NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

□着せ替えシステムの楽しさ
　装備品がグラフィックに反映される楽しさは今まで無かったもの。
　新しい武器、防具を入手するのがさらに楽しみになりました。

□戦闘のテンポ
　心配していましたがそれほど悪くも無かったです。
　ただ補助魔法のエフェクトの長さは少し気になりました。
　カメラがぐるぐる動き回るのも見ていて楽しかったです。

□シンボルエンカウント制
　賛否が分かれるかもしれませんが自分にはGood。
　ダンジョン内でのレベル上げも疲弊せずにプレイが進められるのには助かりました。
　またメタルスライムなどのレアモンスターを区別できるのも快適で良かったです。

□転職システム
　DQ3,6,7と同様のダーマ神殿での転職システム。
　6,7などでは特定の職業、特技のせいで戦闘バランスが崩れ気味になることがありましたが
　今回はその点でも配慮がなされていると感じました。
　上級職が下級職より全てのおいて優れているというわけでもなく、
　それぞれが個性付けられていて、どの職業に就いてもその強みを生かせます。

□ロードの快適さ
　流石はDSといったところ。ロードは全編通して快適でした。

BAD/REQUEST

■グラフィック
　ドラゴンクエストといったゲームやDSといったハードにグラフィックの美しさを求めるのはどうかと思いますが
　それを考慮しても今回はやはりがっかりといった感じでした。
　ナンバリングタイトルの看板を背負っているのですから、どうしても前作のDQ8と比べてしまう･･･。
　せっかくの着せ替えシステムの魅力も、この点のために半減してしまいます。

■クエストシステム
　「○○を○○で○回倒す」等といったMMORPGのようなシステムは正直駄目だと思いました。
　マルチプレイ向きな面もあるでしょうが、作業感を如実に感じてしまうためDQとしての「冒険感」が薄れてしまいます
　またワイヤレス通信プレイを行った場合、ホスト側ではクエストクリアになっても、ゲスト側では未達成の状態のままという点も×。
　なぜこのような使用にしたのでしょうか。マルチプレイの楽しさを損なうものでしかありません。

■Wi-Fi機能未対応
　発売前からこのゲームの目玉と各種メディアで紹介されていたWi-Fi機能。
　しかし「当初より予定されていなかった」とされているWi-Fiを通してのオンラインプレイ要素ですが
　マルチプレイ部分にある「こんにちは」等の細かな感情表現機能、
　ワイヤレス通信前提のはずなのにこの謎使用は必要だったのでしょうか？
　急遽削られたオンラインプレイの名残なのでは･･･と邪推せずにはいられません･･･。

■従来の世界観との違い
　一昔前の「コギャル」を思わせるキャラクター「サンディ」。
　物語における主人公達の代弁者的な役割を担う彼女ですが、
　ドラクエらしくない現代風な若者言葉を話し、お世辞にも道徳的に正しいとは思えない言動等
　プレイする中で不快な要素でしかありませんでした。
　話題になっているエンディングでのあの一言は何かの冗談かと目を疑いました。
　これを「堀井節」の一言で片付けていいものかどうか･･･。
　そのほかジーンズやメイド服、体操服といった従来のシリーズでは考えられない装備、
　下手に加えられたセンスの無い呪文や特技など、
　一つでも従来のDQをプレイしてる方にとっては
　とても違和感を感じるようなものではなかったでしょうか？

■仲間キャラ
　DQ3と同様に、ルイーダの酒場で自分の好きな仲間キャラクターを「作成」できるシステム。
　その自由なスタイルから、DQで3は好評だったシステムですが、
　3D化されて多少なりリアルになった今作では脳内での補完が阻害され
　言われ様の無い虚しさや不気味さが強調されるように感じました。
　特に言葉を発することも無い、ただモンスターを倒すための「武器」でしかない仲間キャラは
　プレイしていて愛着も沸きにくく見ていて寂しくなりました。
　そして唯一主人公達の代弁者である妖精の彼女は･･･。

■物語の淡白さ
　シナリオの短さや上記のような無機質な仲間キャラも相まってとても淡白なストーリー。
　クリア後のクエスト、マルチプレイ部分を重要視したようですが
　だからといってこれでは余りにも寂しすぎます。
　週末に集中してプレイした事もあって、30時間弱でエンディングを迎えてしまいました。

■システム周りの疑問
　戦闘ごとに解除されてしまうフィールド呪文。
　初めてのダンジョンでも常時表示されるマップ。
　単純なダンジョン。
　謎解きを主とするゲームではありませんが、マップ常時表示のせいもあって
　「ダンジョン」というより「トンネル」といった印象を持ちました。
　並び替えをできる場所が限られています。
　装備品選択画面が分かりづらい、自動で並び替える機能などももっと多く欲しかったです。
　メッセージ表示速度変更が無いのでテンポの悪さを助長しています。

■歴代ドラゴンクエストシリーズへの冒涜
　歴代キャラクターの容姿になれる装備品。
　これは番外シリーズならば快く受け入れられる、むしろ嬉しい要素ですが、
　「ドラゴンクエスト『9』」といったナンバリングタイトルでやられると困惑してしまいます。
　そして歴代ボスモンスターのキャラクター性を全く無視した登場。
　過去作での威厳はどこへやら、見ていてとても悲しくなりました。
　「冒涜」というきつい言葉を用いましたが、そう感じずにはいられませんでした。

COMMENT

全体的に「未完成」、「手抜き」といった印象が蔓延している今作。
これが本当にあのドラゴンクエストなのか･･･と失望することもありました。
レビューを書いていても、不満点のほうが次々出てくるのも悲しかったです。
しかし時折感じられる「ドラクエらしさ」を見つける度に
それに安心し、同時に寂しさを味わう事もありました。
改善された箇所ももちろんたくさんありましたので、
次回作ではその長所を活かし、また今回の失敗点を改善できるようなものを期待します。
DQ10も間違いなく買うでしょう。やっぱり自分はドラゴンクエストが大好きなんです。