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GOOD!

・「怪人二十面相」のゲーム化であるところ
江戸川乱歩が「子供向けの推理小説」として書いた「少年探偵団」シリーズの一つ、「怪人二十面相」を忠実にゲーム化している点は、読書の苦手な子供には需要はあるかと。
宿敵となる怪人二十面相自身変装や劇場犯罪は行えど、人の殺害は行わないのだし（原作の後のシリーズでは明智小五郎や小林少年を殺害しようとしたが）、「少年探偵が殺人事件にゲーム感覚で挑む」ような作品に辟易している方にもその点はありがたい。

BAD/REQUEST

・推理物としての難易度とボリューム
基本総当りで話を聞き、手がかり（重要なキーワードは親切に赤文字で表示されているため見逃すことはほとんどあるまい）を集めていけば自動的にパズルのピースは埋まり、選択肢にしても例え間違えてもペナルティもゲームオーバーもないため、「本格的な推理物」を期待するプレイヤーにとっては肩透かしを食らうかと。
また本編を全部解いて2時間程度、おまけの「明智事件録」を全問解いたとしても3時間程度しか掛からないボリュームの少なさは、人によっては物足りなく感じるかもしれない。

COMMENT

有名な作品が原作とは言えど、自分から能動的に推理する要素のなさや総合的なボリューム不足などマイナスの要素が多いため、2000円以上で買うと損をする作品、という感は否めない。せめて無理にゲーム要素を入れずとも、単純に読むだけの作品にしてもう一編収録した方がまだボリュームという点で元が取れた気もするのだが。
1000円程度で売っていた際に、読書の苦手な子供や「怪人二十面相」を読んだ事のない人が「話の種」で買うスタンスが一番損をしないだろう。