NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・ストーリー
ストーリーの大筋は悪の魔女に攫われた王子を主人公が助け出す、というある意味王道のお話だが、愛や家族をテーマにした物語は感動あり、笑いあり、時に悲劇ありと飽きさせず充分に楽しませて頂いた。ストーリー自体も本編７?８時間程度、後述のシェリー編２時間程度と短くまとまっているため、忙しい方でも時間を取られることなく楽しめるのもまた魅力。
また「天使のプレゼント マール王国物語」所収の「外伝 母を訪ねて」（丁度本編４章と５章の間に追加される。もちろんエリーは本編でも使用可能）と「天使のプレゼント」（本編クリア後にオープン。コルネットの母・シェリーを主人公にした前日談）も所収されているので、原作の「アレンジ版」として見ても楽しめ、また感動できる。
・音楽
そのストーリーに彩りを添える音楽の存在もまた白眉で、ミュージカルシーンは声優の歌声も上手く嵌っており、時に感動し時に笑うことも多かった。

BAD/REQUEST

・人形の使用率格差について
様々な人形がコルネットの仲間に加わるが、加わる頃にはコルネットのレベルに対して新しく加わった人形のレベルが低すぎて使えず、そのまま２軍行きになり永遠に使われない人形も多かったことはマイナスだった。
本編だとクルル・シャルテ・コロ（早めに加えればレベルが高いので即戦力）・エリー（クルルが抜けた後はその後の穴を埋める）、シェリー編だとナイトスポーノ・レジェム・成竜フレール位しか使わず、大半の人形が２軍行きだったのだし。
せめてレベルがコルネットのレベルに準じて上がった状態で仲間に加わってくれればまだ使われたのではなかろうか？
・移植にあたり変化した部分や変わっていない所とか
戦闘システムがシミュレーション形式からコマンドバトル形式になったため、レベルの高い人形を１軍にしたほうが楽に戦え人形の個性が失われたことや、「使い回しが多い」と酷評されたダンジョンの構造が変わっていないこと（それでも上画面にＭＡＰが表示されるので迷いにくくなった）、イベント時のＣＶがなくなり寂しい印象を受けることなど、原作から変化した（あるいは変わってない）部分が気になる人には不満に映るかと。
また説明書もいろいろと誤記が多いので（削られた要素についても可能なように書かれているため）、攻略サイトを見て説明書の間違いを確認しなければ無用な混乱をしかねない、という点もマイナスか。

COMMENT

今では店によっては新品が1000円未満で買えるので（ちなみに俺の購入時の価格は新品780円。2006年から配信されているゲームアーカイブス版「マール王国の人形姫」をダウンロードするのと価格もさほど変わらない）、安くて楽しめるゲームを探している人、PSPは持っていてもゲームアーカイブスをダウンロードできる環境がない人（またはダウンロードする容量を節約できるところでしたい人）などはこのチャンスに購入してみるのも一つの手だろう。
最も原作に忠実な作品を求めるならゲームアーカイブス版をダウンロードするのも選択なので、そのあたりはプレイヤーの判断にお任せするが、少なくともプレイして損はしない作品ということは確かだ。