NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・山村美紗ファン向け
赤い霊柩車シリーズの明子など山村美紗原作でお馴染みのキャラクターを操って事件解決するのはファンにはたまらないだろう。(逆にそうでない人は各話の主人公に大きな差を感じなれないので注意)

・美麗なグラフィック
リアルな人物に背景、小物もキレイに描かれている。また、死体もグロくない程度にリアルに描かれているのも◎

・手軽
1話が2～3時間程度で終わるので非常に手軽。難易度も皆無なので、毎日少ししかプレイ出来ない人でも詰まったり、ストーリーを忘れる事もなくサクッと終わる。

・カットイン
推理パートで正解してカットインが入ると、ちょっと気持ちいい(笑)

BAD/REQUEST

・薄っぺらい脚本と演出
とにかく脚本がひどい。山村美紗氏はこれで満足なんだろうか。無駄に説明っぽいセリフや、「まさか!!○○さんが犯人だったなんて!!(ガーン)」なんて、下手糞でクサい演技に見えて仕方なかった。ちょっとしたことでいちいち「ガーン!!」などの演出も過剰で邪魔。「人物相関図!完!!成!!」の演出も救いようがない。

・ゲーム要素がある様で全く無し
移動は指定のタイミングで指定の場所にしか行けない、聞き込みは一度づつ聞いていくだけ(一度聞いた項目は文字の色が薄くなる)、など順番通りに進めて行くのみ。「どこに行けばいいのだろう？誰に聞けばいいのだろう？」などAVGらしく思考する事は全く一切なし。そしてこのシリーズの特徴の推理パートも間違った選択をしても選び直すだけでペナルティはゼロ。ゲームっぽく作ってるだけでゲーム要素は皆無と言っていい。

・伏線の見せ方が下手すぎ
3話共にあからさまな伏線のせいで真犯人がバレバレ。伏線は読み逃す程度にサラッとあればいいのに。しかもそれが真犯人とわかる重要な伏線なのでこれも救いようがない。例えばあるところで、手紙とメモの文字が特徴的で「同一人物の筆跡」と主人公が発言するというシーンがあるが、その発言のせいですべて台無し。そこは実際に手紙もメモもサラッと表示できるようにして、プレイヤーに気付かせるなど出来なかったものか。

・おまけがつまらない
スタンプラリークイズを楽しめるプレイヤーはなかなかいないと思う。(クリア特典があるのでプレイする価値はアリ)

COMMENT

うーん・・・このゲームの前に、同じくDSの「仮面幻影殺人事件」をプレイしたのだが・・・そのせいもあって、すべてが薄く見えてガッカリ。DS西村京太郎シリーズも同様だが(1のみプレイ済)3つの話を詰め込むとなるとどうしても各話のシナリオやトリック、動機なども薄くなってしまう。さらに各話が短すぎて登場人物どころか主人公にも感情移入する前に終わってしまう印象。「仮面幻影～」では直接事件に関係ない無駄な会話をダラダラ見せられる印象があったが、そのおかげでその人物のことが良くわかったのだと深く思った。話が短い為に容疑者も数人しかいないので犯人がすぐにわかってしまうのも×。グラフィックなど丁寧に描かれていたり、全体的に適当に作った
感じがしないゲームなのに、こんなに悪い所だらけのゲームも珍しいだろう。
山村美紗ファンはそれなりに楽しめるかもしれないが、そうでない人は他のAVGに時間を費やしましょう。