NintendoDS mk2 :: ドラゴンクエストIX　星空の守り人レビュー

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ドラゴンクエストIX　星空の守り人レビュー

発売元	スクウェアエニックス（オフィシャルサイト）
発売日	2009/07/11
価格	5,980（税込）
レーティング	【Ａ】全年齢(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon
タギングトップ3
タイトル概要	ロールプレイング、ワイヤレスプレイ（2人?4人）、Wi-Fi対応

オリジナリティ	グラフィックス	音楽	熱中度	満足感	快適さ	難易度
3pt	3pt	4pt	4pt	4pt	2pt	2pt

総合点
69pt

GOOD!

・仲間キャラクタが自由に作れる。
・キャラクターのグラフィック、装備が魅力的
・オートイベントがくどくない
・マルチプレイが楽しい
・すれ違い通信は嬉しい
・戦闘のテンポが近年のシリーズの中では良い（DSリメイク作品除く）
・全体的にあっさりしている
・転職時にレベル1に戻るため、職業経験値が戦闘回数ではなく経験値になり気持ちがいい
・転職時にスキルポイントを引き継げるのでカスタマイズ制限が8と比べ桁違いに緩く、爽快感がある。効率良く転職すれば初心者でも簡単にクリア可能。（無転職でもレベル35程あればクリアは可能だが、前作までと比べシナリオから逸れたレベル上げを強いられる回数が増えてしまうので転職した方が楽）

BAD/REQUEST

・シナリオの質がシリーズ内でもずば抜けて低い（しかも短い）
・新モンスターデザイン、ネーミングセンスがドラクエというよりビックリする程ビックリマンシールの世界観にそっくりで統一されている
・画面が小さい、解像度が低い
・システム面での快適度が低い（ルイーダの酒場でしか並び替え出来ない、戦闘中のHPやMPの増減が表示されるタイミングが遅く呪文詠唱中はMPが減っていなく混乱しやすい）
・シンボルエンカウントが萎える
・敵から非常に逃げづらい
・転職時に呪文の引継ぎが出来ない。FF5のように個数制限があってもいいので引き継げて欲しかった……が、ドラクエ6、7の没個性なシステムよりは弱冠マシ
・ボス戦闘のバランスチューニングが大雑把で運に左右される（運が悪いと痛恨連発で瞬殺されるが次に行くと一度も痛恨を受けない、など。マルチプレイ対応に起因すると思われる。低レベルなシングルプレイでも攻略可能だが安定して倒すためにはレベル上げるor強力な味方をつけなくてはならない）
・ギャル妖精の存在（好みが別れるだろう。自分は好きではないが嫌いでもない。マリベルやゼシカの下位互換といったところ）

COMMENT

「ドラクエは変わらない」と言われるが、ドラクエは毎回変わっていると思う。
ドラクエ1から全てリアルタイムでプレイしてきているため2以降全ての新作発売時のことを覚えているが、4以降の全作品が賛否両論だったのを覚えている。

4では馬車や5章編成のシナリオ、ドラマ性が評価されたがAI戦闘の融通の効かなさが叩かれ、
5では仲間モンスターとシナリオが評価は高かったがやはり戦闘アニメの導入によるテンポの悪さ、3人パーティーによる戦略性の低下、シナリオ進行的自由度の低下、勇者＝プレイヤーの排除、ギガデインの弱体性が子供達に嫌われた。
6では最高傑作と名高い3への原点回帰が謳われたが、実際はシナリオ、グラフィックこそ優れているもののシステムはFF5の劣化版で「気持ちよければ何でもよし」とバランス調整を放棄してプレイヤーに爽快感と創意工夫を与えたFF5に対して、ドラクエは敵のHPを高くし楽勝を封印することでプレイヤーに負担をかけた。またモンスターの攻撃アニメーショんが導入されますますテンポが悪くなった。
7ではシリーズでも随一のアダルト向けシナリオが評価高いが3D化が賛否両論に。
8もフル3D化が賛否両論を起こすことになる。

今作はシリーズ初のハードウェア性能の後退、ジャンルの変更、過去最悪の発売延期、制作陣の悪ノリ的パロディなどでマイナスイメージを固めたところにmixiやブログなどの普及などが原因で
今まで皆が友達と「今回のドラクエはイマイチだよな」と不満を語っていたのが全国規模で目につくようになっただけではないかと思われる。

グラフィック、イベント至上主義のこの時代にここまで贅肉をそぎ落とした本質で勝負、とDSで発売する決断をした制作陣には拍手を送りたい。
次回作は3以降20数年ぶりに最高の大興奮を与えてくれるのではないかと期待せずにはいられない。

個人的には近作は眠る時間を勿体無く感じるほどプレイしたくなる十数年ぶりのRPGで、
非常に素晴らしい傑作だったが、欠点も過去のナンバリングシリーズで間違いなくナンバー1の多さを誇っており、特に制作者の手抜き・やる気のなさがユーザーに伝わってくるのは大問題である。

特にシナリオの手抜きっぷりは神懸かっており、近年のドラクエの基本スタイル「子供にも話は理解出来る程度の軽い演出で大人向けのストーリーを魅せる」から一転、究極の子供騙しに変わってしまったのが最悪の残念さだった。

天使vs悪魔という構図にビックリマン風の名前と容姿を与えられたボスモンスターが用意され
「今回はビックリマンとのタイアップなのか」と思ってしまうレベルの異世界感もどうにかならないものか。
EXILEなどを追加している暇があったら、いっそのこと上級職に聖フェニックスなどを追加してもらいたかったレベルである。

シナリオライター（堀井氏ではない感じがする）、モンスターデザイナーにはザラキをかけたくなるがそれ以上は非常に頑張っており、特にキャラクター周りのモデリング、装備グラフィックなどは非常に良かった。

3のSFC版リメイクなどは原作レイプだと受け入れられなかった自分だが、今作をプレイした限りでは転職システムの欠点を改善した上で、今作のシステムを搭載したドラクエ3リメイクをプレイしたいと思ってしまう程であった。

せっかくドラクエ9というこんなに素晴らしい企画が生まれたのだから、世論には耳を貸さずに最高のドラクエ9を納得いくまで作り上げてほしかった。

近年のシリーズが80?90点だとしたら、今作は限りなく120点に近い70点だと感じた。

学校で仲間のたくさんいる子供達の方がワイワイ楽しめそうだが全体的には古き良き時代の名残を残しているので十代を80年代後半?90年代前半に過ごしたオールドゲーマー達と
酒を飲み当時の思い出話で盛り上がりながら楽しみたい作品だと思った。