NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

DSの機能を最大限利用したゲームシステムである事。
擦ったり傾けたり息を吹きかけたり、には他所でも出会いましたが、
それら全てを採用している上に、まさかこんな事まで？といった
個人的驚きのシステムがふんだんに仕掛けられているので、頭が固いと結構謎解きに苦戦させられます。
親切設計なのか、前後の台詞がヒントになっているため難易度的にはそこまで難しくはないのですが、
「選択肢で答えを出すシステムに慣れている＆DS初心者」の方にはやり応え十分だと思います。

何より、キャラクターとシナリオが魅力的。
主人公である少女が父を追い、訳有りの少年と出会い、真実と向かい合う。
とてもオーソドックスでどこか懐かしい香りがするのだけど、
DSの機能と合わさって、初めて「新しいゲーム」になっているように感じました。
ゲーム本編では匂わせる程度にしか描かれていない登場人物の背景や心情ですが、
鮮明に描かれていないからこそ余計に物悲しく感じられ、
登場人物の何気ない一言一言にグッとくる場面が多かったです。
恐らく意図的に、推測・想像させる余地をユーザーに残したのでしょう。
（公式で「親切に突き放す」と仰られていましたので）
人によっては「あっさりしていて説明不足」と感じるかもしれませんが、
個人的には飾り過ぎず適度に、丁度良い演出であったと感じました。

パートナーとなるゴーストの「ディー」が最高に可愛く、格好良かったです。

BAD/REQUEST

やはりボリューム、この一言に尽きます。
値段の割に謎解きの仕掛け数もシナリオの全体文章量も少なく、
謎解きに躓かなければ３?５時間でクリア出来てしまう程のボリュームです。
いくらDSの機能をフルに活用しているとは言え、
いくら読み進めていく事が主となるアドベンチャーとは言え、
この値段でこのボリュームはちょっと…というのが正直なところです。
決して悪いゲームではないのに、値段のせいで「損した」と思われる事を考えると、
少々勿体無い気がします。アイディアはたくさん詰まっているのでしょうが、
購入したユーザーの満足度を考えるともう少し値段設定を抑え目にするか、
オマケ要素や視点の追加、シナリオの増量等が必要であると感じます。

COMMENT

全体的にはとても良いゲームだと思います。
ただ、自分はセール価格（2,500円）での購入でしたので、
定価買いした場合の事を考えると、手放しに褒める事は出来ず…。
ですが、「J.B.ハロルド」シリーズや「藤堂龍之介」シリーズ好きならば、
一度プレイしてみて損はない…気もするのですが、まぁ人それぞれでしょう。
少なくとも自分は十分に楽しめたので満足しています。

２周目から変わるDASカードの内容や、真クリアのボーナス等も用意されているので、
「EDでハイ終わり！」なゲームより断然好感の持てる作りとなっています（もう少し…とは思いますが）
攻略本とは別に、アナザーの研究秘話や登場人物の情報を詳しく掲載した本が欲しいですね。
続編も是非、作って頂きたいです。

未だこのソフトを抜く「DSの機能を最大限利用したゲーム」は出ていないのでは…ないでしょうか。