NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

本作の最大の長所は、細かな設定に裏打ちされた世界観にあると思います。
登場人物は主役やその周囲のキャラクターはもちろんのこと、各地で受けられるクエスト（依頼）にちょっとだけ顔を出すような脇役・チョイ役一人一人に至るまでしっかりと個性付けがされたキャラクターが宮崎アニメのような暖かな舞台描写と相まって、非常に生き生きとした世界を演出しています。
構想十年分詰め込まれた愛が、作品全編を通してにじみ出てるのをひしひし感じますね。

難易度はやや低めなのも、柔らかな世界観に抵触せずGood。

後は…やっぱりキャラクターデザインでしょうか。
登場人物の九割は、いわゆるケモノ（動物の擬人化）キャラであり
その手の物が好きなケモナーさんにはたまらないと思います。
なかなかケモノオンリー（に近い）ゲームってありませんから…。
どのキャラもキュートでたまりません。もふもふ。

BAD/REQUEST

この世界に製作者が愛が詰め込んだのはわかるけど…
その愛をもっとプレイヤーにもくださいというのが正直な感想。

まず思ったのが、操作性が非常に悪いということ。
ダッシュの操作がB二回押しで、Bは一回押しでジャンプになるため
ダッシュを出そうとしても時々ジャンプが暴発することがありストレスを感じました。
しかも闘技場でジャンプ禁止のルールが出たときに、ついでにダッシュも封じられるというオマケつき。
メニューをスタートに配置して、ダッシュをＸにすればマシじゃなかったかと。

他にも、空中を飛び回るフライヤーモードは最後までまともに動かすことが出来ませんでした。
空中に浮かんでから、発進するのに上昇/下降に使う上ボタンを押さなければいけないため
まっすぐ発進するのが仕様上不可能だったり、空中に浮かんでゆっくり上昇しているときに
何かにつっかえてもカメラの位置が悪くてわかりにくかったりしました。
更に全体的にボタンの連打を要求する場面が多かったのですが、携帯機でのボタン連打は
非常に辛いものがあり、正直押しっぱなしでよかったんじゃないかと思っています。

ロボの乗り降りについても、ストレスを感じる部分はありました。
というのも、落ちてるアイテムを拾ったりエレベーターのスイッチ操作のために
いちいちロボを降りなければならず、正直この手間は入らないと思いました。
ハシゴや水路でロボと主人公を切り離す、という発想はメリハリが効いてよかったので
惜しかったかな、と思います。

それと、ボイスの使い方が非常に難ありだと思いました。
このゲームはフルボイスではなく、ところどころ掛け声のようなものが入るのですが
セリフに全く関係ない掛け声が何度も何度も入るので鬱陶しいです。
ＤＳだし、無理に声を入れなくてもよかったかな…と。

後は…強いて言えば、人間いらない。ケモノオンリーがよかった。

COMMENT

愛と時間をたっぷりかけて一つの素晴らしい世界を作り上げたけど
肝心のゲーム部分はどこにでもある凡作、というのがこのゲームの総評です。
正直な話、ゲームというより小説や漫画にしたほうがよかったんじゃ…とも思ってしまいます。

もう少し安ければよかったんですが…定価ほどの価値があったかと聞かれると、
ケモノを題材にしたというレアリティを差し引いても首を傾げます。
もっとプレイアビリティが高かったら良作だと思ったのですが…。