NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・オリジナリティ
冒険者たちを多数雇い、パーティーを決定してダムのある街の防衛及びダンジョンへの侵攻を行うという設定や、それらの行動が全て自動で行われるため忙しなく頭を使うこともなく、ゲームが苦手という人にも安心できる設定である。
また一度クリアしたダンジョンは後日探索という形で、アイテム入手や仲間の鍛錬などが行えるので結果的にはパーティーの強化になる。
それ故に粗の部分が多く目立つわけだが。

BAD/REQUEST

・ダムの必要性
タイトルにもなり、ダンジョンの敵を水攻めするダムだが、充填のスピードが遅く、いざ敵に使っても敵を多数押し流すような威力はなく、また水流上にいた仲間が流されるというハイリスクを伴うという、使うとなるとあまりにもリスクとリターンのバランスが釣り合っていないのが気になった。
一応仲間が流されてもワイヤレス通信で助けてもらえるが、むしろｗｉ?ｆｉ通信かパスワードで救助を求められるシステムの方がよかったのではなかろうか？とさえ思うほどである。
・快適さ
特にパーティーの人数が多くなるにつれ、装備をパーティー一括で自動的に装備したり逆にパーティー一括で全解除したりするシステムが本気で欲しくなるくらい装備の管理が面倒臭くなったり（そうしたパーティー全体の装備の管理役はエルアがやった方がいいかと。その設定上男女どちらの装備を見繕っても違和感はないだろうし、イベント以外では空気気味だし）、装備の購入が素材入手→素材の精製→鍛冶屋で購入という面倒臭いものであったり、薬を隊に配備したら戦闘や罠で傷ついた時にＨＰが全快するまで、それが些細なケガであっても使うような非常に無駄の多い物であったり、仲間の不満度は徐々に上がっていきそれを下げる手段が「不満度を上げきってから酒場で再雇用する」ことしかなくその度に出費させられるなど、長く掛かるこのゲームにおいてはじわじわとボディーブローの如く効いてくる感じの快適さの低さが気になって仕方がなかった。
・ストーリー
明るめなムードに似合わず中盤からイベントの鬱度数が上がるのは受け入れにくかったし、ヒロインである主人公の義姉・フィアの扱いの酷さ加減は何より頂けない。
ありきたりなツンデレヒロイン、というだけではパンチ力が弱いというだけでこうした物語で糾弾され苛められる役割を振られたのだと思うが、こんな設定で安直に感動を得ようと考えているならあまりにも浅はかであり、何よりユーザーの不快感ばかりを煽り立てるということに気づかないのだろうか？
・熱中度
中盤以降妙に鬱度数が高くなるシナリオにも熱中度は下げられ、また夜の戦いにしても流れがワンパターンで（ダンジョン侵攻でゲートを全部破壊（ただ攻めるだけでなく防備の部隊も置かないと施設を破壊され不利になる）→ボスが登場するのでそれを討伐→次のダンジョンへという流れ）、その癖自分で戦いの時にやれる事は少ないため戦いはただ見てるだけということも熱中度を容赦なく下げていく。
その為プレイの大半の時間には積んでた本を消化したりしていた気がする。
・難易度
最初のうち（厳密には酒場に投資してＬＶ２にし、最大雇用人数を２０人にするまで）は異様に厳しく、防戦一方にさせられるのにそこを過ぎたら、薬を隊に配備した上でちゃんとパーティーの隊列を整えていれば大半の戦いを見てるだけでも平気なバランスになったり、ユニークキャラ（不満度も上がらずコストも掛からない）を全員残すため（オブリとエーデル＆メーネ、サヤノとトリニティは通常だとイベントの選択でどちらかしか残せない）には攻略ｗｉｋｉで情報を得ておかないと漫然とプレイしているだけでは無理など、難易度の変なバランス加減も気になってしまった。
・その他あれこれ
ＣＶが一応入っているが、名前を聞いた事もない声優のものでレベルが低く、またシーンに合っていないため心底いらないと感じたし（それゆえずっとＣＶをオフにしてました）、転職もそれ自体が罠になる（例えばシーフ→クノイチのように罠解除がなくなり結果的に役立たずになったりする）物が多いためあまり使えなかったり、探索などで手にしたアイテムが４人パーティーで最大４個までしか持ち帰れなかったり（一応ポーターという職業を入れればアイテムの持ち帰り可能数は増える）と喉に刺さった小骨のように気になるところもいくつか目に付いた。

COMMENT

街の防衛や多数のパーティーを指揮して戦う、というシステムは斬新だが、長くプレイするゲームに不似合いな快適性の低さや飽きさせないための工夫がされていないこと、ストーリーの鬱さ加減などの荒い部分が目立つため、クリア後も続けたいゲームかといわれるとコメントを控えたくなるのが本音である。
現在（２００９年６月時点）なら店によっては新品で２０００円程度で買えるほど値が下がっているので、安価でそれなりの時間プレイできるゲームを探している人なら購入の対象に入れても良いかもしれないが…