NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

※※※多少ネタバレもあります。注意してください！※※※


○オリジナリティーは、前作に加えて新ルールも加えてくれたので、この評価にします。

○wi-fiの実装は良いと思います。
こういうゲームですから、CPUよりもやはり人間とやったほうが手ごたえがあります。
また、前作同様出しづらいカードがカートリッジごとに設定されていますが、wi-fiのおかげで交換もしっかり楽しむことが出来ます。


○キャラクター・カードのデザインは、前作が微妙だっただけに良いと思います。
あれはあれで味があったのですが、やはり商品である以上、こういった今風のものにするべきでしょう。
ビヨンドだけはまったく違う姿にされていて、完全に別物にするならなぜ他のいくつかの変更カードと同じように名前も変えてしまわなかったのかと不満ですが、他のものは前作のカードのデザインを周到しつつ、うまくリファインされています。
ただ、バトル中に立体化したときの３Dがちょっといただけない出来なので、グラフィックスの評価はこのくらいに抑えさせてもらいました。


○音楽はかっこよくて、耳障りでもなくよい感じです。
前作の曲の流しどころも心得られていて感動しました。


○前作キャラの扱いはまぁまぁです。フリー対戦で出てくるキャラがランダムなのでまだ出会えていないだけなのかもしれませんが、一部未登場キャラがいるのは残念ですが。


○あと小さなことですが、前作で一度しか能力を決められなかったワンダーマスターの能力を選びなおすことが可能になりました。地味に嬉しいです。

BAD/REQUEST

○ゲームバランスは、最悪です。
ただ、「よく取れている」と言っている人たちが嘘をついているわけではありません。
絶賛している人は、おそらくバランスを崩壊させている上位互換カードの連発までまだ到達していない人たちです。
これらのカードは、特殊な入手条件があるので、クリアの時点では持っているとは限らないのです。クリア後しばらく経ってから入手した人のほうがまず、多いでしょう。
ですから、クリア後すぐにレビューにこられた方は知らずに投稿していると思われます。この人たちが悪いわけではありません。

先ほども少し書きましたが、バランスを崩しているのは多数の上位互換カードです。
前作をご承知の人なら、「モーガンみたいなのがいっぱい出る」と言えば分かりやすいでしょうか。
HP・パワー・攻撃範囲の全てが他のカードを上回っているカードや、一般的な特定カードの能力値を引き上げただけの、２Pカラーのような見た目の上位互換カードが数多く存在します。
また、悪名高きエルゴマやヤミーも続投です。エルゴマ（エルスピナーという名前になりました）は今回、進化や攻撃の後の避難を補助してくれるカードも出てしまいました。大変です。

前作のカードヒーローは、一部先ほど挙げたような強力すぎるカードもありましたが、基本的にはどのカードにもデッキに入るチャンスがあるような、絶妙な能力値バランスを保っていました。
しかし、一部のカードがその能力値を逸脱したことで、それらのカード以外のものの価値がガクっと下がり、デッキに絶対入らない2軍カードが多く出来てしまいました。
むしろわずかながらの強力なカードの能力を調整し、絶妙なバランスに仕上げてくれるものと信じていましたので、非常に残念です。
熱中度の低さは、このゲームバランスの悪さによるものです。


○快適度が低い理由は二つ、ひとつはオートセーブがあまりにも酷いこと。もうひとつはカードバトル中のストレスが大きいことです。

オートセーブは前作にもついていまして、例えばカードを買ったときに良いカードが出なかったのでリセットする、等のような推奨されないプレイを防ぐためにつけられていると思われます。それは良いのです。
しかし、このセーブが長い。DSのゲームの中でもかなり長い部類です。
そして何より良くないのは、デッキ編集後や、メール閲覧後にメニューに戻るたびにオートセーブがかかることです。
これだけセーブに時間がかかるのなら、バトル終了後とカード購入時以外は手動セーブを採用すべきだったと思います。

カードバトル中のストレスは、攻撃の度に行われる３Dモンスターの攻撃モーションによる時間と、あとはルールが難しくなった後の敵の思考時間です。
序盤のシンプルなルールの時は思考時間はほとんどないのですが、プロルールになると毎ターン数秒待たされます。


○チュートリアルも良くないです。
「ターンを終えるときは、ターンエンドボタンを押そう！」等の誰が見てもわかるようなことまで説明してくれるかと思えば、難しいマジックカードの練習の時などは、失敗するまで何も教えてくれません。
テキストが全体的に不十分で、カードの効果も説明だけでは意味がとれず、まとめサイトで補足されていたりする有様です。
また、最初のチュートリアルがとても長く、自由に操作できるメニュー画面に行き着くまで３０分程度かかります。スピードルールだけでこれです。

そして、このスピードルールが曲者です。私たち前作ファンからすると変則的でなかなか面白いのですが、このルール、あまりにも従来ルールとの共通点が少なすぎます。
初心者を取り込むため、と開発の方は言っておられましたが、はっきり言って邪魔です。これはジュニアルールに移る際に、元々ジュニアルールを知らない初心者の方は混乱を引き起こすだけのものになっています。
経験者がやる分には良いですが、初心者の方は先にジュニアルールの方をどこかで読んでおいたほうがいいかもしれません。
以後のステップアップルールは皆、ジュニアルールベースで、スピードルールは何も関係ありませんので。３０分もかけて学んだものが無駄、というのもどうかと思いますが・・・・。


○テキストが微妙です。前作のような趣きもなく、ストーリーも完全な紙芝居で単調です。
全国大会のショボさには失礼ながら大笑いしてしまいました。
フリー対戦の時はまだ主人公が気の利いたセリフを返すのですが、いにしえのデッキ戦の時のコメントなど、やっつけ仕事なセリフが多いのも腹が立ちます。


○これまた小さなことですが、良いところの最後でワンダーマスターの能力が選びなおせるのを喜んだのもつかの間、「グレートマスター」という能力の選び直せない新マスターが登場してしまいました。何を考えているんでしょうか・・・。
デッキに入れるモンスター次第で欲しい能力なんていくらでも変わるので、むしろデッキごとにワンダーとグレートの能力は決めさせて欲しかったくらいです。
もしくはプレイヤーに能力設定させず、レッドマスターやブルーマスターを増やすとか。

COMMENT

○プレイ時間はEDを見るまでのものと思ってください。
クリア後には14種類の大会が開かれるのですが、それを制覇していると20時間前後までは伸びるでしょう。
wi-fiがあるので、その後は無限大に遊べます。

悪いところで述べたとおり、ゲームバランスは最悪ですが、バランスを崩している多数の上位互換カードをプレイヤー間で禁止してやることで、熱いバトルを楽しむことは可能です。
フレンド対戦をうまく活用すれば、末永く遊べるでしょう。


○難易度は低めです。wi-fiやワイヤレスで対人戦を始めてからが、本当のゲームですからね。


○満足度は、個人的に前作の生命線だったテキストの良さとゲームバランスが、両方とも見るも無惨なほどに死んでいたので、私個人の満足度としては最低としました。
このゲームバランスはありえません。前作経験者の多くの方が同じことを思うでしょうが、「まさかモーガンを続投させるとは思わなかった。」本当に。
それがもっと増えたのですから、本当に何考えてるんだとしかいえません。


厳しめにはなってしまいましたがちょっと評価が甘すぎる人が多いのであえてやってみました。
「ゲームバランスは悪い」ということだけ覚悟してください。
そして、「フレンド対戦でローカルルールを使えばバランス調整できる」ということも忘れないでください。