NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

○グラフィックス

背景が実に美しく、ドラクエらしい温かみを損なっていないので、高く評価したいです。戦闘中のエフェクトも、かなり頑張っていると思います。ただ、メインキャラは３Ｄで町の人々は２Ｄなので、イベントでキャラがアップになるときに、少しちぐはぐな感じがして違和感を覚えました。

・着せ替えシステム。ワイルドなもの、重厚なもの、優美なもの、コミカルなもの…など、様々な武器・防具が揃っていて、装備を変更するたびにグラフィックに反映されます。おかげで、新しい武器・防具を入手する楽しみが増えました。さらに「性能無視、見た目重視」で装備を選ぶという選択肢もできました。

以上の点を鑑み、グラフィックには４をつけます。

○音楽

フィールド上の曲と通常戦闘の曲に、若干不満があります。でも全体的に見れば秀逸なので、４とします。（私のお気に入りは、天使界の曲、町の曲、ラスボス戦の曲です）。

○オリジナリティ及び熱中度

・この作品のオリジナリティは、何といってもWi-Fiショッピングやすれ違い通信でしょう。Wi-Fiショッピングを毎日チェックするのが楽しみです。すれ違い通信のおかげで、自力ではなかなか入手できない宝の地図をもらうことができ、本当に助かります。例え地図がもらえなくても、すれ違い通信でリッカの宿屋の来客数が増えるだけで嬉しいです。すれ違い通信は、携帯ゲーム機ならではの魅力です。

・本編クリア後も楽しみが尽きないこと。クリア後限定のクエストや数多の宝の洞窟があるため、本編をクリアしただけでは、とても遊び尽くしたとは言えません。クリア後は歴代魔王に挑むもよし、より希少価値の高い宝を求めて宝の洞窟に潜るもよし、クリア後限定のクエストに挑戦するもよし。本編クリア後にプレイヤーを待っているのは、まさに終わりなき旅。長く遊べる工夫がされていると思います。本編をクリアした今、私は毎日宝の洞窟に潜っています。毎回、違うダンジョンに挑戦できるので、飽きが来ません。もっとも、クリア後の洞窟探検やレアアイテム探しでは「地道なプレイ」と「忍耐力」が要求されます。「地道なプレイ」を面白いと感じるかどうかで、本編クリア後の評価は分かれそうです。

・キャラクターメイキング。キャラクターの髪型や体型や顔を考えるだけでも、ワクワクしました。それから、名前の最大入力文字数が５文字になったことで、名前入力が一層楽しくなりました。

・転職システム。キャラメイキングだけでなく、キャラ育成の面でも自由度が高いです。キャラの育成計画を練るのも、ドラクエ９最大の楽しみだと思います。特筆すべき点は「まったく使えない職業」が一つもないことです。基本職も上級職も、それぞれ長所・短所がはっきりしているので、状況に応じて色々な職業を使い分けたくなります。

・仲間が個性を持たず喋らないこと。おかげで各プレイヤーが自由に想像を巡らし、作中の登場人物になりきれます。（そして、没入度が自ずと高まります）。「やらされてる感」や「押し付けがましさ」も感じずに済みます。私に言わせれば、これぞＲＰＧです。

以上の点を鑑みて、オリジナリティと熱中度は５とします。

その他の美点

・ストーリー。軸となるのは、毎度お馴染み「世界救済を目指す主人公の冒険」です。今回はハードがDSであるせいか、長さも短めです。でも、旅の途中で経験するサイドストーリーが充実しているので、内容希薄で陳腐という印象は受けません。サイドストーリーには、切ないものや心を打つもの、思わず共感してしまうものも多いです。主人公が天使という設定も、今までにない魅力です。（天使と悪魔のネタといい、雰囲気といい私好みです）。

・錬金釜使用の際、アイテム完成まで時間がかからなくなったこと。（例えば上やくそう９個、つきのめぐみ５個といった風に）まとめてアイテムを作成できるようになったこと。

・中断ができること。

・メタル系モンスターが以前よりも逃げにくいこと。

・難易度は丁度いいくらいだと思います。それから、システム全体が従来通りとっつきやす点にも好感持てます。

○満足度

BADの項で挙げるような欠点や不満がありますが、それでも５をつけずにいられません。上記の通り、お楽しみ要素の量が半端でなく、いつプレイを止めたらいいのか分からないからです。値段以上の価値があると思えることも、満足度５の理由です。

BAD/REQUEST

・天の箱舟が操作しにくいです。しかも移動スピードが、思いのほか遅いようです。

・一部のクエストをクリアする条件が厳しすぎて、七面倒なこと。

・一部のクエストではクリア条件が厳しい割に、報酬がお粗末であること。

・携行できる宝の地図が99枚に限定されていること。せっかく手に入れた地図を捨てるのは余りに勿体ないので、宝の地図を保管できる場所が欲しいです。

・運任せの「錬金大成功」。今回は最強の武器・防具を手に入れるには、錬金で「大成功」する必要がありますが、この「大成功」の確率が非常に低いのです。失敗した場合は、また素材集めからやり直さなくてはなりません。最強の武器・防具を作るための素材は入手確率が非常に低く、集めるのだけでも一苦労です。だから「錬金大成功」のような意地悪いシステムは勘弁してほしいです。

・一部のモンスターが、しつこく追尾してくること。

以上の点を鑑み、快適さは少し厳しく評価し３とします。

その他の欠点

・カジノがないので、人によっては寄り道の楽しさが減ったと思えるかもしれません。（私は余りカジノをやらないので、さほど気になりませんでしたが）。

・キャラメイキングで選べる髪型、体型、顔の種類は、もっと増やしてほしかったです。

・ルイーダの酒場で登録できるキャラが、意外と少ないような気がします。

・一部の装備品が現代的すぎること。この点は好みが分かれそうです。

・ガングロ妖精の口調、服装。中世ヨーロッパ風ファンタジーの世界に、上手く溶け込めていないような気がします。人によっては、この点が大きなマイナスポイントになるでしょう。（個人的には、彼女にも意外と憎めない面があると思いますが）。

・勇者という職業とデイン系魔法がないこと。

COMMENT

　ＤＳで発売されたドラクエ９は果たしてどんな作品になったのか、正直言って不安でした。でも、プレイし始めたら、たちまち虜になってしまいました。いつまでも変わらぬ良さが受け継がれると同時に、新しい挑戦も忘れない…ドラクエ９は、そんな作品だと思います。
　私は３でドラクエの世界に入り、以来、ドラクエ４、５、７、８をプレイしてきました。どの作品にも欠点があり、「ここをもう少し何とかしてほしい」と思うことも多かったです。それでも、私はドラクエから離れられませんでした。何と言ったらいいのか…ドラクエには私の心を捕らえて離さない、不思議な魔力があるようです。そして、その魔力は今作でも健在でした。ドラクエ９との出会いで、私のゲーム人生は、さらに豊かになりました。
　ドラクエ９は私の中では間違いなく秀作です。とはいえ、この作品が肌に合わない人もいるでしょう。

ドラクエ９に不向きなのは…

・高画質のゲームが好きな人
・長大なストーリーや細部まで作り込まれた世界観を求める人
・キャラ像があらかじめ出来上がっていないと、感情移入できない人
・マニア向けゲームを求める人

逆に、こんなタイプの人には是非、プレイしてほしいです。

・どこでも手軽にプレイできるRPGを求める人
・キャラ像を与えられるよりも、自分で想像して作り上げたい人
・地道なプレイが苦にならない人
・ひたすらダンジョンに潜るのが好きな人
・通信機能を活用して楽しみたい人
・シンプルでとっつきやすいシステムのRPGを求める人