NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・難易度及びプレイ時間
一応リズムゲームもどきのミニゲームなどはあるが、難易度は低めなのでそうそう失敗することはないだろう（タッチペンを使うとはいえ、同タイプのリズムゲームほど難しくはないのだし）。仮に失敗したとしても即コンティニューができるため安心。
謎解き自体も目的地点に行けば自動的にイベントが発生したりするため迷うこと自体は少なめで、総合で5時間もかからずクリアできるため「忙しいけど何かゲームをプレイしたい」という人には最適かと。

BAD/REQUEST

・鬱的描写あれこれ
ファンシーなキャラクターデザインに反し、本来のプレイ層である子供や女の子には薦めにくいような鬱的描写が多かったのも気にかかった。
冒頭で主人公がオツキ神社にやってきたのもいじめを苦に首吊り自殺をするためであったりとか（その為のロープを引きずるムービーまである）、主人公が神楽町の情報を収集するのも裏サイトでありご丁寧に主人公の陰口まで書かれていたりとか、注目して欲しいため万引きをする子供やそれが発覚して呼ばれても「自分の地位」ばかり気にして子供を顧みない親とか、生徒になめられて学級崩壊状態を招く教師とか、PTAが見たら卒倒しそうな描写も多い。
ただでさえ今は自殺も子供だけの問題ではなく、大人にも波及していることもあるし、上に挙げた諸描写も現在社会問題となっている中でゲームという媒体で出したら、どう槍玉に挙げられることかは想像つくだろうに…。正直「12歳以上推奨」はあまりにもぬるく、「17歳以上推奨」にしないと子供には悪影響を及ぼしかねないと感じた。
・ストーリー
序盤の、主人公に取り憑いたツキビトの力を借りて人々の困りごとを解決する段階（大体4話まで）はそこそこ良かったのだが、中盤カガミの記憶を取り戻した頃からストーリーの雲行きは怪しくなり、肝試しの頃にこれまで会った事もないキャラが伏線無しで現れたことから超展開を見せる。
そのままあれよあれよという間に、町で暗躍するN結社がいきなり暴挙に出始め、それと共にあっという間にクライマックスに突入する流れには、まるで打ち切りが確定して無理矢理風呂敷を畳まざるを得なくなった漫画を読んでいるような錯覚すら覚えた。
そして思わせぶりに出てきたキャラは出番すらなく（パッケージにも登場しているのに肝心な所での出番さえない）、伏線だのについての説明はされることなくそのままエンディングを迎えるためプレイヤーを容赦なく置き去りにしているのだし。
ノベライズなり（公式サイトでのwebノベルなどの形も含む）何なりで語らないと物足りなさばかりを感じるような結末なので、満足度はそのため低く付けざるを得ない。
・快適さ
神楽町の中を探索していくときに、わざわざ一地点ごとに移動しなければならない（その為その間に容赦なくイベントと遭遇してテンポが悪くなる）システムは正直「面倒臭い」と感じた。中盤以降主人公の家のある1丁目から、学校や商店街のある4丁目を目指すシーンも多く、その度の移動も面倒臭かったのだし。
また画面の中で物を探したりするシーンも何度かあるのだが、その時にわかりやすいヒントも目印もなく（特に最初、主人公が首を吊る予定だったロープで首を吊っていたカガミを助けるときにハサミを探すシーンがあるのだが、その時の発見もノーヒントに近いのでここで「わからん」と投げ出す人は多いだろう。ちなみにハサミがあるのは石と棒の近くの草むらの中で、何度も調べ続けると取れる）、攻略サイトにも期待できない状況と重なって妙にこうしたシーンの難易度を上げていたのは確か。

COMMENT

かわいらしい絵柄から子供・女の子向けと思いがちだが、その年代がプレイするにはキツい鬱描写や、ストーリーの短さと伏線回収などを投げ出した終わり方が一種「トラウマ」になりかねない出来であり、どちらかというと大人のプレイヤーが1000?2000円台に値段が下がった頃に「話の種」レベルで買ったほうが良い気もする。
もう少し鬱展開を軽減し、その分をシナリオの伏線回収や快適さの向上に回した方が良かった気もするが。