NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・雰囲気
鉛筆描きの様なキャラクターに渋いBGM、アメリカンな言い回しの会話など雰囲気は最高。古ぼけたホテルや時代を感じさせる小物も雰囲気を盛り上げる。

・タッチペンでの謎解き
基本的には移動と会話とタッチしての探索の繰り返しだが、要所要所でタッチペンでの謎解きが入るので飽きない。その謎解きは(一部を除き)特に難しくもなく半ば作業に近いが、このDSの特性を活かした謎解きがなかったら凡作AVGだったかもしれない。

・進行具合がわかりやすい
物語が進むと時間が経過するという設定で、少し進めると数十分経過と表示される。そしてチャプター開始時に何時～何時と表示されるので、そのチャプターの進行具合が明確。

・ゲームオーバーが多い
賛否両論だろうがゲームオーバーになる行為が非常に多い。おそらくノーヒントで一度もゲームオーバーにならなかった人は少ないと思う。一度でもゲームオーバーになるかならないかでエンディングが変わるのというのは極悪だが、選択肢を適当に選んでもただやり直しになるだけのAVGよりいい。

BAD/REQUEST

・ストーリー
中盤までは偶然居合わせた宿泊客達がひとつの線で繋がりワクワクする展開だったが…後半で超失速。そしてエンディングを迎えたあとは「は？これで終わり？？」と言わざるを得なかった。ラストでは今回の事件の鍵を握る人物を追い詰めるシーンがあるが、翌朝には平然と生活し、平然と主人公と話す姿に大きな違和感を感じた。中盤で何か大きな事件でも起これば違ったかもしれないが、ラストがやや盛り上がる以外は常に淡々としてたのも残念。2周目も細かい変化しかないので、文章を飛ばし読みのただの作業だった。

・人物名や人間関係が覚えづらい
登場人物とそれぞれの繋がりがややこしく、当然名前が外国人の為やはり覚えづらくて混乱することもしばしば。10年前など過去の出来事や過去の回想のみで登場する人物(名前だけで顔は出ないので尚更)も加わるので、更に難解だった。年表や人物相関図があっても良かったかも。

・なんでもかんでも遅い
部屋まで移動して話を聞く場合、目的の部屋まで移動(これが遅い)→ドアをタッチ→ドアノブをタッチorドアをノック→部屋内を移動(これが更に遅い)…で、やっと。その機会が最も多いゲームなので途中で嫌になる。また、文章表示も非常に遅い。ゲームオーバー後に一度見た文章はタッチしっぱなしで早くなるが、標準がそのスピードで良かった。

・難易度
ここは一長一短だがやや難易度が高いかも。フラグが完全にひとつづつ順番にしか立たないのでドツボにハマる時はハマる可能性アリ。次にする事が明確ではない場合も多数あり、明確の場合でも具体的なヒントがないのも辛い。最近では珍しく次にするべき事の表示や、「○○が××の状態なので、□□する為に△△が必要」などの説明もない一切ない場面もあるので発想力も必要。(カセットテープのくだりは世代次第でかなり厳しいと思った。)また、クリアに不要なアイテムや、逆に最初は調べることしか出来ないアイテムが話が進むと入手できるようになったりするのも難易度を上げている。

COMMENT

今更DSのゲームをやり始めた自分にとってDSにこんな大人向けのゲームがあるとは知らなかったので驚いた。そして中盤までは「こんな名作があったのか！！」という気持ちだったのだが…終わって見たらなんとも中途半端なラストでガックリ…とはいえ及第点はクリアしてるゲームだと思った。ここ最近DSでゲーム性のないAVGばかりプレイしていたので、ストーリーとゲーム性のどちらも楽しめるゲームとしては良かった。続編も早々にプレイするつもりなので、色々改善されてることを願う。(不完全な終わりの解消も願う)
色んな意味で子供には向いてないゲームだが、DSでは数少ない完全大人向けゲームなので是非。「所詮DSだし…」と敬遠するにはもったいないゲームだと思う。