NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

タッチペンを使用した音ゲーである。「タッチ」だけでなく
リズムに合わせて「タッチ」「なぞる」「回す」といったアクションにより
操作性による単調さも無く、ゲームとしてもより楽しいものとなっている。
またペン１つで操作が可能なため、音ゲーでありがちな
「ボタンの配置が分からずに混乱する」「同時押しが難しい」
といった難点も解消されており、音ゲー初心者にも分かりやすい操作性である。
かつ、DSでしか実現不可能な新しい感覚の音ゲーだ。

２画面を巧く使った演出もまた見所で、
まるで曲のプロモーション映像を見ているかのように展開されるストーリーも
馬鹿馬鹿しくてなかなか面白い。わざと失敗してすべての演出を見たくなる程だ。
馬鹿演出は細かいところまで実によく作られている。
下画面で繰り広げられる応援団の演舞も動きがよく熱い！
リプレイ機能があり、プレイ後にこれらの映像演出をじっくり見られるのも◎。
王道少年漫画のような画風は、「雑」というより「味」として昇華しており
このゲームの雰囲気に実にマッチしていると思う。

音ゲーの命ともいえる選曲もよく考えられており、J-POPのみの選曲ではあるが、
アニソンとして起用されていた曲もあれば、CMタイアップソングもある。
バラエティ番組のBGMとして耳なじみの曲もあり、往年の名曲もある。
誰もが聴いたことがあり、キャッチーでノリのよい曲が多く、とっつき易い。
また各ストーリーと歌詞とがうまくマッチしている。
「なんで応援がテーマなのにこんな曲を採用したの？」と疑問だった収録曲も
「なるほど、この物語にはこの曲しかありえないのだな」とプレイ後には納得させれる。
DSでありながら、モノマネ（175R除く）とはいえ全曲ボーカル付きというのも驚き。

ゲームとしても魅力的、馬鹿ゲーとしても魅力的で
同じ曲でも、思わず何度でもプレイしてしまう魔力がある。

BAD/REQUEST

曲数が全１５曲と音ゲーとしては少なめ。
（とはいえストーリー仕立てでステージクリア型にするといった工夫で）
（曲数の少なさという問題をなんとかカバーしているという印象はある）

選曲もよく、ボーカル付きも驚きであるが、音質自体は圧縮がかかっているようで
あまり良いとは言えない。聴けないレベルではないが音ゲーとしてはマイナス点。

一部の曲の伴奏が長く、何度もプレイしているとストレスとなる。
あまりにも伴奏が長いものは２度目以降スキップ機能があっても良かったかもしれない。

COMMENT

数あるDSソフト群のなかでも、
特に「２画面・タッチパネルというDS最大の特性を存分に活かしている」ゲーム
といえるものの一つである。DSの醍醐味を十分に味わえる。

そして、とにかく熱く！燃える！
プレイを終えた後にはなんだか元気が出る。
プレイヤーは困っている人たちを応援しているつもりで、
実は自分自身もまた応援されているような、不思議な感覚なのだ。
「元気をもらえる音ゲー」なんて初めての感覚であった。

残念なのはメーカーのプッシュが弱かったこと。
CMもされていたがあの内容では本作が音ゲーであることですら理解し難い。
ここのレビューを見なければ購入することもなかったと思われる。
まさにDSの隠れた傑作であろう。