NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

ハードがDSであり、お手軽にできるということを重視しているでしょうから、いろいろ言われているグラフィックは、これで十分だと思います。完璧をめざす理由はありません。音楽も、これまでのすぎやまワールドから外れていません。

また、戦闘システムのテンポが悪いと言われていますが、これぐらいが丁度良いのではないでしょうか？シンボルエンカウントによる調節を考えると、むしろこれまでよりうざったさは少ないです。

具体的な中身については、まず、転職システムが復活したことが良かったと思います。また、クエストの存在や、宝の地図による隠しダンジョンの要素も、的を得た面白さがあると思います。良い点は他の方とほぼ同意見です。

BAD/REQUEST

グラフィック、効果音については全く問題ないと思います。全体バランスがいいのですから、細かい点は全く気になりません。90点の物を100点まで求める必要は無いと思います。

私にとって、最大の問題は世界観、ストーリーでした。まず、ストーリーはお粗末でした。深さもないし、100~200字程度で十分に要約できます。

また、一貫した世界観を守ってもらいたかったです。それは、大きなものから小さなものまで全て含めてです。少なくともこれまでのドラクエ(特に6くらいまで)では、そうでした。そのため、今回のドラクエではファンタジーにのめり込む事ができず、感情移入もできませんでした。以下、ネタバレを防ぐため断片的に書きます。

大きなものとしては、途中から物語の核となる天使の話が出てくるのですが、どんな状態であれ何故人には見えないハズの天使が人間と生活しているのでしょうか？しかも完全な天使で。これを譲歩したとして、ある大きな出来事で羽や頭のわっかが無くなって半天使となった主人公の立場は？果実を食べたことで完全な天使に戻れたのは？それから、主人公の仲間である人間が、神の国や汽車等でなぜ天使である主人公と一緒に行動できるの？上級天使には逆らえないとして、ダンジョンの最後まで一緒に戦ってきた仲間が突然戦闘に参加できなくなるのはなぜ？天使は人間には見えないから？でも結局最後には仲間は戦えますよね？

基本的な世界観がぶれているからこそ、このようなわけのわからない状態になっているのだと思います。”神や天使が存在する世界”そのものに文句を言ってるわけではありません。一度立てた世界は矛盾がないように大切に守ってもらいたい、と感じました。

続いて、小さなもの（ストーリーには直接影響しないが）としては、サンディ（と店長）とEXILEの存在です。制作者の方は、ドラクエファンを愚弄しているのですか？例えるのならば、ロードオブザリングやハリーポッターの世界で、現代を彷彿させるガングロギャルやダンサーが乱入してきて主人公等と関わっている感じです。これらには具体性が含まれ、明らかに意図的なのですが、その意図が最後まで全くわかりませんでした。ドラクエに期待するものは、徹底したファンタジーです。それをぶち壊してまで、彼らを出現させる理屈は間違っています。ストーリーの完成度の低さをごまかすために彼らを出したのでしょうか。。

COMMENT

グラフィックや効果音の、細かい”どうでもいい”所に注目する必要はないと思います。全く気になりません。転職システムや、やりこみ要素も面白いです。ゲームバランスも悪くは無いと思います。上の下くらいです。マゾ的にやり込むことが好きな人にとっては、間違いなく良ゲーでしょう。

しかし、肝心のストーリーはちっぽけで本編は少なく、世界観に大きなぶれがあり矛盾だらけの今作には、決してファンタジーを期待してはいけません。そういった意味で、多くのドラクエファンの純粋なハートを裏切った作品だったと思います。制作者は、歴史のある”ドラクエ”という名前をもう少し大切にして下さい。お願いします。