NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

またひとつ、まったくシンプルで無いシンプルシリーズが登場してくれた。
ボリュームも多く、前作と比べるとマップが倍程度にはなっているはずだし、ストーリーもまあまあ面白い。
正直こういうゲームはストーリーが強く出ないほうがやりやすい気がするのだが、今作のSTAGE7やSTAGE13（脱出モノとしてはかなり斬新なシチュエーション）を見ると…まあ、こういう流れもいいかなと言う気になる。

本編はゲームのジャンルゆえどうしてもクリックゲーになるが、他脱出ゲームと比べて理不尽な視点が少なめ。
やや小さすぎるアイテムもあるが、背景がものすごい描き込んであるワケでも無いので、あまり気にならなかった。


今作の主人公は前作よりよっぽどおちゃらけた性格らしく、ところどころにパロディや時事ネタが見られる。
全編通して難度が高く、時間制限イベントもあったりと常に緊張と思考を強いるゲームなので、時々こう言うことをやってくれると嬉しい。

また、普段は無音ながら、ゲームスタート時やピンチのシーン、イベントなどで割と多様なＢＧＭが鳴る。時々うるさく感じるが、曲そのもののクオリティは良いほうだ。

BAD/REQUEST

肝心の謎解きがもうちょこっと不満。

スライドパズルはレイトンでおなかいっぱい。それでなくとも使い古しのオーソドックスな箱入り娘なんか、もうやるべきではない。
前作のエセマインスイーパよりは良いが、あまりひらめきを要するものではないので、もう少しお手軽な違う種のトリックでいいと思う。

また今回、タッチパネル上に図形を描くシーンが幾つかあるのだが、まずそう言う仕様があることをプレイヤーに受け入れさせる準備が、やや不足しているように思う。

そして、いろいろ触ることで部屋全体に影響するギミックは、「変化の法則を見定める謎解き」としては面白いが、あてずっぽうでいつの間にか解けてしまう範囲内なので、味気無くなりがち。

一番残念なのがどの謎も「スタッフが想定した解き方」以外の反応が無いことだ。
怪しいオブジェがあれば、当然タッチしたりスライドしたり役立たないアイテムをあてがったりするわけで、そうした「間違った行動」へのフォローがあまり無い。
「それが正解だ！」と言う反応だけでなく、「そういうことじゃないよ！」と言う反応があれば、もっと一般受けすると思う。


とは言えSTAGE7やSTAGE13のような、言葉遊びや物の概念を扱った謎は非常に面白かったのだし（他にも地下鉄の車輪は斬新なネタ）、全体的に見ても気合十分なクオリティなので、この開発会社にはまた別に脱出系ゲームを作って欲しい。


人物については、「ケイ」がせっかくヒロインなのに、全くキャラが固まっていない点が気になる。
その役割上性格が変わるのは仕方が無いが、口調までもが一定しないので、同調しづらい。
天然でアホっぽい喋り方なのか、「?かしら」と普通の女の子口調なのか、ブーム君なのか、エセ中国人なのかハッキリさせるべき。

これではロボットのほうがよっぽど愛らしいキャラクターになってしまう。

COMMENT

満足の行く内容。

正直時限イベントとビックリ系は嫌いなので、次回があるのなら、落ち着いてできる、ぞわぞわ来る演出がいいなあ。
トロッコは楽しかったけど。


これからプレイされる方は、エンディングは６まであるので見逃さないように。