NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

一昔前のアメリカっぽい雰囲気がよく出ており、ラフ絵調のキャラも渋い。
完全な劇画調ではなく、現代風に上手くバランスを取った感じ。
「大人が手に取っても恥ずかしくなさそうなゲーム」を演出できている。

DS縦持ち仕様のおかげで、会話シーンの見栄えが格段に良くなった。
また、旧型ゲーム機のADVではいくつかの手順を踏む必要があった
「話す」「調べる」といった作業をタッチペンでサクサクできるのも良い。
DSの機能を駆使した謎解きも面白い。
(他のゲームでも使われているギミックなのでバレバレではあるのだが)

ゲーム黎明期のADVを彷彿させるあっけないゲームオーバーが面白い。
渋い主人公とのギャップで妙に笑えた(たぶん製作者も狙っている)。

血や死人が出まくる怖いストーリーでなくて安心した。
昔、『ファミ探』や『かまいたち』で夜トイレ行けなくったビビリとしては…。

音楽は地味だが良質。ゲームの雰囲気には良くマッチしている。

BAD/REQUEST

任天堂だから仕方ないのかもしれないが、全体的に簡単過ぎる。
相手の気分を害さない選択肢をひたすら選んでいくだけなのは物足りない。
頭を使って推理する必要が殆ど無く、謎解きで詰まる事も無かった。
基本的に一本道で、選択肢次第でストーリーが変わることも無い。
自分で答えを入力する謎解きも無い。
引っ掛けのアイテムやミスディレクションも全然足りない。
もう少し難易度を上げてプレイヤーを必死に考えさせて欲しかった。
その代わり、どこかでヒントをもらえるようにするとか…。

フラグ立てがワンパターン。
言われた通りの場所へ行って、話を一通り聞いて、
やることなくなったら自室に戻って…の繰り返し。
そのうち「ここで電話鳴るぞ」などと読めるようになってくる。

物語に捻りが無く、どんでん返しがまるで無い。
推理小説をあまり読まない私でも、後半のストーリー展開が殆ど読めた。
それでいて1から10まできっちり事件が解決しないからもどかしい。
クリアしてもカタルシスがあまり得られなかった。

COMMENT

アガサ・クリスティのような死人が出る推理モノを想像していたら、
意外と平穏で地味なストーリーだった。
このあたりの好みは人それぞれだろう。
全体の雰囲気作りでかなり得をしているゲームだと思った。
冷静に内容を見れば、至って普通の良作ADVだ。
ADV好きだけどアニメ臭い絵柄はどうも…という人や、
ADV好きだけど怖いのはちょっと苦手…という人にオススメ。
骨太のミステリを期待すると肩透かしを食らうのでその点は注意。