NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・DSならではのタッチペンをうまく活用している。売りのメモ機能は「自分で情報を集めて謎を解いている」という感覚が存分に味わえるし、コマンド選択やメッセージ送りなどがストレスなく行えるのもありがたかった。
・グラフィックが綺麗。ミニゲーム部分は「ありがちなサイバースペース表現」だが、それでも見ごたえがあった。
・架空ウェブサイトは、謎解きと関係がないものも含め、レイアウトから文章までそれっぽくできていて楽しめた。

BAD/REQUEST

・何よりも強調しておかなければならないのは、主人公たちが行っているのは一般人なら明らかな犯罪で、捜査機関としても違法捜査（集めた証拠が裁判で使えない）になるということ。しかし作中ではそのことが（意図的に？）あいまいにされている。結果として、公的機関に所属するヒロインがその場のノリで違法行為に出て、コンビを組む主人公が文句を言いながらも引きずられ、責任ある立場の大人たちがあとでそれをあっさり追認するという、見ていてなんとも居心地の悪い状況が生まれることとなった。低年齢層もプレイする全年齢対象作品で、この安直さは致命的だ。ちゃんと令状とって証拠のPC押さえて、でも中のデータが見られないので主人公の出番――という流れを踏むか、いっそのことGISを「法で裁けない悪を討つ」的な非合法組織にするべきだった。いまさら遅いだろうが。
・音楽。ループ感の強いテクノサウンドは、ハッキングシーンにはよく合うものの、捜査パートでは明らかに浮いている。
・こういうテイストの作品に、音声がないのは少し寂しい。パスワード解除やミニゲーム成功時には喋ってほしかった。
・移動がかなり面倒。屋外の地点間は、簡易マップなどを使って一気に移動できてもよかったのではないだろうか。
・ミニゲーム。難易度としては決して高くなく、何度かやり直してコツをつかめば容易にクリアできる類のものだが、それでも腰を据えて遊ぶ必要がある。アドベンチャーゲームのアクセント的なものを予想していたので面食らった。

COMMENT

テクスチャこそ現代的だが、実際は昔ながらのテキストアドベンチャーが好きな人向けの作品。IT関係については、専門知識を詳細に語られても誰もが理解できるわけではないから、リアリティの水準として、これはこれでありだと思う。しかし、それ以外の部分でもあまりに大きな問題があった。続編では作り手の奮起に期待したい。