NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

○オリジナリティ
個性的な戦闘システムもさることながら、通常のRPGでいう武器・魔法・敵の落とすお金・ミニゲームの道具としての要素をすべて兼ね備えている「バッジ」というシステムを採用したことは個人的に衝撃でした。
DSならではの二画面・タッチペンを最大限生かしたシステムもこの機種だからこそという感じで素晴らしかったです。
あと、主人公のレベルをプレイヤーの任意でいつでも下げられる（現在のレベルが20だとしたら、1?20の間ならメニュー画面で好きなレベルに設定することができる）というのも驚きでした。
システム全体を総合して、5点（特別点）をつけさせてもらいました。

○グラフィックス
個性的だけどそれほどあくの強くないキャラクターデザインはとても魅力的でした。
また、各ショップの店員さんといったモブキャラにも個別グラフィックや名前が用意されていて、親しくなると表情が変わるなど凝っていると思います。
バッジやアイテムのデザインも丁寧でよかったです。

○音楽
通常の何でもないBGMにまで歌がついているというのは新鮮でした。
しかし、現実の普通のお店で曲が流れているように、あくまでBGMに徹していてうるさいとは思わなかったです。
このあたりは舞台を現代の「渋谷」にした、設定勝ちだと思います。

○快適さ
システムやメニュー画面はかなり癖がありますが、チュートリアル的なものがゲーム内に存在する点と、ヘルプ機能が充実している点はよく考えられていると思います。
難易度を選択できる、ゲームオーバーになってもペナルティなしでリトライできる、戦闘の一部をオート操作にできるなど、この手のゲームに不慣れなユーザーにも親切でした。
左利きのプレイヤーへの配慮もうかがえました。

○熱中度、満足感
ストーリーが良く、しかも短く章立てされているのでメリハリがついていて一周目はどんどん進めてしまいました。
2周目はおまけ要素があり（あくまで「おまけ」の域を超えていないのは好印象です）、またアイテムやモンスター図鑑のコンプリート要素があるなど、長く遊べるゲームになっています。
さらに、ステータスやアイテムを引き継いで好きな章だけをプレイできるという「強くてニューゲーム」制を取り入れてあるのも非常に遊びやすかったです。
総合して熱中度は満点をつけさせてもらいました。
満足感は、ゲーム自体が非常によかったので4点。
さらに、大きな破綻なく謎が解かれていくストーリー、話が進むごとに深みを増していくキャラクター、救済と希望があふれる世界観が非常に好みだったので、＋1点させてもらいました。
自分にとっては、DSでプレイしたソフトの中ではNo.1と断言できます。

BAD/REQUEST

○快適さ
装備品の買い物をするとき、キャラクターのステータスがその場で確認できないのは不便でした。
あと、アイテム総数が非常に多いので、後半になるとどうしてもごちゃごちゃしてしまって見にくくなってしまいます。
セーブデータをひとつしかつくれないというのもマイナスではないでしょうか。

COMMENT

自分の中では「DSでしか生み出せなかった傑作」だと思っていますが、万人に薦められるゲームではありません。
戦闘システムやメニュー画面は癖が強く、さらにタッチペンの使用は必須です。
オーソドックスなゲームを求めている方、主人公に個性があるのは嫌な方、タッチペン多用は苦手な方などは手を出さない方が無難です。

リアルなCGでなくても、広大なマップやダンジョンが存在しなくても、最大ふたりパーティしか組めなくても、なおこれだけ面白く個性的なゲームをつくった制作者には拍手を送りたいです。
ゲームとユーザーへの愛情がうかがえる、暖かいゲームでした。
個人的には、おまけ要素での最後の一言を見たとき、頑張って今までプレイしたのが全部報われたと思いました。
個性ある主人公ですが、最終的には主人公＝プレイヤーなんだろうなと思います。