NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

はらはらドキドキするような派手さはありませんが、ところどころに印象に残るような台詞もあり、好感の持てるストーリーでした。
この手の物語にしてはめずらしく、きちんとした結末があるうえ、心にしみるような終わり方をするので、ゲームを終えたあとはスッキリとした気分を味わうことができます。

主人公のキャラクターは、Ｔシャツを着たふつうの女の子ですが、表情には微妙な感情の変化などがうまく描きわけられており、ちょっと不機嫌に話すときのむくれた表情などは、ほかのゲームにはない愛らしさがあります。

音楽の作りもていねいで、静かで旋律の美しいサウンドは、（ヘッドホンで鑑賞できるほど）音質も良好なうえ、この作品のドラマの展開にも良くマッチしています。

ゲームの中で使われている仕掛けは、DSというゲーム機の特徴を上手に利用したものが多く、中には、「えっ？　そんなことできるの？」というような対応を求められるようなものもあります。

BAD/REQUEST

とても良いゲームだと思いますが、一番の問題をあげるとすれば、やはり価格のわりにボリュームが少ないという点でしょう。
順調に進めば５?６時間程度で終わるゲームですし、物語の長さも文庫本の小説に換算し250?300ページといったところです。

グラフィックは、作り込んである部分と荒い部分とのムラがあり、必ずしもていねいな作りとは言い難いところがあります。
とくに、フィールド上の主人公の視点は、クローズアップの画面とズレることがあり、どこを見ているのか戸惑うことがあります。

物語のエンディングはハッキリしていますが、ゲームのお終いが分かり難くなっています。
そのため、そのことを知らないと、クリアデータをセーブしないまま終了してしまう恐れがあります。
クリアデータをセーブする画面が出るまでは、電源を落とさず、まだゲームは続いているものと考えてください。（笑）

COMMENT

ゲームに （小説や映画のような） 物語の感動を求めているような人には、オススメできる作品です。
ストーリーは、推理小説というよりも、ある発明品がからんだSFに近い内容になっています。
一方、ゲームとしての充実感を味わおうとすると、簡単なうえボリュームが少ないことに不満が出るかも知れません。

主人公は、アシュレイという女の子のほか、彼女が屋敷で出会ったゴーストの少年、ディーとの二人三脚で進行します。（といってもゴーストのディーには脚がありませんが・・・）
アシュレイとディー、それぞれの物語が同時進行する展開はなかなか良くできていて、過去の記憶をのりこえることで始まろうとするアシュレイのあらたな人生と、記憶をとりもどすことで終わりを迎えようとするディーの生涯が、たがいに交叉し、やがて離れていくさまは、なかなか胸に迫るものがありました。

じっくりと物語を味わうという意味では、ゲームの難易度をこの程度に押さえてあるのも、正解だったというふうに感じています。