NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・赤い蝶
かなりの良シナリオです。
爆破予告という神宮寺シリーズらしくない派手な依頼にワクワクし、中盤までは政治絡みもあってやや重い展開と中弛みはありましたが、中盤以降は一気に話が進み、ラストはサスペンスゲームではありがちながら神宮寺シリーズでは珍しい緊迫のシーンで盛り上がります。
爆破というハードな事件ながら、政治の不正問題、学生運動、ネットの書き込みなどシリーズらしく社会問題も取り入れ、家族愛や親子愛などハートフルなところも相変わらず上手く入っているのでファンは満足できるでしょう。
オープニングから多数登場する20年前の爆弾犯の回収も素晴らしい。
緊迫シーンあり泣けるシーンありのシリーズ屈指作品でした。

BAD/REQUEST

・DS…
致し方無いですがDSの能力不足が恨めしいです…。
前作「灰とダイヤモンド」が良質なグラフィックとBGMとムービーだっただけにパワーダウンは相当です。
せっかくの屈指のシナリオだったので最強な環境でプレイしたかったのが本音ですね。

・アプリ版
個人的に今回はイマイチな作品が目立ちました。こんなことは初めてです。
アプリ版も20作ほどになったせいか単純事件ではなくなり、どんどん複雑になっています。
複雑になってもクリア時間は2～3時間なので感情移入できぬまま登場人物だけが増え事件がどんどん進んでしまう印象です。
特に「連鎖する呪い」が最たるもので、多数の登場人物に加え、他人へのなりすましも多数で無理矢理詰め込んでいました。
かなりしっかりしたシナリオだけにアプリ版では厳しいかなと。
逆に「亡き子の肖像」はシナリオは薄めで時間が余っていたおかげで、親子愛を深く語られててこちらの方が良い印象でした。

・謎の事件簿
どのシナリオもとてもしっかりしており、隠しシナリオに至っては立派な推理ゲームとして成り立っています。
しかし本編とは趣旨が違いすぎます。 本編はゲーム性はほとんどなく小説を読むようなものだけに、この謎の事件簿は推理力を働かせ何度もゲームオーバーを迎えながらのプレイはまさしく別ゲーといって良いでしょう。
時間も労力も相当費やしていると思うとそこを本編に回して欲しい思いもあります。
「本編はゲーム性ないから嫌いだけど推理ゲームの謎の事件簿は好き」という人も現れそうなだけに、別キャラクターの別ゲームとして進めて欲しいところです。

COMMENT

本編となる赤い蝶は素晴らしかったですが、他は…という作品でした。
6本のシナリオで最高なのは「赤い蝶」、その逆は「連鎖する呪い」でした…今作は人それぞれな作品かもしれませんね(笑)
とりあえず神宮寺シリーズにハマったひとは絶対に外せない一本だと思います。
何故かこのゲームだけ中古でも圧倒的に高いですが、その価値は十分にあると思える名作でした。