NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・DSで本格的に音作り・作曲を楽しめる。作曲出来るDSソフト自体は「大合奏バンドブラザース」を始めとして任天堂が既に販売しているが、音色は用意されたプリセットのパラメーターをほんの少しいじるだけであくまで音作りから作曲できるソフトは今までに無かった。

・シンセ２台＋ドラムパート４つ、モノフォニックだが基本仕様は一通り揃っている。エフェクターやミキサー等現在のDTMで当たり前の機能も当時を考えると随分安上がりで手軽になった。ツマミの数値が無いなど、一見欠点に思える要素もアナログシンセに対するこだわりといえる。

・DSは２箇所の同時タッチ操作に対応していないため、２つのパラメーターを同時に変化できないように思えるが、そこは直感的な操作のカオスパッドを使用することで解決している。カオスパッドは自分で変更する箇所を設定できる他に、スケールを選んで自動的に音を鳴らすことも出来る。作曲経験が無い人もつまみをデタラメに回し、カオスパッドで適当にいじるだけでも楽しむことが出来る。勿論カオスパッド操作をパターン毎にレコーディングすることも可能。

・Plusの追加機能としてソング面が強化され、ソング中のパラメーターの変更とミュート設定が可能に。またDSiの高速CPU機能を使用したDUALモードで最高１２トラックを扱えるようになっている。

BAD/REQUEST

・使っていると色々と実現して欲しいことが増えてくる。エフェクターを音色ごとに設定できるようにして欲しかったり、ループ再生の範囲を１パターンだけでなく数パターン指定できるようにしたり。

・MIDI入出力も無く完全なスタンドアロンで、作った曲はアナログ録音することになる。

・DTMやアナログシンセの知識が無くても楽しめるが、本格的な作曲作りをするためにはある程度の知識が無いと厳しい（説明書にも詳しい解説など省かれている）。また充実したDTM環境に恵まれている人にとっても多少不便を感じてしまうかも。

・Limited Editionにはサンプル２曲の他、特別にRYDEENを収録しているが、中途半端感が否めない。確かに再現度は高いものの、サンプル２曲の方がDS-10の魅力を伝えるのに適していると思った。付録のマガジンもどちらかといえば初心者?中級者向け。

COMMENT

数少ないDSの音楽製作ツールの中では一番オススメ。製作者のMS-10（とMS-20）に対する愛情とこだわりが伝わってくる、良く練られた作品。
音質の面で限界は否めないが、音色の幅はかなり広く、今でも驚かされるような音を作れたり聞いたりしているので、様々な可能性を考えて音楽は満点をつけたい。
「これが欲しかった」など手の届かないところはあるが、元がシンセなので決して飽きは来ない。プレイすればするだけ味が出てくる。
iPhoneアプリでこの手のツールが多く登場していながら、DS-10をメインに使用したイベントが行われ様々な人に愛されているのも、この完成度ならば十分納得できる。
初心者には敷居が高いと思われるが、これをきっかけにアナログシンセを勉強するのもアリだと思う。DS-10だけの知識ではなく、シンセ全般で知識が生かせるので。