NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

●オリジナリティ→3
・ドラクエ独特の言い回し
上記以外にもドラクエテイストのものはたくさんあるのですが中でもコレが印象的です。
「返事がないただのしかばねのようだ」とか。グラフィックが綺麗になってもこれらは健在。
地図を捨てるにしろ、「捨てました」とか「削除完了」とかでいいのに「主人公は地図をまるめて投げ捨てた！」とか描写が妙に細かいというかコダワリがあるというか。
その辺りがとても好きです。

・ナビ役のサンディ
批判意見も多い彼女ですが、私は好きですね。
DQでこういう見かけと言い回しのキャラを見る日が来るとは！結構新鮮でした。
時々素直すぎてひやひやする発言もあるのですが、そもそも人間じゃないから感覚が違うようだし（実際、人間の行動を不思議がるような台詞もある）それも楽しめました。
無駄にせんれき画面開いてメッセージ見てましたね。
一定期間彼女がいなくなるときがあるのですが、空っぽのせんれき画面は何とも寂しいものです。

●グラフィックス→4
装備品が見た目に反映されるのは楽しいですね。
特に後半、色んな装備品や錬金の材料が手元に集まってくるころになるとその楽しみは倍加します。
ひたすら能力的に強い装備を揃えるもよし、単純に色と形のカッコいい組み合わせで選ぶもよし、
職業イメージに合わせた格好にこだわるもよし。
あと、OPムービー、本編中ムービーは良いですね。
特にOPはさあ冒険の始まりだ！という感じでわくわくします。何度も繰り返し見てしまいました。

●音楽→4
さすがすぎやまこういちさん。すごく派手ではないけど、安心感があって良いですね。
今回はほのぼのした曲が多かったですね。
逆に天使や神関連の世界の曲はもの悲しくて、何か裏がありそうな、重い宿命を背負った世界だという感じがそれだけで伝わってきました。

●熱中度→3
・錬金釜
コレははまりますね?。素材を求めて無駄に世界中を探しまくってしまう（笑）。

・クエスト
特定のスキルを特定の条件でモンスターを倒す系のが結構やりがいありました。
自分でやったらまずそういうしばりを設けて戦ったりしませんからね。
スキルの使い方を覚えるにも良いと思いました。
あと、地味にすごいと思ったのは、依頼を断ったとき、引き受けたとき、依頼がいっぱいのときに引き受けたとき、でちゃんと依頼人ごとにメッセージが全部違うってことなんですよ。
「依頼がいっぱいなので引き受けられません」くらいでいいのに芸が細かいなあと。
それが聞きたいがために無駄に話しかけたりしてね。

・すれ違い通信
色んな格好色んなプロフィールの人がリッカの宿屋にやってきます。
皆さん思い思いにメッセージを入れてくれているのが楽しいですね。
宝の地図がもらえるのも嬉しかったのでどんどんすれ違ってました。

●快適さ→4
・ルーラがMP0って素晴らしい!!
・中断機能があるっていいですね。
・転職が楽々。レベル15くらいまでならあっという間にあがる+スキルポイントがたまる。
それをいろんな職業で使いまわせるのがいいですよね。
使える魔法が職業限定というのはちょっと残念ですが、ステータスの底上げスキルは転職後も消えないのは良い。
打たれ強い魔法使いというのも作れてしまう。

●難易度→2
思った以上に簡単でしたね。一番驚いたのがお金のたまりやすさ。
8のころは最初の町ですら相当頑張らないと店でまともに武器が買えないくらいだったと思うのですが。
あと、とある場所に一人で行かなくてはいけないとき、ルーラでいけたときには笑ってしまいました。
コレもセーブが1個しかないための救済処置でしょうか。

BAD/REQUEST

●満足感→2
・ストーリー
本編でのストーリーが穴だらけなのが最大の不満点です。
聞くところによると、クエストや宝の地図なんかで補完される部分もあるようですね。
もちろんこの時代ですから、ネットで真相に至る最短の手順を調べることもできるでしょうが、
そういう重要なことはプレイヤー全員の通過点である本編でやるべきでしょう。

・宝の地図
ちょっとやってみましたが、だだっぴろいだけで特にこれといって面白みがないダンジョンだなと思いました。
いくつか潜ってクリアもしてみましたがすぐに飽きてしまいました。
何十個も手元には集まってますが、クリアしたいとは到底思えないです。
BGMは懐かしいのでとても嬉しかったですね。

・セーブが1個
これを初めて知ったときには絶望的な気分になったものですが、意外と何とかなるもんですねえ。
しかし、いくつか印象的なエピソードがあっても簡単にふり返れないのはやはりマイナスです。
男主人公で始めたいと思っても、これまでやりこんだ分を全部0に戻して最初からやり直すしかない。
せめて2個はほしかったな。

・繰り返し訪れる場所なのに作業手順が煩雑
銀行のレナさん、毎回同じこと最初から言わなくても……。
しかも、あずけるのをやめて引き出そうと思うとまた最初から話しかけなおさないと駄目だし。
ダーマ神殿、何で毎回長い階段を昇らされるんだろうか。階段から行くのは最初の一回だけでいいんじゃないかな。

・音楽がない！
とある場所、夜になると全くBGMがありません。
お城と同じ曲が使われているためでしょうか？夜はお城に入れないので、夜専用の音楽がないんですよね。
ものすごい違和感がありましたね。

・世界地図で地名が表示されない
ミドルマップといえばいいのか、その地域に上陸すれば表示されるんですが、
船など世界全体のマップが表示されるときには、△や○でいける場所が示されるだけです。
そのため、素材集めのときなど地名を出されても、地図上での位置が把握できていないのでどこに行けばいいのかがわかりにくい。

・錬金レシピが使いにくい
装備品が多いのでレシピも膨大な数になるのですが、今持っている素材で出来るアイテムリストがないので一つ一つレシピを確認していくしかありません。

・空飛ぶ手段の操作性の悪さ
何で常時前に進んでるんでしょうか……。おかげで照準があわせにくく、地上に降りにくいです。

・Lボタン決定の中途半端さ
電車の中でつり革につかまりながらのプレイが多かったため、片手だけで操作がすむ「Lボタンで決定機能」にはよくお世話になりました。
しかし、使う状況によって決定できる項目に違いがあるのが面倒でしたね。
例えばバトルならただ戦うだけなら十字キーとLボタンで全部行動決定できますが、
教会だと「おいのりをする」はAボタン、「はい・いいえ」はLボタン、と分かれています。
どうせなら全部十字キーとLボタンで出来るようにしておいてくれても良かったのに。

・メニュー画面開いていても寄ってくる敵
これのおかげで気軽にマップ上で小休止できない。いつのまにか敵に囲まれていたりして落ち着かないですね。

COMMENT

ドラクエは3は家族がプレイしていたのを見ており、自分でクリアしたのは7、8、9です。

仲間キャラまである程度自由に作れるシステムは3を思い出します。
私は自分含め全て女性だけのパーティにしちゃいました（笑）。こういうことも出来るのが9の楽しいところですね。
ただ仲間というより完全に主人公の拡張スキル程度の扱いなのは不満でしたね。
仲間たちは人間のはずなのに天使や神の領域に普通に入れているのは何故？その辺一切説明なしです。
天使と人間の違いがシナリオ的に重要な所なのだから、その辺りの描写はいい加減にしないでほしかった。
そしてまたその天使と人間の関係も設定に穴が多い！
ストーリーを先に進めれば進めるほど細かい疑問点や矛盾点がどんどん出てくるし、解決することもない。
苦労してクリアしたわりに何だかやりきれない気分になるのは、始終ほぼ人間のあずかり知らないところで勝手に世界に危機が迫り、勝手に解決しているためでしょう。
人知れず世界を守る主人公ってのもカッコイイのは確かなんですが、何か一人だけで一生懸命踊ってるだけみたいで虚しくなってきますね。
EDも突き放されたというか放り出されたみたいな、あまり気分のいいものではなかったですし。

やりこみ要素の膨大さに目をくらまされがちですが、ふとふり返って見るとイマイチ心に残るものがない今作。
やりこみに挑むも挑まないもプレイヤーの自由のはずなのに、物語の核心を知りたいならプレイし続けなさい！という強引な姿勢には反発を覚えます。
私は「とりあえずDQだし、やっとくか」程度でプレイしたので相当楽しめましたが、昔からのファンでこだわりのある方には受け入れがたいところがあるのもわかります。
ドラクエ本編で守りに入らず色々新しいことに挑戦していることは評価しますが、もし外伝的な位置づけであったらこれほど叩かれなかったかもしれないと思うと複雑ですね。

次回作ではもっとストーリーを丁寧に書いてくれることを期待します！