NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

　一回遊んだら終わり、というアドベンチャーの常識を覆した点。繰り返しプレイ前提という発想は斬新だと思う。また前回のプレーの結末を見て「次回はこっちの選択肢かな」と推測できるような流れがあり、それに逆らわずにプレーしていたら６回目でベストエンド＆全てのエンディングコンプとなり非常に気持ち良かった。予告編の使い方も巧い。


　脱出パート。脱出系ゲームを全く遊んだ事が無かった事もあり、かなりハマった。


　ヒロインが魅力的でかわいい。

BAD/REQUEST

　・世界観にハマれなかった。
　　
　謎の人物が主催する謎のゲーム。こういう設定は大前提さえ咀嚼できれば作り手にとっては作りやすくなり、またプレイヤーも楽しめると思う。だが現実には大金と手間暇かけてこんな事する奴などいないわけで「まあ所詮は作り話だよな」と思いながらのプレーになった。似たような作品にカイジなどがあるが、カイジを読みながら「こんな暇な事する奴いないよな」と思うような人は私同様に作品世界にのめりこめない可能性があると思う。どっぷり世界観にハマった「４２８」とそこが大きく異なる点。


　・２周目以降の脱出パートに工夫がない。

　あまりにもサクサク解ける難易度だったので「こりゃ２周目に歯応えが増すパターンか」と思いきや全くそのまま。正解がわかっているので時間はかからないものの、やはり同じ事を何度もさせられるのは苦痛だった。


　・グロテスクな音。

　グロテスクなシーンに関してはＤＳらしく「そのもの」は描く事無く、血の赤とあとは文章と音で表現されていた。が、『靴が何かぬるぐちゃしたものを踏む音』が非常に気持ち悪くてイヤだった。あとバッドエンドが血の雨になってしまうのもげんなり。


　・ヒロイン以外のキャラ絵。

　ヒロインだけ妙に作画に力が入っているのはいいが、ほかのキャラの絵が手抜きっぽく感じた。八代の服装が浮いていて馴染めなかった。


　・ストーリーに強引な部分あり。

　ネズミの実験など作品中に語られるさまざまな話については「へえ?不思議な事もあるもんだな」とは思ったが正直その手の話は信じていないので、それがストーリーに密接に絡みだすとちょっと「なんだかな?」という気持ちになってしまった。

　ある人物のかなりレアな病気についても強引さを感じてしまった。


　・一気に盛り下がる。

　ベストエンディングに至るクライマックスシーンでなんであのパズル！？膝から崩れ落ちるような脱力感で一気に盛り下がってしまった。ほかにもどこかで見たようなパズルが使われていた。

COMMENT

　新たな可能性を示したという点では評価できるだけに２周目以降の工夫の無さは残念。アドベンチャーゲームの進化の過渡期にある作品として今後に期待。


　全ての謎が解き明かされた訳ではないが、なんとなくこの世界観を引き継いだ続編が出るような気がするので、あまり気にはならなかった。


　作品自体は及第点以上かと。２周目以降は作業感が増すけど、先が気になるのでイヤになって投げ出すという事はありません。４２８をまだプレーしてない人はこっちから先にやったほうがいいかも。