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GOOD!

ＤＳリメイク３部作の１作品目。
同じエンジンで開発中の６リメイクへの感触を確かめる意味と、９発売に向けてＤＳと言う市場に「ドラクエブランド」と言う土壌を持ち込むための切り込み隊長的な位置づけの作品。
基本は既に数年前に発売したＰＳ版のベタ移植ではあるが、ＤＳならではの立ち上がりの早さ、何処でもプレイできる利便性など、とにかく快適にプレイ出来るのが本作最大のウリ。

モンスターが攻撃時以外は静止画だったＰＳ版と比べると、待機モーションが付いたＤＳ版の戦闘の方が見応えがあり、かつ戦闘テンポが格段に良くなっている。そのため見飽きない、思い出したときに手が出やすいなど、快適な環境で存分にドラクエワールドに浸れる。

４はシリーズ中でも全体的にＢＧＭの出来が頭一つ抜けて良く、ＤＳのスピーカーで何処まで出来るのか不安であったが、この辺は流石すぎやんと言ったところ。素晴らしい出来。

BAD/REQUEST

まず画面分割。大いに不満。
強引に二画面に分割されたゲーム画面を、制作者は見やすいと本気で思っているのだろうか？
ＤＳならではのテンポの良さは評価に値するが、この最悪の画面分割のお陰でプラスマイナス０。人によってはマイナス評価を下されても仕方がないと思う。
移動画面では上下画面間の部分が気になるし、戦闘画面では上画面にステータス、下画面にモンスターと言う最悪のレイアウトのお陰でダメージコントロールに神経を使う。いちいち上下に目線を移しながらプレイしなければいけないのは目にも酷というもの。

折角ゲームはテンポ良く、ストレス無く進行するのに、画面構成一つで台無しになっているのは勿体ないと思う。ＤＳリメイク第二弾の５も画面はこの構成だったので、恐らく６もこうなると思われるが…今からでも遅くないので、仕様を見直して欲しい。

タッチペンが「使えそう」な下画面のコマンド表示なのだが、実際は使えない。これもマイナス。何故わざわざ伝統のコマンドレイアウトを変更したのか。ＤＳリメイクに当たって、タッチペン「も」使える様にする為に、この様なレイアウトにしたのなら分かる。なのに、実際は「使えそうだけど使えない」。それなら伝統のレイアウトを守って貰いたいものだ。

快適性に優れた本ソフトだが、一部の町では表示が限界らしく、頻繁にキャラオーバーを起こしていた。５では改善されていた為６は安心できそうだが、「４はキャラオーバーを起こす」と言うのは本作にとってはマイナスか。

後、バグがちらほら。キメラの翼を使うと、「はじゃのつるぎを投げ捨てた！」と、表示がおかしくなる事が頻繁に起こり、３章のダンジョンで、作動するはずのギミックが作動せず「詰む」危険性がある。私はそれでリセットを強いられるハメになった。こういったつまらない点で評価を落とすのは非常に勿体ないので、いつもの様に多少の延期をしてでも完成度を高めて欲しかった。

４はＢＧＭの出来自体は良いのだが、戦闘後にフィールド曲が頭から再生になっているのが気になった。これのせいで曲の終盤などは殆ど耳にすることなくゲームが終わってしまうからだ。

COMMENT

４のストーリーは特に大きな破綻もなく、考えさせられる深さを内包している。５章までは。
ＰＳ版で追加された６章の余りのご都合っぷりと、キャラクターの言動の支離滅裂さは、正直堀井雄二が携わった仕事とは思えないほど出来が酷い。エ○リアンｖｓプレ○ターや、ジェ○ソンｖｓフレ○ィの様に、それ自体の完成度を論ずるのはナンセンスで、敵味方が競演する事自体を評価するべきなのだろうか？仮にそうだとしても、その程度の妥協で終わって欲しくは無い。何故ならこれは「ドラクエ」だからだ。２度目のリメイクなのだから、この辺をもっと突き詰めて完成度を高めて欲しかった。
蛇足だが、これは５にも言えること。相変わらずスカスカで唐突過ぎる結婚イベントや、ゲマ関連の破綻した追加エピソードなど、最近のドラクエのリメイクは諸手を挙げて賞賛できない部分が大きい。６のリメイクは純粋に楽しみだが、こう言った改悪があるのではないか。どうしても不安になってしまう。

最後に、値段も落ち着いてきた事だし、今から買うなら断然ＤＳ版のドラクエ４をお勧めする。
ＰＳ版に比べて劣化した部分も少なからず有るが、本作のプレイ環境、特にテンポの良さは、それらを補って余りあると断言できる。４，５，６と、天空シリーズをＤＳ１つで楽しめる。コレクションとしても価値がある一本ではないだろうか。