NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

ルーラのMP0：
逆に、ここまでクリア後のお使いクエストや地図探しが多いと、いちいちMP消費していたら大きな不満要素になっていたが。

着せ替え：
ビジュアル的にも楽しめる点はとても評価したい。敢えて性能よりも見た目を重視した装備にしたりといったこともあった。ただ、能力重視だとやたらとかっこ悪くなることがあるのはマイナス。

転職：
気軽な転職が可能なのは良い。職業が変わると今まで覚えた魔法が使えなくなる等々については、適度な縛り要素として、頭を使って考える楽しさがあった。

戦闘：
シンボルエンカウントは良かった。特にクエスト処理、経験地をためたい、お金をためたい、、、目的に合わせてある程度敵を選り好みできる点は評価したい。アイテムを使用している最中等、気がついたら敵に接触していて強制戦闘、という点だけは何とかして欲しかった。

途中のストーリー：
ドラクエらしい、心温まるストーリーや会話の数々は健在。今回は少し、昼と夜で会話が変わらないキャラが多い気がしたが。

宝の地図や錬金：
すれ違い通信も含めて、クリア後のやりこみ、継続して楽しめる要素としては大きい。プレイ時間が二週目を始めることなく100時間近くなってきたが、筆者にとってこれは普通のRPGとしてはかなり珍しい。

BAD/REQUEST

ストーリー：
短すぎ、かつ最後に詰め込みすぎでさらに説明が不十分。ラスボス以外のボス系キャラは、いまいち存在感がない（ラスボスも、良いというわけでもない）。中ボス（？）はクリア後でさえ名前が思い出せないほど、ストーリー作りができていなかった。各個別に関わりのないお使い系ストーリーの繰り返しで、最後に唐突に本番が来た、という感覚。さらに、初回クリア時のラスボスに至っては、一体なぜこれがボスなのか（ネタバレっぽいので詳しく書きませんが）、背景説明が一つの説明の繰り返しばかりで雑すぎ、全然感情移入が出来ない。クリア後も未だに回収できていない複線が幾つかあって、ストーリーは多少続いていくような含みが残されているが、実質は地図探し、クエスト制覇の作業ばかり。その後の複線やストーリー制覇は（あるとしても）、今のところの感触では学校や会社に拘束されないユーザーがやり込まなければ出来ないのではないかとさえ感じる。

妖精：
あえて触れれば、黒妖精は完全にミスマッチ。序盤はストーリーにのめり込みそうになってきたところで、いつも良いタイミングで雰囲気をぶち壊しにしてくれた。さらには、非人道的な台詞まで出てきて、嫌悪感を感じる。後になるにつれて、製作側で会話ネタが無くなってきたのか、会話が普通になってくるのであまり気にならなくなる。いずれにしても、「せんれき」のページを開くのが鬱陶しくなる程に全体の世界観にそぐわない。

すれ違い通信：
筆者は地方在住?首都圏通いなので、すれ違いの多さがとても楽しかった。しかし、これは逆に地方在住メインの人たちにはあまりにも可哀想。「何処ですれ違えるの？」といった質問があちこちで飛び交っていた。特に宿屋の発展の条件としてすれ違いの多さが反映されるのは、完全に首都圏ユーザーだけを考えて地方ユーザーを無視した作り。さらに、宿屋呼び込みと地図交換は期間限定過ぎる。今ならまだ楽しめるが、もう半年後には下火になって一年後には中古でさえゲームをプレーして楽しめる要素が極端に減っているということではないか？完全に「発売から暫くの間のみ、しかも大都市在住者用期間限定ゲーム」になっている。

セーブが一つ：
子供が複数居る家庭等を無視しているのは酷い。すれ違い通信や期間限定のWifiショップもあわせて考えると、これはちゃんと楽しんでプレイしたければ、子供1人毎にDSとソフトを合わせて買えと言っているに等しい。

クエストの数々：
言わずもがなだが、延々と同じ作業を繰り返し続けるクエストは苦痛そのもの。こんな単純作業の苦痛クエストを100以上作りより、もっと他の点に労力を割いて欲しかった。

錬金：
最強装備およびそれに近いものは全て錬金というのも、クエスト同様に非常に苦痛。そもそも必要な素材を全てそろえて、装備を作る気力が湧いてこない。こんなに、余程の時間と労力をかけなければ手に入れられない装備を数々用意した事に、一体何の意味があるのか？手に入れるのがプレイ時間的に不可能に近いものもある。特定の超やりこみユーザーに絞られており、「万人が楽しめるドラクエ」からはかけ離れた仕様。

音楽：
過去の使い回しが多すぎる。ドラクエの音楽といえば、昔はNHK交響楽団で演奏されるほどのものであったのが、今回は印象に残らない音楽ばかり。少しでも耳に残っているのは天使界の音楽とリッカの宿屋のみ。

キャラメーク：
変に一部マニア向けパーツを狙ったのか（目、髪型等）、全く意図が分らないが、そんなものよりもっと一般的な選択肢を増やして欲しかった。結局のところ、無難に似たようなキャラに落ち着いてしまう。

主人公以外のキャラ：
空気過ぎる。着せ替えで辛うじて存在感が保てている。オープニング・ムービーは一体何だったのか？

レベルアップ：
お使い、作業系の行動が多いのに対し、レベルアップが遅い。さらに、Lvや職業による経験地補正がレベルアップをより困難にしている。純粋に疑問なのだが、レベルアップの経験値は少し設定を間違えてしまったのではないか？？？または、よっぽどのやりこみユーザーを対象に考えたのか？製作者に聞いてみたい。

グラフィック：
DSにしてみれば良い、という評価が多いが、筆者は所々で萎えた。特に、アップの時にキャラの手が真四角であったりする点、「作り物」感が否めなかった。これなら、逆にアップになどしなければ良い。さらに、モンスター・グラフィック（特に雑魚キャラ）の中には、「子供のお絵かき」レベルと感じるものもあった。

戦闘：
状態異常系の効果でテンポが悪すぎてストレスを感じることが多かった。こういう場合は絵的効果を一キャラずつ出さなくていいのではないか。

転職：
Goodのポイントと矛盾するかもしれないが、（プレイ時間としての）中盤以降、転職はLv１まで戻してさくさくとスキルポイントを稼ぐという目的での使用しかしなくなってくる。

COMMENT

非常に辛口です。しかし、「ドラクエ」の名を持たない「普通の新作RPG」として客観的に考えた場合、中から中の下程度の評価をしたい。いずれにしても、メインストーリーの内容の薄さと、それに反比例するように異常なやり込みを必要とする要素が多いことは、どのようなゲームであれマイナスと考えます。すれ違い通信がコンプリートの前提になっている点、またコンプリートは時間と忍耐力的に無理な話というのもおかしい。

また、異常なやりこみを必要するゲームデザインであると同時に、セーブデータが一つしかないことから、決してもう一度最初から二週目をプレイしようとは思わない。すれ違い通信の縛りもこの点大きい。もう暫くしてから、最初からやり直して、今と同じく地図が集まるか？呼び込みが出来るか？こう考えると、やはり「期間・プレイ地域限定ゲーム」としか思えない。

同時に、これら多々のマイナス点がありながらも、それなりには楽しめた作品。いずれにしてもその時々、販売された時代で可能な内容と言う事を考えると、今までプレイしてきた中で、最低ランクのドラクエと感じる。次回作では、今作の反省が活かされることを切に望みます。