボタン→Ａボタン→Ａボタン」だけで済むようになる。
この点からレアアイテム制覇に際しての敷居は他のゲームと比べると大分低い。更に作業が簡略化された環境は携帯ゲーム機という特性も相まって功を奏しており、なにかしながら作業できる、このなにかしながらの幅が広いということ、これは単純作業をする上で大きなメリットといえる。
アイテムドロップ率も５００回の試行で出たり、３０回の試行で出たりとふり幅が大きく、運試しような感覚で楽しめる。ドロップする時はそう遠くはないが近くもない、そういう気分にさせてくれる。
そうして得られたレアアイテムは基本的に利便性の良いばかりであり、先に述べた戦闘バランスのおかげでそのことが強く実感することができる。
そして一部のレアアイテムは２週目プレイに引き継げるためにこれを更に後押しする。こうした状況がレアアイテムを収集するにあたってのモチベーションが下がりづらくさせてるといえる。
【引継ぎプレイ】
今回はデカントアビリティと一部のレアアイテムが２週目以降引き継げることができ、デカントアビリティは後の隠し超強力モンスター対策やレベル上げに必要になるので入手と使用に関する調整が必要になる（とはいえ、そうした中でもある程度の自由はあるので絶対的な縛りがあるわけではない）。

【総括（熱中度、満足度含め）】
先に述べた３点は一つに繋がっている。その一つの例としては、
まず１週目で絶妙バランスで遊び、２週目で１週目で集めたレアアイテムで
擬似強くてニューゲームで遊び、必要なデカントアビリティが出揃う３週目でこのゲームででき得る最強の状態を作り、隠し超強力モンスターに挑むという遊び方ができる。
つまり、１週目で苦労した分を２週目で報いたいという気持ちをレアアイテム作業のモチベーションに当て、それがただの強い状態満足プレイに終わらず、デカントアビリティの調整という前提の中でプレイすることで目的意識が生まれる。そしてお膳立ての整った３週目でこれまたかなりの工夫を要する最強モンスターと戦うというもの。
この例は製作側も意図したであろう純正ルートに近いと思われる。
この純正ルートからあえて外れる、俗に言う「やりこみプレイ」も本作では仕様的に色々楽しめるようになっている。
例えばデカントアビリティ無し縛りだと結構なハードモードになる。
ただこれはレベル上げない縛りや装備しない縛り等に比べれば、普通に近い遊び方なのでやり込みプレイとしては敷居が低い方で遊び易い。
【その他、ストーリー、グラフィック、音楽等】
これらは好みとしかいいようがないので公式サイトや各雑誌、サントラ等から判断した方が良いかと。
私個人としては絵、お話し、音楽、全て非常に良いものだと感じた次第です。

BAD/REQUEST

【致命的なバグ】
名作に泥を塗ってしまった非常に残念なバグを残してしまったようです。
私はこのバグに引っかからず、その対策も既に知っているので今後も引っかかる恐れは全くないのですが、引っかかってしまった人は最悪の一言でしょう、
準備万端でさあ行くぞ！！と意気込んでいたところ、急に物語が進められなくなる、しかも取り返しつかないという鬼のようなバグ。
やりこませる要素が満載だっただけに思いのほか悪い方に効果的だったようです。
詳しくは公式サイトにてアナウンスされているのでこれからもし購入してプレイされる方は一度目を通しておいた方が　絶　対　に　良　い　です。
一応回避方法が頭に入っていれば全然気にしないで遊ぶことはできます。
【システム面】
強いて言えば魔法を全体に掛ける時にエフェクトが個別に発生するので、ＳＦＣ版と比べるともっさり感じられるという点・・・なんですが気にするってレベルじゃない気が私はします。

COMMENT

私はすっかりハマってしまったので悪い点があまり書けなかったのが心残りですが、この点は他の方のレビューを参考にしてもらえたらなと思います。

最後にこのＤＳ版を遊ぶにあたってより面白く遊ぶための私的なポイントなど。
今回はリメイク作品なんですが原作ＳＦＣ版をプレイすることによって得られる予備知識がネタバレというデメリットとは別に製作者の工夫を至るところで体感できるメリットとして活きてきます、リメイク作品の醍醐味ですね。
なので可能であればＳＦＣ版に触れておくと良いかと思われます。
あとデカントアビリティの引継ぎシステムを正確に把握しておくこと。
ネタバレなんていやだ！！、という気持ちも分からなくも無いですが、今回は
そこを少し妥協してこのシステムの理解をしておいた方が結果的に後悔しないで
すむように思います。
つまりアビリティ入手過程より入手した後の自分なりの工夫がかなり面白く、そのお膳立てでミスるとモチベーション下がっちゃうんじゃない？ということです。

蛇足で感想なんぞ。
一見チープな３Ｄなんですがそのおかげで想像を掻き立てられるものがあってよかった。近年のＦＦのリアル化のアンチテーゼ作品とも受け取れる。
代表的なテーマ「愛のテーマ」の歌詞もストーリーを良い方向で色付けしててそこでも楽しめた。
・・・もうこの感想からして信者丸出しですがその位のめり込むことができました、本当にオススメしたい作品です。