NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・ストーリー

一つ一つの話や、全体の流れに思わず引き込まれた。
逆転裁判1?3と比べても遜色ない出来栄えであると感じられた。
旧作キャラの登場も無理がなく、人間的な長所を活かした登場であったと言える。
またADVで20?30時間と非常にボリュームがあり、スタッフの気合いが伝わってくる。
正直言って前作においては派生レベルを出ていなかったと感じたが、
今作で「逆転検事」シリーズとして独り立ちした感がある。
今後の展開に期待したくなるストーリーだった。


・キャラ

私は、RPGやADVではかなりキャラ造形の「人間性」を重視する方である。
そこで人間的に「好感の持てるキャラ」や「共感出来るキャラ」が大切だと私は考えているが、
本作では、特に「いちやなぎ君」のキャラ造形を評価したい。
「真実」に気づいてからの彼の行動は、本作において光を放っている。
彼の成長は、今後のシリーズを通じて是非見てみたいと思わされるものだった。
キャラ作りは難産だったということだが、スタッフの頑張りを称賛したい。
また、シモン君に対しても「復讐」に対する彼の考え方に共感できた。
人間性の描写に関して、前作に比べて格段にレベルが上がっていると感じられた。


・システム、音楽

基本的な部分は完成されているので、大きな変化は無いが安定している。
地味に操作しやすさが改良されているのも好印象。
シンプルなシステムはとっつきやすく、ゲームとして優秀。
変に凝りだすとただ面倒くさいだけになるので、科学捜査などもこれで良いと思う。
ロジックチェスは、個人的にこういうシステムは好み。
サイコロックに相当するものとしてはこちらのほうが性に合っていると感じた。
音楽についても同様である。
特に物凄く旋律にインパクトがあったというのは無いが、良いBGMが揃っている。

BAD/REQUEST

・ストーリー
しっかり構成されているのだが、若干詰め込み過ぎという印象は受けた。
関連する過去の事件は、三つは多かったのではないだろうか。
テンポは評価出来るのだが、駆け足が多かったと感じられた。

・キャラ

ここではキャラ描写に関し、個人的な思いを述べてみたい。
もちろん、あくまでも個人的な感想である事をお断りしておく。

まず、美雲に関してはより深く掘り下げて欲しい。
正直、現時点では人間的な魅力が劣る感がある。
もちろん悪い子ではないことは分かるし、決定的にダメなわけではないが。
ただ、御剣は彼女を信頼しているが、彼女は御剣を完全に頼ってはいないのでは？
御剣が「私を信じろ」といっても、彼女は最後まで信じきることが出来なかった。
そして御剣があれだけ彼女を必死に支えたのにかかわらず、「ありがとぉー！」で終わり。
若干、パートナーとするには人間的に浅い気がしてならない。
より御剣とのキズナを強固にするエピソードが必要と強く感じている。

次に信楽についてだが、すごくもったいないキャラだと感じた。
スタッフは「こうありたいオジサン」キャラだと言っていたし悪くはないが、
私には「結局何もしていない」と思えてしまう描写だった。
師匠キャラのポジションであれば、もっともっと御剣のピンチを余裕で救うぐらいの描写が必要ではないだろうか？
本人は「一流弁護士」「ビンワン弁護士」と軽口をいうが、描写からは未熟さが見てとれる。
また、御剣信にこだわりすぎてウラギリを許せない度量の狭さが透けて見える。
余裕があるふりをして、余裕がない。度量があるふりをして、度量が無い。
人間性で言ったら御剣よりも格下と感じてしまうのは問題だろう。
信の下にいる若い時の方が可能性を感じた。

COMMENT

逆転裁判シリーズは全てプレイ済みである。
1?3で感銘を受け、4は駄作、検事1は凡作であると感じていた。

今作は、非常にスタッフの努力が感じられ、それが良い方に向いた良作と感じた。
ゲームとして練られており完成度が高く、致命的な落ち度は見受けられない。
逆転裁判4でシリーズに幻滅して検事で希望を抱いた身としては、今作の出来は嬉しい。
「逆転検事」シリーズとして一本立ち出来るめどが立ったのではないかと思われる。
裁判5が難航する今、是非キャラやストーリーを強化しつつ継続して欲しい。