NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

●たしかオリジナル版は中学の頃にプレイしたが、再びプレイしてみても古くささを感じない。（もっともこれは本作がすばらしいというよりは、この10数年間、和製RPGがほとんど進歩していないだけかもしれない）

●音楽だけはシリーズ最高のデキだと勝手に思っている。

●イベントシーンはフル3Dのリアルタイムレンダリングで、演出はなかなかこっている。キャラモデルの作りは気に入らないが、踊り子のダンスまできちんと作ってあるのは驚いた。

●演出のムービーがカットできたり字幕とボイスのオンオフが選べる。

BAD/REQUEST

▲FF3よりは格段に良くなっている戦闘画面の3D化だが、やはりもっさり感は否めない。魔法のエフェクトは一度に出しても良いはずだし、ダメージを受けたときのHPの減算もテンポが悪い。魔法を使ったときなどのキャラのアップも、テンポを悪くする要因に過ぎない。戦闘前後のロードもやや長め。DQ4が非常に良かっただけになおさら残念に思う。テンポを犠牲にしてまで無理に3D化する意義は全く感じない。

▲アクティブタイムバトルってこんないい加減なものだったかな？全員の行動が終わるまでメーターが溜まらないことがある。特に「戦う」を選んだ場合は、コマンド入力の順番が多少前後するだけで、ターン制とほとんど変わらないと感じることがある。

▲今作の売りのデカントシステムははっきり言ってゲームを壊している。本作に限らず、RPGはすべからく説明不足だ。自分で試行錯誤しようにもやり直しがきかず、しかも次回プレイでもそのまま持ち越される。攻略サイトを見ない限り行き当たりばったりにならざるを得ず、ミスや非効率に気づいても手の施しようがない。
スキルの効果が分からずにそれを習得するなど、現実世界ではあり得るだろうか？ほんとうにロールプレイさせたければ必要な情報をすべてプレイヤーに与え、その上で判断させるべきだろう。
ゲームを壊している、というのはその付け焼き刃的なシステムを前提に戦闘のバランスが取られているように感じるから。

そもそもストーリーや演出重視の為にプレイヤーの自由や選択の幅を極力削ったのが本作ではないのか。デカントシステムはあまりに無理矢理過ぎる。スキルを習得させるにしてももう少し自然に出来たのではないか？

▲ダンジョン内ではマップを見ることができ、マップを完成させるとご褒美がもらえる。これ自体は良いのだが、マップが完成した時点で即座に「ポーション5個」とか脈絡がなさ過ぎる。世界観なんて完全無視ですね。

▲イベントシーンのキャラの3Dモデルが4等身。頭がでかくてみんな幼児に見える。ステータス画面の顔グラは天野喜孝（たぶん少なくともセシルは）なのに。ストーリーもシリアスさよりコミカルさを感じる。ドット絵の方が味があって良かった。

COMMENT

DSのRPGの中ではできは良いと思うし、実績のあるゲームなので安心してプレイできる。しかしアレンジの中途半端さがとても気になる。グラフィックもシステムもアレンジして良くなった部分と悪くなった部分が相殺し合っている感じだ。

デカントシステムは複数回クリアしないと良さがほとんど見えないので、そこまで何度もプレイしないだろうと思う人は期待しない方がよい。