NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

【キャラクターの動き】
　よく動く。
　DSの小さな画面の中でもちゃんと、それぞれのキャラらしいアクションを起こしている細かさは高評価。
　ただ、台詞の合間に一々動くのが、時折煩わしく感じることも。
　後、あちらこちらにいる逆裁キャラを見付ける楽しみというものもあった。

【快適さ】
　キーレスポンスも良く、使いやすいボタン配置。
　推理や証拠品の指摘等の場面でも、該当範囲を広く取ってくれている為、選択しやすい。
　快適性については、特に言うこと無い出来だった。

【ストーリーの流れ】
　全編通して1つのものを追い続けた物語については、非常に分かりやすかった。
　ただ、物語の時間軸が前後しまくるのは、もうちょっとどうにかして欲しかった。
　前後しすぎ。
　4話目まで、前後しまくるしね。
　何年も過去に戻るのは兎も角として、他3話は時系列順に並べても問題なかったのではないだろうか…。

BAD/REQUEST

【オリジナリティ】
　御剣検事が主人公である、と言う点を押し出す為に、ロジックを採用した点については、悪くないと感じた。
　ただ、逆転要素に非常に乏しく、「この人犯人じゃないの？」と思った人は全員犯人だし、「この人とこの人、実は同一人物じゃないの？」と思ったらやっぱりそうだったし、「こういう展開になるんじゃないの？」と思ったら大抵そうなる。
　期待を裏切る展開というものが殆ど無い上、逆転もしないでは、【逆転】の名を冠するには相応しく無いのでは？
　主人公を御剣検事にしたから、ナルホド君のようなはったり戦法は使えない、というのは理解出来るが、だからといって【逆転】を排除する必要はなかった筈。
　展開にも物語にも、意外性がもっと欲しかった。
　全く【逆転】と言える部分がなかった訳ではないが、余りにも拙い【逆転】ばかりで、物語の盛り上がりに欠け、がっかり。
　その上、一番【逆転】を期待したい終盤は、場当たり的な証拠品の登場の連発で、呆れるばかり。
　何だこの畳みかけ方、もうちょっとやり様はあっただろうに…。
　その上、シリーズの特徴であるキャラクターのアクの強さも形を潜め、面白い名前も少ないなど、ちょっと残念な点も多々。
　負けた時のグラフィックにも派手さはなかったしね。

【難易度】
　低すぎ。
　毎作1度くらいは徹底的に詰まって、攻略サイトを見るか否かで悩んだものだが、今作ではそう言う局面は1度も無し。
　余りにも御剣検事の誘導が的確すぎて、悩む余地がない。
　簡単である、と感じた一因については、謎の階層が終盤まではかなり浅めな点が挙げられるかと。
　序盤は恐らく、悩む必要すらないだろう。
　まぁ、ロジックについては、多少のアクセントにはなっていたと思うが。
　それにしたところで、そんな凝った物ではない。
　悩むと言えば、精々毎度お馴染みの、「どっちのタイミングでこの証拠品を出せばいいのか」とか、「どっちの証拠品を要求されているか、微妙に分かりづらい」とか、そんな感じ。
　何処に突っ込めばいいのか、時々微妙に曖昧なのは、シリーズ伝統の欠点だが。
　分かっていても、その場所にたどり着くまでに遠回りさせられるケースもあるしね。
　分かっているのに突っ込めないジレンマで、苛々するのも相変わらず。

【セーブ】
　毎回言われていることかとは思うが、何故セーブ終了後、タイトル画面に戻すのか。
　セーブの度にタイトル画面から読み込むのは、やはり煩わしい。
　とは言え、今作は余り難易度が高くなかったので、セーブする必要も余りなかったが。

COMMENT

　【逆転裁判】のスピンオフ作品。
　終盤に入るまでは、【検事】が主人公である必要性、と言うのがストーリーから感じられず疑問に思っていたが、最終的には【検事】ではなく【御剣検事】が主人公である必要はあったのだと思える様になった。
　正直言うと、序盤は人気キャラの御剣君でゲームが作りたかっただけなんじゃないの？と思っていたのだが。

　まとめると、前述の通り【逆転】シリーズとしては、個性が弱いと言わざるを得ない。
　特に1?3をプレイしていると、やはり様々な部分に不満を感じることになるかと。
　まぁ、1?3の出来が良すぎたとも言えるが。
　【逆転】シリーズとしては、逆転要素が乏しいと感じることは、やはり致命的な欠点である様に思う。
　悪くはないけど、没頭する程も面白くはなかった、かな？
　少なくとも、1?3までの神懸かり的な盛り上がりには、劣ると思う。
　とは言え、面白くないかというと、そうでもなく。
　【逆転】の名を冠してさえいなければ、十分に満足出来るレベル。
　点数にすると平凡な点も多いせいか、余り高得点にはならないが、だからといって駄作な訳ではなく。
　御剣検事のファンと、逆に初めてシリーズに触れる方には、お勧めかも。
　難易度も低いしね。

　キャラに関しては、美雲や葛の笑い方が可愛くないのは、個人的に残念だった。
　でも冥好きには堪らない話もｗ
　凄く可愛かったよ冥。
　後、狼は良い味出してた。
　インパクトには乏しいが、キャラとしては良かった。

　最後に、
　画面が白くフラッシュするのが嫌だという話は方々では聞かれたが、私は全く気にならなかった。
　言われて初めて気づいた程度。
　目が敏感な方には、少々辛いかも知れないが、私の様に鈍い方には問題ないかと（笑）。