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GOOD!

・何をおいても「マジックマスター」
このゲームは開封前が一番楽しかった。（ゲーム自体を否定してるわけではない）
まずＰＣゲームかのようなでかいパッケージ。
主人公のオリバー君が書かれているけども、実はこれは本でいう「帯」のようなもの。
剥がすと魔法騎士レイアース（例えが古い）を思わせるちょっとかっこいい外箱となっていた。
中にはマジックマスターと、ゲーム。（＋索引カード）

このマジックマスターが凄い。
表面はすべすべでしっかりした作りでありながら、
背表紙は如何にも古い本！といったかすれたような装飾になっていて
図書館の文学全集の棚に置いても違和感がない雰囲気がある。
中も酸化して変色したような色に印刷されていて、雰囲気はバツグン。
内容は、イマージェン図鑑、道具図鑑や世界観・説明書を兼ねた部分となっている。
一部クエストやほんの一部ストーリー上で参照したり、攻略本のような使い方ができる。

・グラフィック、音楽
音楽は久石譲なのでいわずもがな。イヤフォン推奨。
キャラクターグラフィックはまんまドラクエ９だが、
背景が一枚絵で場所によっては雲の影が流れていたり綺麗。

・サクサク進む
敵は弱めなのでサクサク倒せて、経験値が貯まるのも早い。
主人公はいわゆる魔法使いだけど、魔法の消費ＭＰが少ないので魔法を連発できる。
ダンジョン内には一度だけ使えるＨＰまたはＭＰ回復地点がいくつかと、
ボス前に全回復＋セーブまでできる場所が必ずあり徹底している。
イマージェンの捕獲もモンスターにもよるがそんなに苦労しない。

・コンプ要素
イマージェンのコンプ、隠し宝箱のコンプ、ダンジョンの達成率、クエストなど。
分量としては多い。

・ボリューム
探索とクエストを優先してエンディングまで４２時間かかった。
達成率は隠し宝箱９７パーセント、クエスト９２パーセント。
クリア後にもイベントがあって、まだ行っていない場所が、分かる範囲で３ヶ所、
覚えていない魔法が１５個ある。（魔法はレベルではなくイベントで覚える）
まだしばらく遊べそう。

BAD/REQUEST

・ギミック（仕掛け・謎解き）
一番の問題点はギミックが少なすぎる事。
この部分は声を大にして言いたいほどの不満がある。

植物が育つ「マッハ栽培」や炎を灯す「ファイアボール」など様々な魔法があるが、あらかじめ決められた場所でしか使えない。
そのため、あそこにこの魔法使ったらどうなるんだろう？という楽しみは皆無で、
実際一度使ってからクリアまで二度と使わない魔法も少なくない。
「一ノ国」と「二ノ国」を行き来することができるものの、両方を行ったり来たりして解く謎解きなどは皆無。
イベントで往来することはあるものの、「○○へ行け」の指示通りに動いてイベントを起こすだけ。
クリアまでに３往復のみで、あとはクエストで行く事がある程度。

・「マジックマスター」の活用度
実際、マジックマスターいらないんじゃないかと思ってしまう。
一部クエストで謎解きに使ったり、初めて会ったモンスターの弱点を調べるくらいには役に立つが、ストーリー本編での存在感は小さい。
魔法を使うためのルーン文字さえわかれば後は無くても大きな苦にならない程度だった。
個人的にもっと本編に食い込んでくるものだと思っていたのでショックだった。
どちらかというと、不正ダウンロード対策の為に使われている感じがする。

・マジコンの警告文
ゲームの起動時、データのロード時に警告文が出る。これがタッチで送らなければならないのでうっとおしい。
警告文出しても不正にDLする奴はする。それよりお金を出して買った人に失礼とは思わないの？と思う。

・序盤
最初３０分間
ムービー→移動→ムービー→移動
の繰り返しでダルかった。

・ジブリ監修？？
あまりジブリは関与してないように思える。
ムービーに関していうとジブリ製のアニメは片手で数えて余るかどうかという程度。
残りはドラクエのようなポリゴンによるムービー。
またふきだしに出るセリフも説明ゼリフが多く、ジブリの雰囲気はない。

・ストーリー
これといって優れた点はない。
特に主人公は正義感が強い、いわゆる良い子で、母親を亡くしたのに弱さを見せない。
全く感情移入できないし、ご都合主義の感がある。

・冒険っぽくない
世界が非常に狭い。箱庭という感じで冒険感は少ない。
さらに「次は○○へ行こう」と矢印で行き先を指定されるのでそんなにわくわくしない。

COMMENT

ゲーム性はＤＱＭ寄りのドラクエ５（移動などはイナズマイレブン）という感じ。

悪い点にいろいろ書いたが、あくまで発売延期前から待ち続けた期待感が比較対象になっていることも否めない。
ゲーム自体はノウハウが詰まっていて、「ソツがない」という言葉が一番しっくりくる。
「暇つぶしに何かゲームしたい」「難しいゲームは苦手だ」という人にとっては結構良作になるかもしれない。

逆に言うと「ノウハウだけ」。これといって目新しい仕掛けやゲーム性はないのでオリジナリティは低い。
なので「仕掛けや謎解き好き」「マジックマスターやニノ国がゲームにどう関わるか関心がある」といった人の場合、地雷になる可能性は高い。
マジックマスター目当てに欲しいという場合、謎解きが少ない事を肝に命じた上で購入した方がいい。
とにかく、マジックマスターはなかなかの良い出来だ。