NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

他のＲＰＧにはない、「一回の冒険ごとにレベルリセット」「いつでも違うダンジョン」が魅力です。
ＳＦＣ版から３つのクリア後ダンジョンも追加され、サブイベントや旅仲間も増え、かなりのボリュームになっています。
音楽は基本的にＳＦＣ版そのままですが、元がいいので全く問題なしですね。

旧作からのダンジョンも、モンスターの配置が変わるなど、大きく変化していますので、ＳＦＣ版を遊び倒した人でも違うゲームをやるつもりで楽しめるのではないかと思います。

BAD/REQUEST

本作の売りの一つに「モンスターがレベル４まで上がる（従来はレベル３まで）」があるのですが、追加されたレベル４モンスターのほとんどが微妙・・・
どれもこれも似たような色使いの上、特殊能力などもレベル３と大して変わらなかったりと、「追加しなくてもよかったのでは？」という敵が大多数です。
みだれ大根、ガイコツまてんなど、「別格」級の危険物もまぎれこんではいますが。

完全新モンスターである「カラカラペンペ」系とその特殊攻撃による「電気を帯びた道具」、ストレートに言って「要りません」
握り変化の「おにぎり化」は食糧確保に、「畠荒らし」の雑草化も、まだ満腹度５％回復や変化の壷に入れるなどの利用価値があるものでしたが、「電気を帯びた道具」は何の発展性も無い、完全に閉じたシステムです。
腕輪や盾の効果で防げない、対抗策が「近付かれる前に倒す・杖で対処する」しかないなどは目をつぶるとしても、ゲームとして致命的なのは「面白くもなんとも無い」こと。
次回作を出す時には前もって雑誌のインタビューなどで「ペンペン系は削除しました」とか「電気を帯びた道具にも使い道を用意しました」と言っておかないと、発売日に購入するファンは減るでしょう。それだけの「失策」です。

いくつかのアイテムが削られてしまったのも、従来からのファンには辛いところです。
分裂の壷はまあ仕方がないとしても、壷増大の巻物と山彦の盾、これらを削ったのは何のつもりかと言いたくなります。
山彦の盾など、旧作の攻略本でもスタッフが「一つしか盾を選べないなら山彦を選ぶ」と言っていたほど強力で、それゆえに魅力的なアイテムだったのですが・・・
最初から「無い」とわかってしまった今では、「いつ手に入れられるだろう」というドキドキ感はもちろん皆無です。

ＳＦＣ版にもあった罠ダンジョン「掛け軸裏の洞窟」は、旧作とは大きく仕様が変わり、64版シレン２に近いものの、全く新しいシステムになったのですが、ダンジョンに入る前にそれに関する説明が一切ありません。
これでは旧作を知っている人も今作ではじめてシレンに触れる人も戸惑います。
システムそのものは面白いのですが、だからこそ説明を忘れる、あるいは省くなどというミス・手抜きをしてほしくはありませんでした。

旅仲間はそれぞれ個性的で魅力的なのですが、64版やＧＢ２の時と違い、ＳＦＣ版の仕様のまま、冒険中に経験値を得てレベルアップすることがありません。
このため、こばみ谷のダンジョンでも少し奥の方に行くと、攻撃力防御力ともに不足してしまい、ただの足手まといになってしまいます。
せっかく新しいダンジョンも追加され、仲間を連れて行けるところが増えたのに、事実上仲間を連れて行く意味がないというのは寂しいものです。
基本的にソロゲームなので、ＮＰＣに頼るだけで進めるような性能にして欲しいとも思いませんが、レベルアップくらいはして欲しかったところです。
更に欲を言うなら、64やアスカにあったような、モンスターを仲間にするシステムも入れてほしかったですね。肉システムとは相性が悪そうですが・・・

COMMENT

悪いところが長文になりはしましたが、これは今作がＳＦＣソフトのリメイクであり、シリーズものであることもあって、それらと比較して不足しているところが目に付いたからでもあります。
基本的な部分はすでに完成されていると言ってもよく、根本的な面白さを損なうほどのものでもありません。
定価で購入しても、価格の２倍程度楽しむことは出来ると思います。