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GOOD!

逆転裁判、検事シリーズは全てクリア済みです。このソフトは３ＤＳでプレイしました。巧舟氏の原作脚本監督ということで、ストーリーに期待していました。最近値が下がって来たので購入しました。

オリジナリティを感じました。

殺人事件の直前に時間を蒔き戻し、ドミノ式の仕掛けを工作して状況を変え、被害者を死から救うという活動を繰り返して行くゲームです。難易度は非常に高く、時々詰まって攻略サイトを見なければ何時間も足止めを食らってしまうでしょう。プレイ時間は私は攻略サイトを２回頼りましたが、それでも２０時間以上かかりました。ただし、ゲームオーバーが存在しないので何回でもチャレンジできるので難しくてもいつかは進めます。

グラフィックはキャラの動きが滑らかで、隕石の落下とかも綺麗に見えました。３ＤＳになっても、ＤＳのソフトじゃないみたいな気がしました。

音楽も緊迫感がありなかなか良かったんじゃないでしょうか。

BAD/REQUEST

何回も時間を蒔き戻せ、ゲームオーバーも無いので、基本的に緊迫感がありません。普通に小説を読んでいる感じでした。詰まっていたドミノも、分かってみれば、「誰かが動くのを待つだけ」だったり、「目標のコアが隣のバルブだったが、特に意味は無い」みたいな好奇心を下げるようなことが多かったです。

なにより作者に期待していたのは、逆転裁判で見せてくれたストーリーや裁判の熱いドラマでした。確かに巧節は健在で、「ああ、この人が作ったんだろうな」と思わせてはくれました。熱い展開もあり、前提の転覆などの盛りあがる要素もたくさん含んでいました。

でも、致命的な点がありました。ストーリーが複雑すぎてよく飲み込めないことでした。そのせいでいまいち感情移入しきれませんでした。今２回目を途中までやって、真相を知っている状態でのプレイをしています。キャラクターたちがいろんな表情をする訳ですが、話が飲み込めていないので入って行けませんでした。これは私に読解力がないせいかもしれませんが、子供向けにも、もう少し親切で詳しい説明があったら良かったと思いました。

キャラクターのタッチは人によって好みはあると思いますが、私はちょっと抽象化が強すぎたかな、もうちょっとリアルに近かったらもっと情が湧いたかな、と思います。

自由度はありません。一本調子で進んでいくゲームです。

COMMENT

ストーリーが複雑過ぎてよく分からなかったので、単純にドミノを完成させるゲームとしてクリアしてしまいました。今、一生懸命２回目や攻略サイトを見ながらどういうことだったのかを把握しようとしているところです。巧さんは期待されて力み過ぎてしまったのかなという印象がありました。そもそも殺人事件は何件も何件も起こるわけで、それらをいちいち全部運命を変えていき、同時に「自分とは何者だったのか」を探して行くゲームです。事件を無いことにすると、状況がどうなり、自分について分かったことの把握も同時にしていかなければならないので、話がごちゃごちゃになります。ドミノも難しいしストーリーも難しいです。

これはプレイヤーを選ぶというか、「キミの正体」にそれほど関心が湧かない人は面白くないと思います。要は感情移入できるスイッチが入らなかった、だから読解力も落ちてしまった、というのが私の状態のような気がします。例えば「逆裁１の１話」だと、「親友を助ける、絶対に！」みたいな熱い思いがあったのですが、今作は「自分が何者か分からないんだけど…」「女の死体があそこにあるのは主義に反する…」というようなクールな動機です。その時点で感情移入出来ません。モチベーションが上がらないのです。

巧氏の特徴として前提の根底的転覆が、プレイヤーを驚かすという部分があると思います。そこはちゃんと踏襲されていたと思いますが、ストーリーが複雑すぎてせっかくのアイディアが飲み込みきれませんでした。

それに「ゴースト・トリック」は必ずしも「刑事もの」である必要は無かったと思います。逆裁で「刑事もの」はさんざんやったので、別の私立探偵とか一般人、教養ある立場の人間が主人公でも良かったのではないかと思います（厳密には主人公は警察では無いようですが、本作は普通のサスペンスによくある警察が捜査しているもので、中心的キャラも警察関係者です。）。例えば作家だとか、学者だとか、医者、政治家、弁護士が主人公や犯人で、高度な工作を用いていて、その難しさを暴くというのでも良かったような気がします。とにかく新鮮味が欲しかったです。見たところキャラは全員外国の雰囲気であり、日本では無いので、「銃規制」にこだわる必要もないはずです。だから「刑事もの」である必要がありません。完全に警察組織から独立した物語でも新鮮味があって良かったのではないか、と思います。それが「ゴースト・トリック」に私が当初期待していたことです。警察に頼らない解決が欲しかったです。

でも蓋を開けてみれば、よくある警察関係のサスペンス劇場と言った感じでした。それは昼ドラを見ているのとたいして変わらない感じでした。当初期待していた、「新しい何か」では無かった、と思います。ゴースト・「トリック」と言うけれども、ドミノの操作だけであって知的な策略という感じではありません。手品によくあるような、心理操作的な騙しとか、見せかけによってターゲットを騙すというタイプの作業ではありませんでした。「トリック」と「トリツク」をかけたダジャレなだけだと思いました。ということは、これは「トリツク」であり「トリック」ではないのではないかと思いました。「トリック」なら犯人を何らかの方法で騙して、行動を変えるという作業をしてほしかったです。それが単なるドミノの仕掛けによって物理的な邪魔をするという形になっています。ゴーストの働きで犯人の精神的認識が変わる訳ではありません。

私ははっきり言って「ドミノ」に興味はありませんでした。タイトルで期待させられて、無理やり「ドミノ」をやらされた感じです。

ストーリーがもう少し分かればちょっとは価値があったのでは、と思いますが、今のところあんまり面白くないし、２周目をやることもあまりモチベーションが上がりません。