NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

■個性豊かな108人のキャラクター
今回も健在の１０８星。美形・人外・おっさんおばさん・ジジババなど濃いキャラクターが揃っており、個性がそれぞれしっかりと作られている。ストーリーを進めるごとに会話パターンが変わっていくので、それも聞くのも楽しみの一つ。またクエストなどのサブストーリーでより深くキャラクターを知ることが出来る。
従来のシリーズに比べ戦闘要員が増え、より多くのキャラを使えるようになった。今回は固有武器はなく、キャラによって装備可能なものから選ぶ方式なので武器をかえるごとにグラフィックが変わり、戦闘中のモーションが変化する。色々付け替えて楽しめた。
ボイス量も多く、特に序盤はフルボイスかと思う程しゃべってくれる。

■先が気になるストーリー展開
話としては王道ＲＰＧだがテンポよく進んでいき、見せ方がうまい。要所要所にはさまれるボイス入りアニメムービーも綺麗に作られており話を盛り上げている。また、百万世界という新しい世界観が新鮮。wifiでキャラを行き来させてクエストに参加させるというのも合っている。

■音楽がいい
使いまわしている曲がそれほどなく、耳障りのいい曲が多い。特に出撃前の曲がカッコいい。

BAD/REQUEST

■キャラクターの３Ｄグラフィック
通常画面は背景までこまかく描かれていて綺麗だが、問題はキャラがアップになることの多い戦闘時。等身が低くデフォルメされているのだが、肝心の３Ｄが荒く角ばっている。かわいい女の子キャラならまだしも中年キャラなど目のキラキラ加減が気になってしまい見るに耐えない。

■システム周辺がやや不親切
・足が遅い
中盤でアイテムを取るかあるキャラを仲間にすることで解消されるが、それまではエンカウントの高さもありイライラさせられる。最初からこのスピードにすればいいのに何故こんな１仕様を？

・セーブポイントが少ない＆中断セーブ不可
気軽さを求められる携帯機だからこそこれは痛い。

・武器や星の印の付け替えが面倒
武器はいちいちパーティーにいれないと変更不可能。星の印は変更ポイントで変えるのだが、一気に多くのキャラが出て変更するキャラの所までカーソルを合わせないといけない。通常のＲＰＧなら問題ないシステムでも幻水の様にキャラクターが多いと不便に感じてしまう。自分は色々なキャラをまんべんなく使うっていた為気になってしまったが、メンバーは固定派の人なら問題ないかもしれない。

・クエスト時の移動
クエストの場所までは自動で移動してくれるのだが、いざイベントが終わるとその場で放置。ダンジョン脱出アイテムや本拠地帰還アイテムがない為、自力で帰る羽目になる。少し歩けばワールドマップに出られるが地味に面倒。恐らく季節を経過させる為にこの仕様なのだろうが…。

■戦闘が簡単すぎる
幻水シリーズは簡単でサクサクな戦闘だが今作はそれに輪をかけて簡単。ラスボスや一部ボスを含め星の印はほとんど使わず通常コマンドだけでも倒せてしまう。もう少し歯ごたえが欲しかった。


＊＊＊＊


以下は過去の幻水シリーズと比較して感じた所を挙げておく
■戦闘パーティーが４人
多くの人が挙げている点だが、今作は一番戦闘要員が多く使えるのにこれではもったいない。ポジションは６つあるし、せっかく杖がＬレンジになったのだから６人パーティーがよかった。

■幻水おなじみの要素が薄い
・風呂イベント、目安箱、本拠地のミニゲームがない
今回のキャラクターに１・２と同じくらい愛着がわいたからこそ、見てみたかった。

・戦争イベントがない
今回の敵は大国ではないので「戦争」をやっている感が薄い。（パーティーを複数組む→ボスと通常戦闘といった感じ）そのせいで軍師キャラの軍師としての存在感が薄い。彼個人はとても魅力的なキャラだが、軍師というよりはただの機転の利くキャラになってしまっている。
戦争ではない幻水というのもプレイしてみて個人的には面白かったが、上記の点で受け付けない人もいるかもしれない。

・本拠地にモブキャラがほとんどいない
容量の問題かもしれないが、本拠地に108星以外の一般人キャラがほとんどいないので多少違和感が。本拠地が大きくなるにつれ「戦闘できないけどお世話になるよ」的な存在が今回もいてほしかった。

COMMENT

幻水シリーズは１・２・外伝１＆２・４とプレイ済み。

４のあまりの出来にがっかりして新章の今作もあまり期待せずプレイし始めたのだが、思った以上にボリュームがあり楽しんで遊ぶことが出来た。
続きものでないがやはり幻水シリーズ作品のひとつとして過去作品と比べてしまい、悪い点ばかり挙げてしまったが、「これは何とかして欲しい」と感じたのは３Ｄグラフィックくらいで、あとはシステム改良でもっと気持ちよく爽快にプレイできるはず。その点も含め続編には期待している。

最初は「喋りまくる熱い主人公なんて…」「紋章や戦争のない幻水なんて…」と色眼鏡で見てしまったが、根本ではしっかりと幻水らしく作りこまれている。従来のファンも全くやった事のない人も一度はプレイしてみてほしい作品。